ウクライナで何が起こっているのか ~岩上安身によるインタビュー 第403回 ゲスト ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 服部倫卓氏 2014.3.20

記事公開日:2014.3.20取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・ゆさこうこ)

 2013年末のデモから政変へと発展したウクライナの情勢について、ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所の服部倫卓氏に3月20日、岩上安身がインタビューを行った。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2014年3月20日(木)
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

なぜデモは政変へと向かったのか

 服部氏は、ヤヌコビッチ前大統領がEUとの協定を棚上げしたとき、ウクライナを訪問中だった。そのときの印象では、事がこれほど大きくなるとは想像していなかったという。服部氏は、キエフを「ウクライナ政治のパフォーマンス・ステージ」と呼ぶ。そこでは、つねに様々な勢力がさまざまな政治的パフォーマンスを繰り広げていて、例えば、近年では、収監されていたティモシェンコ元首相の釈放運動の「テント村」のようなものがキエフの目抜き通りに常設されていた。EUとの協定が暗礁に乗り上げた直後も、抗議行動はそれほど大きくなったわけではなかったという。

 なぜ、事態はこれほど大きい政変へと向かったのか。「今考えてみると、問われていたのはヤヌコビッチ政権の存在そのものだった」と服部氏は語る。「ウクライナ国民の大半は、EUとの協定の中身を分かっていないと思う。ヤヌコビッチ政権に対する反発のアンチテーゼとして、親ヨーロッパという立場が出てきた」と指摘した。

 そもそも、ヤヌコビッチ政権の任期は、あと一年だった。通常であれば、次回の大統領選挙で、「EUと協定を結ぶかどうか」が争点となるはずだった。ところが、そうはならかなった。選挙という常套手段は用いられなかったのである。それがなぜだったのかがポイントである、と服部氏は言う。世論調査の結果によると、EUとの協定を支持する人々と、ロシア関税同盟への加入を支持する人々は、ちょうど二分されており、選挙を行ったとしても、親EU派が勝つと断言できる状況にはなかった。また、選挙で野党間が共闘することが難しいという事情もある。こうした状況のなかで、「ヤヌコビッチ政権憎し」という国民感情が満ちあふれている状態を契機として、正攻法的に選挙に打って出るのではなく、街頭デモで政変を起こしたのだと服部氏は分析した。

ウクライナ右派の動きとアメリカ

 キエフのデモを率いた「ユーロマイダン」のなかには、過激な民族主義を唱える「右派セクター」や、政党「スボボダ(自由)」がいる。ロシアは右派の武装勢力の暴走を懸念している。「右派セクター」のリーダーの一人であるディミトリ・ヤロシュ氏は、一部で英雄的にみなされており、新内閣への入閣を望む声もあった。ただし、こうした右派に対する支持は限定的であり、5月に行われる予定の大統領選挙の国民の支持率に関するアンケートでは、ヤロシュ氏は泡沫的に扱われていると服部氏は指摘する。

 このような右派組織に対して、アメリカが支援しているのではないかという指摘があるが、服部氏は「今回の政変は、ウクライナ国内の力学だけで説明がつくこと。欧米からの物質的・精神的な援助はあったが、政変を起こさせたという考えには値しない」と述べた。

クリミアの位置づけ

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