2021年7月30日(金)、午前11時20分頃より、東京・厚生労働省庁舎にて、田村憲久厚生労働大臣の定例会見が開催された。
冒頭、田村大臣より3点、報告があった。
まず、令和3年版の厚生労働白書について。テーマは「新型コロナウイルス感染症と社会保障」。リーマンショック時との比較や国際比較等を交えながらの分析が行われている。
田村大臣は「今後とも、新型コロナウイルスとの戦いは続いているわけですので、こういう経験を踏まえながら、社会保障というものを、どういう形で、これはコロナだけに限りませんが、社会的に乗り越えていくのかということに取り組むべく、今回の白書をお示しさせて頂いた」と説明した。
次に、雇用統計について。「有効求人倍率(令和3年6月)は1.13倍で、前月を0.04ポイント上回った。数字だけ見れば、上がっていますが、全体として、求職活動等々、コロナや緊急事態宣言がありましたので、決して雇用情勢が良くなっているという認識ではなく、コロナ下において、厳しい状況が続いているという認識である」と述べた。
最後に、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更について。この日、閣議決定され、「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対応や働き方の変化を踏まえた過労死等防止対策の取組みを進めていく」と報告があった。
田村大臣からの報告に続いて、大臣と各社記者との質疑応答となった。残念ながらIWJ記者はこのたびも指名されなかった。
東京新聞記者より、新型コロナウイルスについて、次のような質問があった。
東京新聞記者「日本医師会等は、全国への緊急事態宣言の発出を提言しましたが、この提言の検討状況をお聞かせ下さい。また、総理は最近、記者団に対し、抗体カクテルの治療法や、高齢者の重症者や死者の減少を強調していますが、厚労省として、総理がおっしゃるようなポジティブな側面を踏まえて、国民に行動変容・自粛をうながすのか、それともこれまでの流行期と同じ警戒感を持ってほしいのか? どちらでしょうか?」
この質問に、田村大臣は以下のとおり回答した。
田村大臣「全国への緊急事態宣言の発出については、(中略)最終的に、『全国』ではなく、『拡大』という形の中で、ご判断頂いたと聞いています。高齢者の新規感染者比率につきましては、先程も言いましたが、下がっているのも事実ですありますし、重症者も以前と比べると、割合で減っているというのも事実であります。誤解されるといけないのは、だから、安心しているわけではないので、先程来から申し上げておりますとおり、その比率が下がっても、今のように、感染が倍々で増えていったら、当然、割合ですから。
割合が減ったって、全体が増えていけば、医療の逼迫というのは起こるわけです。実際、今起こりつつある。そういう意味では、今の状況、特に、変異株、このデルタ株というやつの感染力というのは、ちょっと今までの変異株とは比べ物にならないくらいの感染力がありますので、全体の感染者数を、やはりこれ以上増やさないということをしていかないと、医療は逼迫する、というよりも、もうすでにそれが起こっている。(中略)
(デルタ株は)今までよりも伸び方が凄いということを、皆さんにご理解いただきたい。ですので、今まで以上に、なんとか行動を変えて頂きたい。(後略)」
詳しくは全編動画にてご確認いただきたい。