2020年12月10日、東京千代田区の東京電力臨時会見場で、福島第一原発内の新事務本館からのインターネット中継による定例会見が行われた。
11月26日、福島第一原子力発電所内の雨水移送管の試運転を行ったところ、雨水移送はできたが、移送管内部から異音が発生していることがわかった。内部を確認したところ、ラチェットレンチ(ボルトやナットを締める工具)が発見された。2018年11月にこの配管が新設された際に混入されたものと思われる。
会見で記者から、「放射線管理区域内の物は厳密に管理されているはずだ。工具の確認点検はしたのか?」と問われた斎藤幹雄・広報担当は「当該工具は個人持ちのもので、管理はしていない」と述べた。
会社所有であれ、個人所有であれ、放射線管理区域で使用したものは、放射性物質が付着している恐れがあり、厳密に管理しなければ、管理の意味を失う。
今回の事象は電離則(電離放射線障害防止規則)違反の恐れがある。