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ドキュメンタリー映画『ドンバス』とは?
『ドンバス』は、アンヌ-ロール・ボネル監督による、2015年、ウクライナ東部ドンバス地域の状況を取材したドキュメンタリー映画である。ポロシェンコ大統領(注2)に見捨てられ、極右武装集団による攻撃と迫害を受けている人々の姿と声を取材した。
ボネル監督は、フランス人ジャーナリストであり、映画監督である。ボネル監督は、2014年6月7日にウクライナの第5代大統領となった、ポロシェンコ大統領の演説を聞いて、取材に出かける決心をした、と映画の中で記している。
(注2)ペトロ・オレクシーヨヴィチ・ポロシェンコ:第5代ウクライナ大統領。2014年6月7日から2019年5月20日まで。2014年に、ユーロマイダンでのデモから始まったウクライナ騒乱でヤヌコーヴィチ政権が崩壊した後、大統領に就任した。2019年の大統領選挙では、決選投票でウォロディミル・ゼレンスキー氏に敗北した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B3
場面01:2014年、ポロシェンコ大統領の演説
▲『ドンバス』よりIWJ作成
ポロシェンコ大統領「我々は仕事を得られよう。だが彼らはそうならない!
(Nous aurons du travail et eux non !)
我々は年金をもらえよう。だが彼らはそうならない!
(Nous aurons les retraites et eux non ! )
我々のもとでは高齢者や子どもたちに諸々の支援があろう、だが彼らはそうならない!
(Nos enfants iront à l’école et à la garderie, )
▲『ドンバス』よりIWJ作成
我々の子どもたちは学校に、保育園に行くだろう。
(leurs enfants resteront dans les caves !)
彼らの子どもたちは穴ぐらへこもったままだろう!
(Parce qu’ils ne savent rien faire. )
彼らには何もできやしないのだから。
(Et c’est comme ça. )
こんなふうにして、まさにこんなふうにして
(précisément comme ça, )
我々はこの戦争に勝利するのだ
(que nous gagnerons cette guerre )」
▲『ドンバス』よりIWJ作成
字幕(ボネル監督)「2014年12月、私は、ドンバスに暮らす人々についてそんなふうに語るペトロ・ポロシェンコ・ウクライナ大統領の演説映像を見つけた。
(Décembre 2014, je découvre le discours du Président ukrainien Pétro Porochenko concernant la population du Donbass.)」
ウクライナ東部のこの地方は、親欧派と親ロシア派との対立による内戦で殺戮が繰り広げられた。
(Cette région de l’Est de l’Ukraine est décimée par une guerre civile opposant pro-européens et pro-russes.)
私は現地の人々と会い彼らの声を集めるべく、1月15日、パリを発った。
(Je quitte Paris le 15 janvier pour rencontrer les habitants du et recueillir leur parole.)」
場面02:砲撃音の鳴り響くドネツクの街
▲『ドンバス』よりIWJ作成
男性「見てください、みんな荷物を持って出ていきます。
(Regardez ces gens qui partent avec leurs sacs …)
避難所に行くんです。そうするしかないんです。
(Ils partent vers les abris, c’est la seule solution. )
アパートの中でじっとしているのはあまりに危険ですから。
(C’est trop dangereux de rester dans les appartements. )
この人たちは不発弾を片付ける作業をしています。
(Les gars travaillent au déminage …)
地雷みたいに本当にいっぱい散らばってるんです。
(Il y a beaucoup de mines,)
積雪で見えませんがね!
(et on ne les voit pas avec la neige !)」
(爆撃音)
(倒れている人)
(負傷者のうめき声)
男性「救急車は一体どこにいるんだ!」
(Mais où est l’ambulance ? )
場面03 ドネツクの病院
▲『ドンバス』よりIWJ作成
若い母親「…その時、ベビーカーはそこにあるんですが、子どもたちの姿が見えないんです。
(Et là je vois la poussette mais je ne vois plus mes enfants. )
近づいていくと、子どもたちは地面に投げ出されているではないですか。
(Je m’approche et je découvre leurs corps gisant au sol.)
まるで小さな兵隊さんみたいに。
(Comme des petits soldats.)
ドミトリには頭がありませんでした。
(Dimitri n’avait plus de tête.)
そして、あの穴が見えたんです…
(Et là je vois ce trou…)
娘の顔にぽっかり空いた、あの穴を見たんです!
(Je regarde ce trou béant sur le visage de ma fille.)
娘はもはや息ができずにいました….
(Elle ne pouvait plus respirer…)
ドミトリはもう助けられなかった。
(Dimitri on ne pouvait plus le sauver.)
お医者さんたちは懸命に娘オルガを救おうとしてくれましたが、
(Les médecins ont essayé de sauver ma fille Olga.)
手術はあまりに難しいものでした。
(L’opération était trop compliquée. )
腎臓は両方とも、脾臓、そして肺が一つ、やられていました。
(Les reins, la rate et un poumon étaient touchés.)
娘の意識は戻ることはありませんでした。
(Elle n’a jamais repris connaissance.)
出血が多すぎたんです。
(Elle a perdu trop de sang.)
たくさんの人たちが輸血のために来てくれました。
(Beaucoup de gens sont venus pour donner leur sang.)
でももう手遅れでした。
(Mais c’était trop tard.)
娘は死んでしまった。
(Ma fille est morte.)
このソフィアは奇跡的に助かりました…
(Sofia est miraculeusement restée en vie…)
ベビーカーに乗っていたんです。ベビーカーはズタズタになっていました。
(Elle était dans la poussette, et la poussette était complètement déchiquetée.)
そこで泣き声をあげていました。手を振り回して。小さな指はちぎれそうになってブラブラしていました。
(Elle pleurait, elle agitait sa main et ses petits doigts pendaient.)」
(治療中の負傷者の様子)
ベッドに横たわる年配女性「私は長女の夫と一緒にここに辿り着きました。
(Je suis arrivée ici avec le mari de ma fille aînée.)
一緒にバス停にいたんです。
(Il était avec moi à la station de bus.)
彼は大怪我をしました。
(Il a été blessé.)
私たちには祈ることしかできません。それが私たちの唯一の救いの道です。
(La seule chose c’est de prier, c’est notre seul salut.)
だって、私たちは神にすっかり背を向けてしまっていたんですもの。
(Parce que nous nous sommes détournés de Dieu.)
私たちは神を忘れてしまっていました。
(Nous avons oublié Dieu.)
これは私たちの罪の代償なのだと、
(Et c’est le prix de notre péché. )
私にはそんなふうに思えて仕方がありません。
(Moi je vois les choses comme ça.)」
場面04:ペルヴォマイスク (Pervomaisk)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(破壊された家々の様子)
(取材班が地下壕に降りていく)
(取材班を案内してきた男性)「この女性はフランス人で、ここで起こっていることをフィルムに収めるために来られました。
(C’est une française qui est venue pour filmer ce qui se passe ici.)
私たちがどんな暮らしをしているか、誰も知りませんからね」
(Parce que personne ne sait ce que l’on vit.)
女性「この人たちは本当にみんなに知らせてくれるんでしょうね?」
案内してきた男性「きっとそうしてくれます!
(—Mais est-ce qu’ils vont vraiment le montrer ? — Ils le montreront !)
ここにお連れした方々は、ここで目撃することを世に知らしめてくれますよ。」
(Les gens que nous amenons ici montreront ce qu’ils verront. )
取材班の男性「もちろんそうしますとも!
(Nous montrerons ! )
(子供達に向かって)あなたたちはいつからここで暮らしているの?」
(Depuis combien de temps vous vivez ici ? )
少女「7ヶ月前から!」
(Depuis sept mois !)
女性「爆弾のせいでみんな怯えています!
(Avec les bombes ils tremblent tous !)
この子どもたちは、家族と一緒に夏から閉じ込められているんです。
(Ces enfants sont enfermés depuis cet été avec leurs familles. )
今となってはもうこの地方から脱出することもできない!
(Et maintenant on ne peut plus sortir de la region !)
どこに行こうと戻ろうと、一体どこで生きていけるのか、私たちにはもうわかりません。」
(Partis, revenus, on ne sait plus où vivre. )
女性「子どもたちは夏の間じゅう、陽の光を見てないんですよ。
(Les enfants n’ont pas vu le soleil de tout l’été.)
この子たちを見てください、この子たちがテロリストだというの?
(Regardez ces enfants. Ce sont des terroristes ? )
一体なんなの、この国は…
(C’est quoi ce pays.. )
国民が殺し合うなんて?
(où le peuple s’entretue ?)
子どもたちも年寄りも…
(Les enfants, les vieillards…)
一体なんなの、この国は!
(C’est quoi ce pays !)」
女性「大統領が同じひとつの国の子どもたちに差別をもうけるなんて、一体なんなの?
(C’est quoi un président qui fait la différence entre les enfants d’une même nation ? )
子どもたちに罪はないわ!
(Les enfants ne sont pas coupables !)
ポロシェンコは『西部の子どもたちは学校へ行かせよう、東部の子どもは穴ぐらにこもってろ』なんて言ったのよ!
(Porochenko dit : « Les enfants de l’Ouest iront à l’école, ceux de l’Est dans les caves. »)」
女性「敵が外国人というならまだしも
(Encore si c’était un ennemi de l’extérieur.)
同胞が同胞を手にかけるなんて。
(Mais là c’est frère contre frère.)
この戦争が始まってから、家族はバラバラ、彼らは爆弾を落として回り、子どもたちは殺された。
(Depuis le début de cette guerre, des familles sont divisées, ils bombardent, des enfants sont tués.)
家々も破壊されたわ。これを、一体どうやって立て直せばいいというの?」
(Les maisons sont détruites. Comment on va reconstruire tout ça ? )
女性「このおばあちゃんは呼吸が苦しいのよ、病院に行かなければいけないのに
(La mamie s’étouffe, il faut qu’elle aille à l’hôpital.)
それもできない
(C’est impossible.)」
女性「あの12人が殺されたときは、世界中があなたのために立ち上がった。
(Le monde entier s’est levé pour vous, quand 12 personnes étaient tuées.)
なのに、私たちのところで何千人も死んでも誰も動いてくれない。
(Et quand chez nous il y a des milliers de morts, personne ne bouge.)
夫はこの避難所で死んだのよ!
(Mon mari est mort dans cet abri.)」
場面05:コムナルスク村の地下壕で暮らす人々(Kommunar)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
女性「私は44年前からコムナルスクの村で暮らしています。
(J’habite le village de Kommunar depuis 44 ans.)
2014年8月16日、ウクライナ軍がここにやってきました。
(Le 16 Août 2014, l’armée ukrainienne est arrivée ici.)
その振る舞いといったら、ひどいものでした。
(Elle se comportait de manière lamentable,)
私たちは水も電気もない地下室の中で暮らしていました。
(on vivait dans une cave, sans eau ni électricité.)
水を樽に入れて運び込んでいたのですが、
(On ramenait des tonneaux d’eau,)
この水は飲めなかった。だからみんな中毒を起こしてしまいました。
(mais cette eau était imbuvable, et tout le monde a été empoisonné.)
料理にこの水を使っていたからです。
(On cuisinait avec cette eau.)
コンロは入口の前にあったんですが、その前を通り過ぎるウクライナ軍の兵士たちは
(Il y avait devant l’entrée un réchaud, les soldats ukrainiens passaient devant…)
『おやおや、分離主義者の皆さんはお腹が空いておられるぞ』なんて言ってはコンロを蹴飛ばして、
(et disaient: « Ah les séparatistes vous avez faim », et donnaient un coup de pied dans le réchaud.)
鍋の中身を全部ぶちまけるんです。
(Ils renversaient tout.)
彼らは家族やその子どもたちが住む地下室まで入ってきました。
(Ils venaient dans les caves où vivaient les familles avec leurs enfants.)
酒に酔っていて、私たちをこう言いながら脅したものでした。
(Ivres, ils nous menaçaient et disaient:)
『手榴弾でお前らみんな吹っ飛ばしてやるからな!』
( « Alors, on vous jette une grenade pour que vous sautiez tous ! »)
女たちにはこめかみに機関銃を突きつけながら
(Ils disaient aux femmes,)
腹ばいになれとか立てとか命じました。
(de s’allonger et de se relever mitraillette à la tempe.)
こんな扱いをされたんですよ…
(Ils nous traitaient comme ça…)
また、上の階にアル中の夫婦がいて、私たちのことをたびたび密告しました。
(Il y avait aussi un couple d’alcoolique à l’étage qui nous dénonçaient, )
見返りにもらえるウォッカのために。
(pour avoir de la vodka en échange.)
ニキータ・カラミソフというある若者を密告したのも彼らです。
(Ils ont dénoncé un jeune homme, Nikita Kolomitsov.)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
ある晩、ニキータは反対派たちと一緒にいて
(Un soir Nikita était avec les insurgés,)
それから自宅に戻ったんですが、
(puis il est rentré chez lui, )
あの夫婦はそれを密告しました…
(et le couple l’a dénoncé …)
そうやってかれが反対派たちのところへ行ったことを知ったウクライナ軍は
(L’armée ukrainienne a su qu’il était allé avec les insurgés,)
ニキータを逮捕し尋問しました。
(Ils ont arrêté Nikita et lui ont demandé :)
『どこに行ってたのか言ってもらおうか。』そしてかれを殴り拷問したんです。
( « Tu vas nous dire où tu as été. » Puis ils l’ont battu et torturé.)
かれは両耳を切り落とされて、坑道のひとつに投げ込まれました。
(Ils lui ont coupé les oreilles et ils l’ont jeté dans un puit de mine.)
坑道の中で同じような人をたくさん見つけました。頭を切り落とされた妊婦もいたし、
(On en a trouvé du monde dans les puits : Une femme enceinte décapitée, )
両手を縛られ猿ぐつわをかまされた死体がいくつも….
(des cadavres avec les mains liées et la bouche baillonnée… )
あいつら、本当にサディストよ。
(Ce sont des sadiques. )
いろんなことを理解できるけど、拷問は理解できない。
(On peut comprendre beaucoup de choses, mais pas la torture.)
彼らは土地を自分たちだけで山分けして、私たちにお金を払わせる。
(Eux ils se partagent les terres et nous on paye.)
私たちは炭鉱の村の住人にすぎません。誰にも何も要求したりしなかったのに。」
(On est qu’un village de mineurs, on a rien demandé à personne.)
女性「私たちはただ働き、家族で生きてきただけです。
(On travaillait, on vivait en famille.)
私たち労働者はとるに足らない、どうでもいい存在なんです。
(Nous les ouvriers on est des moins que rien, on ne compte pas.)
だからたくさんの人が頭を切り落とされ、耳を引きちぎられたんだわ。」
(On en a trouvé des têtes décapitées, les oreilles arrachés.)
場面06:コムナルスクの死体捨て場(Les charniers de Kommunar)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
取材班の男性「ここにたくさんの死体が埋められて?」
(Et il y a beaucoup de corps enterrés ici ? )
男性「このあたりでは全部で4体ですね。みんな地元の人たちです。
(Quatre au total dans ce périmètre. Ce sont des gars du coin.)
やつら、50メートルの距離から人々を撃ち殺すんですよ。
(Ils fusillent les gens à une distance de 50 mètres,)
両手を後ろ手に縛ってね。
(les mains attachées dans le dos.)
(ある墓穴の前で)
この最初の墓穴には2人の若い男性が。
(Dans la première tombe, il y a deux jeunes hommes.)
(別の墓穴を示しながら)
ここには2人の女性が投げ込まれていました。1人は妊婦でした。
(Ici on a découvert deux femmes, dont une est enceinte.)
それから男性が1人。
(Et un autre homme.)
この人たちもやはり50メートルの距離から撃ち殺されていました。
(Eux aussi ont été fusillés à une distance de 50 mètres.)
場面07:オデッサの虐殺について話す元ウクライナ兵
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(場面はある建物の一室に)
男性「私はアンドレイといいます。
(Je m’appelle André.)
ウクライナ軍の兵士でした。
(Je servais l’armée ukrainienne.)
まだ戦争のなかった時代の2013年に召集され、
(J’ai été appelé en 2013, à l’époque il n’y avait pas de guerre.)
オデッサで陸軍部隊の任務についていました。
(Je faisais mon service à Odessa, dans les troupes internes de l’armée.)」
取材班男性「2014年5月2日にオデッサであなたが目撃したことをお聞かせいただけますか。
(Racontez-nous ce que vous avez vu à Odessa le 2 mai 2014.)」
アンドレイ「労働会館が焼かれました。
(La maison des syndicats a été brûlée.)
デモ参加者たちがその中に避難していたんです。
(Des manifestants s’étaient réfugiés à l’intérieur.)
その建物の横にロシア語を話す人たちのキャンプがありました。
(A côté du bâtiment se trouvait un campement de russophones, )
ウクライナでのロシア語使用禁止令に抗議していた人たちです。
(qui contestaient l’interdiction de la langue russe en Ukraine.)
ウクライナの国粋主義者たちがロシア語を話す人々のデモを制圧するためにバスに乗ってやってきたので、
(Les nationalistes ukrainiens sont venus en bus pour faire arrêter la manifestation des russophone.)
ロシア語を話す人たちはその建物に逃げ込んでいたわけです。女性や子どももいました。
(Les russophones se sont réfugiés dans le bâtiment. Il y avait des femmes et des enfants.)
親ウクライナ派の人たちがまさか建物に火をつけるなんて、誰も思いもしませんでした。
(Personne ne s’attendait à ce que les pro-ukrainiens mettent le feu au bâtiment.)
中にいた人たちは炎に追われて次々窓から飛び降りました。
(Les gens sautaient par les fenêtres pour ne pas brûler.)
そんな彼らを殴りつけ、銃弾を打ち込み、
(Certains les battaient, leur tiraient dessus,)
地面を引きずり回した。
(ou les trainaient par terre.)
彼らを助けようとしてくれる人もいました。
(C’est aussi arrivé que d’autres les aident.)
でも、覆面の人たちが彼らを死ぬほど殴りつけるんです。
(Mais les gens masqués les battaient à mort.)」
取材班の男性「この覆面の人たちは何者ですか?」
(Qui sont ces gens masqués ?)
アンドレイ「間違いなく右翼の連中ですよ。」
(Sûrement le Secteur Droit.)
取材班の男性「警察はなぜ右翼のこのような行いを止めなかったのでしょうか?」
(Pourquoi la Police n’a pas empêché le Secteur Droit d’agir? )
アンドレイ「私たちはただの兵士に過ぎません。私たちにはなんの指示もありませんでした。」
(Nous sommes de simples soldats, et personne ne nous a donné d’ordre.)
取材班の男性「彼らはなぜこんなことを?」
(Pourquoi faisaient-ils ça ?)
アンドレイ「ロシア語を話す抗議者たちを皆殺しにしたかったんだと思います。
(Je pense qu’ils voulaient exterminer les manifestants russophone.)
ロシア語を話す人々が団結することそのものが気に食わなかったんでしょう。
(Ils n’ont pas apprécié le fait que les russophones se réunissent.)」
取材班の男性「どのぐらいの死者が出たんですか?」
(Il y a eu combien de morts?)
アンドレイ「約50人です。」
(Environ 50 morts.)
取材班の男性「犯人たちは逮捕されたんでしょうか?」
(Est-ce que les coupables ont été arrêtés ?)
アンドレイ「キエフから命令がきましたが、誰も逮捕されませんでした。
(Les ordres venaient de Kiev, et personne n’a été arrêté.)
まるで何も起こらなかったかのように。
(Comme si personne n’avait rien fait.)
これがここで起こったことです。
(Voilà comment les choses se sont passées.)
私は生まれてからずっとドネツクのこの地域で生きてきました。
(J’ai vécu toute ma vie à Donetsk, dans cette région.)
ここが私の祖国です。戦争が始まったからといって
(C’est ma patrie ici. Alors quand la guerre a commencé,)
同胞たちに銃口を向けるなんてとてもできなかった。
(je ne pouvais pas venir tirer sur mes frères et sœurs.)
ドネツクは私の家、住民たちは私の身内みたいなもの。
(Donetsk c’est chez moi, ses habitants sont mes proches.)
だから私は一歩を踏み出すことにしました…
(Alors j’ai décidé de faire le pas…)
同胞たちを殺すぐらいなら、彼らと一緒に死ぬ方がましだと思いました。
(Je préférais mourir parmi les miens, plutôt que les tuer.)
そんなこと、私には到底できない、と。
(Je ne pouvais pas.)
こうして私は脱走したんです、
(C’est pour ça que j’ai déserté…)
ウクライナ軍から。
(De l’armée ukrainienne.)」
場面08:ペルヴォマイスク区(Zone de Pervomaisk)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(人気のなくなった市街)
(ある建物の地下)
女性「ほら、これが私たちのスターの暮らしぶりよ。
(La voilà notre vie de star.)
もう8年になるわ。
(Ça fait 8 ans,)
あ、ごめんなさい、8ヶ月の間違い。
(pardon, 8 mois que ça dure.)
頭の中がもうぐちゃぐちゃ。
(On a le cerveau en compote,)
そして…
(et…)
私の親類縁者はみんな出て行ったわ。で、残ったのは私たちだけというわけ。
(tous nos proches et amis sont partis, et nous en reste.)
ここを出るべきだと言う人もいるわ。でも、どうやって出ていけというの?
(Il y en a qui disent qu’il faut partir, mais avec quoi voulez-vous partir ?)
出ていくにもお金がいるのよ。
(Pour partir il faut de l’argent.)
私は65歳。
(J’ai 65 ans.)
一体誰が私を必要としてくれるというの?
(Qui a besoin de moi ?)
仕事なんかないわよ。
(Il n’y a pas de travail.)
私のような年齢と健康状態じゃあ…. 若い人たちは
(A mon âge et avec ma santé… Les jeunes…)
みんなこう言うわ、
(ils disent, )
『ロシアに行けば仕事を見つけることができる』と。
(qu’en Russie ils peuvent trouver du travail.)
ウクライナでは何もかも破壊された。工場も、炭鉱も、何にも残ってない。
(En Ukraine tout est détruit, les usines, les mines, il ne reste plus rien.)
何にもない。
(Il n’y a rien.)
みんなどこで働けばいいというの?だからみんな仕事の見つかるところへ旅立って行くのよ。
(Où les gens pourraient-ils travailler? Voilà pourquoi ils partent là où on leur propose de l’emploi.)
少なくとも探すことはできるじゃない… 『魚のあるところ、人の気分も良くなる』とはよく言ったものよね。
(Ils cherchent… Ce n’est pas pour rien qu’on dit : « L’homme se sent mieux là où il y a du poisson. »)
この地下室には150人ぐらいいたのよ。
(Nous étions 150 dans cette cave.)
(猫を抱いて)
これはエルザ。工場で飼ってた雌猫ちゃん。
(Ça c’est Elsa, c’est la chatte de l’usine,)
この子もここで暮らしてる。
(elle vit ici…)
私たちの猫ちゃんよ。
(C’est notre chatte.)
私たちと暮らすようになって8ヶ月になるわね。
(Ça fait 8 mois qu’elle vit avec nous.)
空爆が始まったのが2014年の7月25日。
(Les bombardements ont commencé le 25 Juillet 2014,)
子どもたちを脱出させるのには苦労したわ…
(on a eu du mal à sortir les enfants ici…)
爆弾が落ちてくるんだもの。
(A cause des bombardements.)
あの子たちは今どこにいるのかしらね…
(On ne sait pas où ils sont aujourd’hui….)
私の孫娘はこう言った。『戦争が起こらなかったら私はベラルーシもロシアも見ることはできなかったわ』と。
(Ma petite fille m’a dit: « Sans la guerre, je n’aurais jamais vu ni la Biélorussie ni la Russie. »)
私はこんな戦争、なかった方がよかったし
(J’aurais préféré qu’il n’y ait pas cette guerre, )
あの子も自分自身でロシアなりベラルーシなりに行けたと思うんだけどね。
(et qu’elle puisse visiter la Russie et la Biélorussie par elle-même.)
ヨーロッパ社会には愕然とさせられるわ。
(La société européenne m’étonne,)
私には理解できないね。
(je ne comprends pas.)
あなた方ももうここで何が起こっているかわかったでしょ。同胞で殺し合う戦争、内戦よ。
(Vous voyez bien ce qui se passe, c’est une guerre fratricide, une guerre civile.)
私たちの政府に対して何か措置を取ってくれないのかしら。
(Ne peuvent-ils pas prendre des mesures contre notre gouvernement ?)
私たちも同じウクライナ人なのよ、
(Nous aussi nous sommes ukrainiens.)
いくらソ連時代に生まれたかといってーーええ、その通りだわ!
(Même si nous sommes nés en Union Soviétique, et bien oui !)
私のことを『ソ連人』って呼ぶ人たちに私は反論はしない。
(Je ne contredis pas ceux qui disent que je suis soviétique. )
今に比べりゃもっとマシな暮らしをしてたわ。
(Nous avions une vie meilleure comparé à aujourd’hui.)
ここではみんな惨めな暮らしを送ってる。西部のホームレスだって私たちよりはいい暮らしをしてるでしょうよ。
(On traine cette existence misérable. Les sans-abris de l’Ouest vivent mieux que nous.)
私はアパートを持ってる。寝る場所も、
(J’ai un appartement, je sais où dormir.)
食事ができる場所も知ってる。
( Je sais où manger,)
なのにそこで暮らせないのよ?
(mais je ne peux pas y vivre,)
だって、いつ空爆が再開してもおかしくないんだもの。
(car les bombardements peuvent reprendre n’importe quand.)」
(とある病院で)
男性「私はここペルヴォマイスク市の医師長です。
(Je suis le médecin en chef, de la ville, de Pervomaisk,)
私たちはもう毎日のように、住民たちの苦しみを目の当たりにしています。
(Nous voyons, presque tous les jours, les souffrances de la population.)
銃撃や爆破による負傷だけではなく、
(Pas seulement des fusillades, et des blessures d’éclats, mais aussi,)
たくさんの精神的外傷で苦しむ姿を。
(beaucoup de traumas psychologiques.)
精神を病む人がどっと増えているんです。
(Il y a une recrudescence de maladies psychiques.)
心筋梗塞も。
(Des infarctus.)
ほぼ毎日のように私たちのもとには、脳卒中の患者さんが連れて来られます。
(Quasiment tous les jours on nous amène, des patients ayant fait un AVC.)
事態はとても深刻です。
(C’est très grave.)
連中の銃撃のターゲットは住宅だけでなく
(On ne tire pas seulement sur… les habitations,)
病院もですからね。
(mais aussi, sur l’hôpital.)
医療施設を攻撃するなんて、どう理解したらいいのでしょう?
(Comment comprendre qu’on tire sur des établissements médicaux ? )
それを裁く人もいないし、話題にすらならない。
(Et il n’y a personne pour en juger, personne pour en parler.)
フランスの『国境なき医師団』の方々が来られたことがありましてね、
(Des français de Médecins Sans Frontières sont venus.)
救急隊員の一人に、これらの廃墟を見せた後、
(Un des ambulanciers, Après qu’on lui ait montré toutes ces ruines,)
メンバーにはフランス人をはじめ、イタリア人もポーランド人もいたんですが、
( il y avait surtout des français, mais aussi des italiens et des polonais,)
こう詰め寄りました。『21世紀にもなって
(on lui a demandé si au 21ème siècle,)
ペルヴォマイスクのような町でこんなことがあってもいいものなのか?』と。
(c’était possible qu’il arrive ce genre de choses dans une ville comme Pervomaïsk.)
すると、その救急隊員さんは叫びました。『いやいやいや!こんなこと、常軌を逸してる!』
(Alors cet ambulancier s’est exclamé : “Non, non, non, c’est une aberration.”)
ではフランスでは可能なのか?
(C’est possible ça en France ?)
彼は叫びました。『まさか、まさか! ヨーロッパでこんな災厄が起こるなんて、考えられない!』
(Et il s’exclamait “Non ! Non !” “C’est impensable qu’il puisse y avoir en Europe un tel désastre.”)」
(小児病棟?の情景。ディズニーのアニメがかかり、何人かの子どもたちがベットで寝ている)
場面09:ある一軒家
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(ある一軒家。壁にたくさんの銃痕)
男性「これは民家です。一般市民の。
(Voilà une maison, c’est une maison de civil,)
同じような民家はここにはたくさんあります。
(Il y en a beaucoup ici.)
でも、反対派の拠点がある場所、つまり司令部ですね、そういう場所を観察すると、
(Mais si on observe les lieux où sont basés les insurgés, le Q. G du commandement, là où ils sont positionnés,)
どの建物も無傷なんですよ。
(tous les bâtiments sont intacts.)
まるでウクライナ軍は彼らの言うところの『敵』がどこにいるのか、この町を守っている人々がどこに拠点を構えているのか知らないかのように。
(Comme si l’armée ukrainienne ne savait pas, où se trouvent leurs soit disant ennemis. Où se trouvent les positions des gens qui défendent cette ville.)
ウクライナ軍はちゃんと知ってます。でも攻撃を加えるのは民家とか、一般市民の住居なんです。
(Les ukrainiens le savent, mais ils tirent sur les maisons, et les résidences des civils.)
インフラや幼稚園、学校、病院も攻撃します。
(Ils tirent sur les infrastractures, sur les jardins d’enfants, sur les écoles, sur les hôpitaux.)
なんのために一般市民を攻撃するんでしょうね。
(Pourquoi tirer sur les civils ?)」
場面10:教会「埋葬している最中に銃撃戦が起こり、儀式の中断を余儀なくされることもしばしば」
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(教会の様子)
聖職者「私たちはここで人々に食事を提供しています。
(On donne des repas.)
スープと主菜ですね、
(Une soupe et un plat de résistance,)
大人にも子どもにも。
(pour les adultes et les enfants.)
人道支援物資が届いた時は、子どもたちにキャンディーを配ります。
(Quand l’aide humanitaire arrive, on donne des bonbons aux enfants.)
祝日もお祝いしました。クリスマスとか。
(On a célébré les fêtes, Noël.)
聖ニコラウスの祝日には贈り物や子どもたちのための舞台をやりました。
(Pour la Saint Nicolas on a fait des cadeaux, des spectacles pour les enfants.)
生活は止まることはありませんでした。
(La vie n’est pas arrêtée.)
日々の聖務があり、私たちは祈ります。
(Il y a des offices, nous prions.)
死者が出た時は、
(Quand il y a des morts,)
遺族は『終油の秘蹟(臨終を迎える者に授ける、キリスト教の儀式)をお願いします』と、私たちを墓地や自宅やアパートに呼びます。
(les familles nous invitent pour l’extrême onction, au cimetière, dans les maisons, les appartements.)
葬儀も執り行いますが、
(Il y a des offices funéraires,)
まさに埋葬している最中に銃撃戦が起こり、儀式の中断を余儀なくされることもしばしばです。
(mais parfois on doit s’arrêter en plein enterrement, à cause des tirs.)
そんな時は人々を待たせて棺を運んできてもらい、タイミングを見計らって急いで埋葬します。
(Alors on doit faire patienter les gens, ils nous amènent le cercueil et on le met sous terre dès on peut.)
一番大事なことはもちろん平和が戻ってくることで、
(Bien-sûr le plus important c’est que la paix revienne,)
人々が私に尋ねるのもそのことです。彼らの心を一番占めているのはそのことなんです。
(voilà ce que les gens me demandent, voilà ce qui les préoccupe le plus.)
何もまだ終わってない… 何もまだ….。
(Rien n’est encore terminé… Rien n’est encore terminé…)」
場面11:ソリで水を運ぶ母娘「だってもう水がないもの」「給水ポンプが壊されたの」
(ソリで容器を運ぶ母娘)
取材班の男性「その容器を持ってどちらへ行かれるんですか?」
(Où allez-vous avec ce récipient ?)
母親「ルブリエフカ地区に。
(Au quartier Roublievka.)
だってもう水がないもの。
(Parce qu’il n’y a plus d’eau.)
おとといとか昨日にはもうほとんどなくなっていたのだけど、
(Il y en avait peu, avant-hier et hier,)
さらに前の10日間は何もなかったわ。
(mais il n’y avait rien les 10 jours précédents.)」
娘「給水ポンプが壊されたの。」
(La pompe était cassée.)
母親「仕事をするにも水がないのよ。」
(Même au travail il n’y a pas d’eau.)
娘「あそこ(ルブリエフカ地区)では水があるって。ポンプがまだ動いてればだけど。」
(Et là-bas il y a de l’eau quand la pompe fonctionne.)
母親「支援やってるから水が手に入るけど、いつまでもつか…。」
(Il y en a parce qu’on nourrit les gens, mais ça ne fonctionne pas toujours.)
場面12:厨房(ボランティアで働き、地域の人々に食事を提供する)
(調理室のような一室)
調理に従事している女性「私たちは午前8時から仕事を始めます。で、正午から14時までの間、人々に開放しています。
(Nous commençons à travailler à partir de 8h, et c’est ouvert aux personnes de midi à 14 h.)
提供しているのはスープと主菜、それから温かいお茶ですね。
(Nous préparons la soupe, le plat de résistance, et le thé chaud.」
取材班の男性「何人ぐらいの人を迎え入れるんですか?」
(Combien de personnes recevez-vous ?)
女性「300人から400人。昨日と一昨日は370人でした。」
(De 320 à 400. Hier et avant-hier il y en avait 370.)
取材班の男性「ここに来るのはどんな人たちなのですか?」
(Quels genres de personnes ?)
女性「主にお年寄りです。」
(Ce sont surtout des personnes âgées.)
取材班の男性「児童も?」
(Des écoliers ?)
女性「いいえ、子どもはたくさんはいませんね。
(Non, il n’y a pas beaucoup d’enfants.)
大人と一緒に来る子どもたちだけです。
(Seulement des enfants qui viennent avec des adultes.)
どこの家でも子どもたちは避難所か地下室にこもってますから。
(En général les enfants restent dans les abris et les caves.)」
取材班の男性「食堂では何人ぐらいのスタッフが働いているのですか?」
(Combien de personnes travaillent à la cantine ?)
女性「厨房が4人、他に2人。だから全部で6人ね。」
(4 en cuisine, plus 2 autres, donc 6 en tout.)
取材班の男性「あなた方はボランティアで働いていらっしゃるのですか?」
(Vous êtes bénévoles ?)
女性「はい。」
(Oui.)
場面13:人々が並ぶ食堂
(食堂の情景。多くの人が列をなしている)
女性「戦争前、私たちの暮らしは….なんていうか、何もいいことはありませんでした。
(Avant la guerre nous avons vécu… Comment dire, rien n’était bien.)
私たちは待ち続けました…. 良い大統領を…もっと良い暮らしが送れるようになるために。
(Nous avons attendu… Le bon président… Pour avoir une vie meilleure.)
みんなより良くなるよう待ち続けました。待って、待って….
(On a attendu le meilleur… Attendu attendu…)
でも、状況はむしろ悪くなった。手にしたものは戦争だった。
(Mais ça a empiré et on a obtenu la guerre.)
戦争がどんなものか、あなた方もよくわかるでしょ?
(Et la guerre, vous comprenez ce que c’est.)
今、ようやく一息つけるようになるかな、というところです、
(Maintenant on va commencer à respirer un peu,)
戦闘が止みましたからね。
(les combats se sont arrêtés.)
でもそれもいつまでのことやら…. 私にはわかりません。
(Mais pour combien de temps… Je ne sais pas.)
こんなことになるなんて、誰も想像だにできなかったでしょうね。
(On aurait jamais pu imaginer ça, jamais.)
今でも思い出すんですけどね、
(D’ailleurs je me souviens,)
戦勝記念日のたびに、
(à chaque fête de la victoire,)
私は心の中で、戦争が終わってみんな一緒に暮らせてよかったと思ったものよ。
(je me disais c’est bien qu’on soit tous ensemble et que la guerre soit finie.)
世界中いたるところで戦争はあるけれど、私たちのところでは長く平和が続きましたからね。
(Il y a des guerres partout dans le monde, mais chez nous ça faisait longtemps.)
ありがたいことに、私は戦争を見たことがありませんでした。
(Mon Dieu, je n’avais jamais vu la guerre,)
一度も見ず、経験もしないまま死ねたらよかったのにと思います。
(j’aurais aimé ne l’avoir jamais vu et mourir sans la connaître.)
でも、年を取ってからそれに耐え忍ばなければならなくなった。
(Et voilà que dans mes vieux jours je dois la subir.)
いい?物音がするだけで、
(Dès que tu entends un bruit,)
金属のかけらと風の音ね、また爆撃が始まったと思うのよ?
(un bout de ferraille, le vent qui souffle, tu te dis que les bombardements reprennent.)
この恐怖は決して去らない。
(Cette peur ne s’en va jamais.)
みんないつもビクビクして生きてる。
(On a tout le temps peur.)」
場面14:ロシアの人道支援物資輸送トラックの列
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(道を走るトラックの列)
ロシアの人道支援物資輸送トラックの列
(Convoi humanitaire russe)
場面15:デバルツェヴォの街(Debaltsevo)
(犬の鳴き声、町の情景)
男性、外に出てきたアパートの住人に「これは子どもたちに。隣のアパートにいる子たちにね。」
(C’est pour les enfants, ceux qui sont dans l’immeuble à côté…)
女性「わかったわ、私がこれから持っていく」
(Bien sûr, je vais leur apporter.)
男性「パスタもあったんだけど、もうなくなってしまって。町で全部配っちゃった。」
(J’avais des pâtes, mais il ne m’en reste plus. J’ai tout distribué en ville.)
女性「今は町の方が人が多いわよね。」
(Vous voyez, ils sont plus souvent en ville.)
男性「ここではどのぐらいの間続いたんですか?
(Combien de temps ça a duré ici ?)」
女性「1月19日から2月18日まで。
(Du 19 janvier au 18 février.)
朝から晩までね。
(Du matin au soir.)」
男性「タニア、君のところは被害は?
(Et toi Tania tu as eu des dégâts ?)」
タニア「窓が…
(Mes fenêtres…)」
男性「うちもさ。全部取っ替えないと。
(Moi aussi, je dois les remplacer entièrement.)」
年配の女性「ここではみんな40年間も鉱山で働いてきました。
(On a travaillé pendant 40 ans à la mine.)
夫も37年間鉱山で働いて。
(Mon mari a travaillé 37 ans dans la mine.)
私たちに何の罪があるというの?
(En quoi sommes-nous coupables ?)」
取材班の男性「年金は?
(Et les retraites ?)」
女性「いいえ。一切受けてないわ。
(Non je ne touche rien.)」
私は十分生きたわ…
(Moi j’ai déjà vécu…)
でも私たちのひ孫たちはどうなるの。ひとりは2ヶ月の女の子だけど、
(Mais nos arrières petits-enfants. J’en ai une de 2 mois,)
あの子の両親は働けてないから収入が全くない。
(ses parents ne travaillent pas et ne reçoivent rien.)
おむつの配給はあるけど食べ物はない。
(Ils reçoivent des couches mais pas d’alimentation.)
みんな苦しんでるわ….
(On souffre…)」
デバルツェヴォ区(Zone de Debaltsevo)
男性「この辺りに男たちがいたんだが、彼らの武器といえば祖父さんの代の小銃と機関銃がたった1挺のようだった―グループ全体で1挺な。」
(Il y avait des mecs ici, on avait l’impression…Qu’ils avaient les fusils de leur grand-père, et une seule mitraillette… pour tout le poste.)
取材班の男性「彼らは反体制派だった?
(C’était les insurgés ?)」
男性「うん。
(Oui.)」
場面16:鉱山(MINES)ミサイルの残骸と不発弾
(廃車のボディに矢印と共にペイントされた文字列)
(崩れ落ちた建物や家々。犬たちの姿)
男性「戦闘は7ヶ月続きました。
(Les combats ont duré 7 mois.)
6月22日だったか24日だったかに始まり、今までです。
(Ça a commencé le 22 ou 24 juin, jusqu’à aujourd’hui.)
彼らは装甲車をわんさと繰り出してきましたよ、
(Ils ont utilisé beaucoup de véhicules blindés,)
大砲、重砲、『グラード』という名前のミサイルや
(des grands calibres, de l’artillerie lourde, des missiles “Grades”,)
『タイフーン』とか、およそ大量殺戮のためのあらゆる手段を。
(des “Taifuns”, en gros tous les moyens d’extermination de masse.)
デバルツェヴォは甚大な被害を受けました。
(La ville de Debaltsevo a beaucoup souffert.)
これらの戦闘で被害を受けなかった家屋はここでは1軒もありません。
(Ici il n’y a pas une maison qui n’ait pas souffert… de tous ces combats. )
私はすぐそこに住んでいるんですが、彼らは駅を爆撃しましてね、わが家もやられましたよ。
( J’habite juste à côté, ils ont tiré sur la station, ma maison a été touchée.)
中庭に爆弾を落とされたんです。
(Notre cour a été bombardée.)
ここにあるのは市民のための鉄道駅で
(Ici il y a la gare ferroviaire pour les civils,)
商業駅は少し先にあるんですが、
(la gare commerciale est un peu plus loin.)
旅客用のここの駅は完全に破壊されました。
(Ici c’est la gare des passagers, elle est complètement détruite,)
再建には少なくとも2、3年はかかるでしょうね…
(il faudra au moins 2 ou 3 ans pour reconstruire…)
元通りに改修しようとすれば。
(Si on veut la rénover comme avant.)
大きな損失ですよ。
(C’est une grande perte.)
ここには人口の5分の1ほどしか残っていません。
(Il reste à peine cinquième de la population.)
みんな出て行ってしまいました。
(Les autres sont partis.)
爆撃で死んだ人も大勢います。
(Beaucoup sont morts à cause des bombardements.)
私たちはここで生き残ります。いや、生き残るために精一杯やるつもりです。
(On survivra, enfin on va essayer de survivre.)
未来の世代が戦争を経験することがないよう願っています。
(J’espère que les futures générations ne connaîtront pas la guerre.)
特に、こんな同胞同士の戦争なんて….
(Surtout une guerre fraternelle…)
ウクライナ人がウクライナ人を殺し、ロシア人がロシア人を殺す。
(Un ukrainien tue un ukrainien, un russe tue un russe…)
考えられませんよ、恐ろしいことです、兄弟が殺し合うなんて。
(C’est inimaginable, c’est terrible quand un frère est contre son frère.)
私たちはこの間、多くのことを知りました。
(Nous avons déjà… Nous avons beaucoup appris pendant tout ce temps.)
攻撃しているのは誰か、何を使っての攻撃か、そしてそれがどこに落ちるのかもわかってる。
(Nous savons qui tire, avec quoi ils tirent et où ça va tomber.)
『グラード』がどんなものか、わかっていただきたい!
(J’espère que vous comprenez ce que c’est le “Grade” !)
大量破壊兵器システムです。
(C’est un système de destruction massive.)
それはもう、こっちでもあっちでも降ってくる…
(Ça tombait là, là…)
それこそ雨あられのようにですね。
(Ça tombait comme de la pluie.)
(地面の穴を指して)これは戦争を忘れないために残してあるんです。
(Celui-ci je l’ai laissé pour la mémoire de la guerre…)」
(女性がミサイルの残骸を示しながら)
女性「これは花園の中で見つかりました。
(Ça on l’a trouvé dans les fleurs.)
こういうのを拾い集めて
(On les ramasse…)
あっちに投げるんです。
(et on les jette par là-bas.)」
男性「爆弾の穴に埋めてしまうんですよ。」
(On les enterre dans les trous d’obus.)
女性「『グラード』の穴に入れるんです。」
(On les met dans le trou du “Grade”.)
男性「不発弾は処理班の人たちに知らせます。
(Tout ce qui n’a pas explosé, on le signale aux démineurs.)
まだ爆薬の入ってる爆弾を、彼らが始末してくれるんです。
(Ils détruisent les mines qui sont encore amorcées.)
ここで爆発音を聞いたら、それは処理される爆薬の音ですね。
(Quand vous entendez des explosions ici, ce sont les munitions qui sont détruites.)
(町に散らばる残骸の様子)
場面17:昔ながらの方法で採掘されるシャフチョルスクの炭鉱(Mine artisanale de Chakhtiorsk)
(鉱山で働く人の様子)
場面18:オクチャブリスキー村(Village Oktiabrskii)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(破壊された建物)
男性「攻撃は、彼らが空港を占拠していた2014年5月に始まりました。
(Ils ont commencé à tirer en mai 2014, quand ils prenaient l’aéroport.)
この学校の上、入口の処に『グラード』が落ちたことがわかります。
(Sur cette école… On voit qu’un “Grade” est tombé à l’entrée.)
体育館の上にも。
(Au-dessus de la salle de sport aussi.)
3〜4ヶ月もの間、水も電気もありませんでした。
(Pendant 3 à 4 mois il n’y avait ni eau ni électricité.)
発電所は1月20日に爆撃されました。
(La centrale électrique a été bombardée le 20 janvier.)
市場も破壊されました。
(Le marché est détruit.)
店はもう1軒もありません。
(Il n’y a plus de magasins.)
何か買い物をするときは、街や駅に行かなければなりません。
(Pour acheter quelque chose il faut aller à la gare, en ville.)
この6階建ての建物には
(Dans cet immeuble de cinq étages,)
住民はもう1人しかいません。
( il n’y a qu’un seul habitant.)
どこに行くべきかわからないんです。
(Il ne sait pas où aller.)
冬の間じゅう、暖房もありませんでした。
(Il n’y a pas eu de chauffage de tout l’hiver.)
水道は今も来ていません。
(Aujourd’hui il n’y a toujours pas d’eau.)
(遠方で砲撃の音)
彼ら(ウクライナ軍)はまだやめません。
(Et ils n’arrêtent pas.)
2月15日に休戦が合意されたのに
(Il y a eu la trêve le 15 février…)
以来攻撃がなかったのはたったの2日間でした。
(Depuis il n’y a eu que deux jours sans tirs.)」
場面19:破壊された家の屋内
(破壊された家の屋内、女性、家財の残骸を示しながら)
女性「スクラップを集めてみたら、全部でこれだけ。ソファーとかベッドとか、冷蔵庫だったものの残骸ね。
(Ici on a réuni toute la ferraille qui reste du canapé, du lit… Du frigidaire.)
もうどうしたらいいのかしら。
(On ne sait pas quoi faire.)
残っている食器はこれだけ。
(Voilà tout ce qu’il reste de vaisselle.)」
男性「クリスマスに、彼らのカトリックのクリスマスに、彼らは私たちに銃弾を打ち込んだ。あらゆる種類の兵器を使って。
(À Noël, leur Noël catholique, ils nous tiraient dessus, avec toutes sortes d’armes.)
引火性の爆弾や、白リン弾までもな。
(Même des armes inflammables, des bombes au phosphore.)」
女性「爆弾がここに一つ落ちて、わが家は全部燃えてしまったわ。
(Une bombe est tombée ici, tout a brûlé chez nous.)
ご覧の通り、私の持ち物はこれで全部。
(Vous voyez, ce sont mes affaires.)
そうだ、救い出せたものを見せてあげるわ。
(On va vous montrer ce qu’on a pu sauver.)
私たちには他に行くところなんてない。この家を直したいと思ってる。
(Nous n’avons nulle part où aller vivre. Nous espérons que la maison sera réparée.)
一日中片付けをしたりがれきを外に出したりの日々を送ってるわ。
(On passe notre temps à nettoyer, à sortir les déchets.)
公営住宅のオファーがあったけど、
(On nous a proposé un logement communal.)
私たちは3人家族。12月から別のところを探してる。
(Nous sommes trois, et on cherche depuis le mois de décembre.)
夫と私と、そして私の孫息子の3人ね。娘は死んだわ。
(Mon mari et moi… et mon petit fils. Ma fille est morte.)
すぐそこの墓地に埋葬されてるのだけど、
(Elle est enterrée dans le cimetière à côté.)
そこも到底入れるような状況じゃない。
(C’est impossible d’y accéder.)
それで私が孫の世話をしてるってわけ。
(C’est moi qui ai la garde de mon petit fils.)
(窓の外を指差しながら)
見てくださいな、私たちのあの立派な飛行場を。あそこにね、いつもスナイパーが1人いたのよ。
(Regardez notre bel aéroport… Là-bas il y avait un sniper…)
去年の秋のことなんだけど、そのスナイパー、私をもてあそぶのよ。
(En automne dernier… Il s’amusait avec moi.)
木々の葉はもうすっかり落ちた頃で… ええ、今は窓ガラスもないけどね、
(Il n’y avait plus de feuilles aux arbres, bon, maintenant il n’y a plus de vitre…)
あの頃はこんな感じで穴がいくつか空いててね、そのせいで私は台所に入ることすらできなかったわ。
(Mais avant, il y avait des trous comme ça, je ne pouvais plus rentrer dans ma cuisine.)
電気も点けられなかった。だって、そのスナイパーが私たちを狙って撃ってくるんだもの。
(On ne pouvait plus allumer la lumière, car il nous repérait et tirait.)
これ以上もうなんて言ったらいいか….
(Que dire de plus…)
電気がまだ来てた頃は、食事を温めに行くのに這いつくばって行かなきゃいけなかった。
(À l’époque on avait encore l’électricité, et j’étais obligée de ramper pour aller chauffer le repas.)
見てくださいな、このご立派な飛行場!
(Regardez ce bel aéroport.)
彼らが和平に応じるのか、私にはわからない。
(Je ne sais pas… Qu’ils fassent la paix.)
私にはわからない。
(Je ne sais pas.)
みんな心から平和を望んでる。
(On a très envie de paix.)」
場面20:炎上する車
(炎上する車)
場面21:ヤシノヴァターヤの墓地。献花でいっぱいの墓の前に佇む男女(Iassinovataïa)
▲『ドンバス』よりIWJ作成
(墓地。献花でいっぱいの墓の前に佇む男女)
女性「あの子が亡くなったのは2月14日でした。
(Il est mort le 14 février.)
恋人たちの日、聖バレンチノの日です。
(Le jour des amoureux, la Saint-Valentin.)
特別な子どもでした。
(C’était un enfant hors du commun.)
かれの死んだ日もまた特別な日ですよね。
(Et le jour de sa mort est aussi hors du commun.)
ここでみんな、男の子も女の子も
(Tout le monde ici, les garçons, les filles,)
聖バレンチノをお祝いする日。決して忘れられはしないでしょう。
(fêtent la Saint-Valentin. On ne l’oubliera jamais.)
かれは18歳でした。
(avait 18 ans.)
ゲオルギーという名でした。5月6日に生まれたからです。
(On l’a appelé Georgiy car il est né le 6 mai.)
正教会暦では、聖ゲオルグの祝日です。
(Dans le calendrier orthodoxe, c’est la fête de George le Victorieux.)
それが私たちのゲオルギーでした。
(C’était notre Georgiy.)
かれはウクライナに対して戦争をしに行ったのではありません。不正義に対して戦争しに行ったのです。
(Vous comprenez ce n’est pas contre l’Ukraine qu’il est parti faire la guerre mais contre l’injustice.)
こんな不条理な状況に対して。
(Contre l’absurdité de la situation.)
かれは私によく言いました。『ママ、誰がママを守ってくれるの。誰がママとサムを守ってくれるの』と。
(Il me disait, “Maman, qui va te protéger ? Qui vous protégera, toi et Sam ?”)
サムはかれの弟です。
(Son petit frère.)
ええそうですとも、誰がそうしてくれるのか、私たちはよく知っています。
(Oui nous avons des connaissances qui…)
武器をとって戦場に行ったたくさんの人たちです。
(Plein d’exemples de gens qui ont pris les armes et y sont allés.)
そういう人たちは子どもたちを、家族みんなを、全てを捨てて行きました。
(Des enfants, des familles entières. Les gens ont tout abandonné.)
ここで戦争をしているのはロシア軍だと思うなら、それは大きな誤りです。
(La plus grosse erreur est de croire que c’est l’armée russe qui fait la guerre ici.)
『ロシア人』『ウクライナ人』なんて好き勝手に呼んでるけど、そんなことしても無駄。だっ て、私たちはみんな同じスラブ人なのだから。
(Il faut dire que les russes, et les ukrainiens, ils ont beau dire ce qu’ils veulent, nous sommes tous slaves.)
私たちはみんな、生粋のスラブ人なんですから。
(Nous sommes tous des slaves dans l’âme.)」
男性「ロシアの軍隊がキエフに来ていたら、1週間で平和が戻ってただろうにな。
(Si les armées russes étaient venues à Kiev, en une semaine on aurait eu la paix.)
ポロシェンコは米国ででも暮らすがいいさ、
(Porochenko ferait mieux de vivre aux Etats-Unis…)
オバマのケツでも舐めながらな。
(Et lécher le cul du président Obama.)」
女性「ちょっと、そういう言い方やめなよ…
(Ne dis pas ça…)」
女性「武器を取るのは18、19、20歳の子どもたちよ。
(Ce sont des enfants de 18, 19, 20 ans qui prennent les armes.)
実はですね、この新しい大統領ポロシェンコに私は大きな期待を寄せていたんですよ。
(Pour tout dire, ce nouveau président, Porochenko, j’espèrais beaucoup de lui.)
トルチノフ(注3)がこの戦争を始めたんですもの。
(Tourtchinov a commencé cette guerre.)
だから、来るべき正当な大統領は、
(Moi je pensais qu’un président légitime allait…)
たとえその人が私たちの地域から選出された人じゃなくても
(Même s’il n’était pas élu de nos régions,)
少なくともウクライナの他の地域から選ばれる人なのだから
(mais au moins c’était l’élu du reste de l’Ukraine…)
すでに始まっていたこと(戦争)をストップさせるような正しい精神の持ち主だろうと思っ ていました。
(Je pensais qu’il aurait la présence d’esprit, de mettre fin à ce qui avait déjà commencé.)
あらゆる手を尽くしてこの戦争は止めなければならなかったんです。
(Il fallait empêcher cette guerre par tous les moyens.)
どちら側もたくさんの血が流れるんですから。
(Parce que le sang coule des deux côtés.)
どちら側も母親は自分の子どもを失うんですから。
(Et les mères perdent leurs enfants des deux côtés.)
失うこと、それはいつだって辛いものです。
(Et perdre ça fait toujours mal.)」
(注3)オレクサンドル・トチノルフ(Oleksandr Tourtchynov):1964年、ドニプロぺトロフスク生まれ。ウクライナの政治家。ティモシエンコ政権で、2007年から2010年まで第一副首相を務めた。2014年のウクライナ紛争で、ヤヌコビッチ氏が大統領の座から追われ、ミコラ・アザロフ首相(2010年3月11日から2014年1月28日)が辞任した。同年2月22日に新首相として選出されたばかりのトチノルフ氏が暫定大統領として2014年2月23日から6月7日まで務めた。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Oleksandr_Tourtchynov
最終幕
撮影中に殺害されたアンドレイ・ボトニーク(注4)に捧げる。
(à Andrei Bortnik, assassiné pendant le tournage)
(注4)アンドレイ・ボトニーク(Andrei Bortnik)氏は、「場面07:オデッサの虐殺について話す元ウクライナ兵」に登場し、オデッサの虐殺について告白した元ウクライナ兵。