福島第一原発3号機燃料取出し用クレーンが故障で停止! 2号機デブリ取り出し用の英国製ロボットアームの製作もコロナ禍で中断!ロードマップに影響も!? ~11.26福島第一原発「中長期ロードマップの進捗状況」会見 2020.11.26

記事公開日:2020.11.28取材地: テキスト動画
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(取材・文:渡会裕)

※2020年11月29日 リードを追加しました。

 2020年11月26日、東京都千代田区の東京電力臨時会見場で、福島第一原子力発電所「中長期ロードマップの進捗状況」に関する記者会見が行われた。

 東京電力福島第一原子力発電所3号機の燃料取出しは、11月24日に取出し用クレーンの主巻モーターが故障し、燃料プール上で立ち往生している。その影響で、残る燃料の取出し作業が中断。燃料の上に堆積している小ガレキの撤去作業もできない状態が続いている。

 東京電力の斎藤幹雄・広報担当は「全体工程に影響を与えないように復旧していきたい」と述べたが、合わせて「復旧自体にどれだけかかるか見えていない」「仮に数か月かかる場合には、それ以外の作業を行い、全体工程に影響が出ないよう考えている」と話した。

 しかし、実際には、燃料の上で停止しているクレーンにより、プール内の小ガレキの撤去だけでなく、現状では取出しが不可能とみられている、ハンドル変形燃料(ガレキの衝突によって、先端の吊り下げ用のハンドルが変形した燃料)に対する対応作業も停止しており、斉藤氏の発言は、矛盾していると言わざるを得ない。

 さらに、2号機の燃料デブリ試験取出しに使用が予定されている、英国製のロボットアームについても、英国内のコロナ禍の影響で、モックアップ試験ができない状況が続いている。

 この問題について、小野明・福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントは「燃料の試験取出しには、我々東電の人間がしっかりかかわりたいと思っている」ロボットアームの「モックアップ試験にはイギリスにうちの社員を派遣してしっかり訓練をやりたいと思っていた」と述べ、「我々にもこのスケジュール感は、インパクトがある」と少なからぬ影響があることを認めた。

 デブリ取り出しに関する肝心な機器が、外国製頼みであることと、直接の製造依頼者がIRID(国際廃炉研究開発機構)であることが廃炉計画の進展に影響を与えていることは、過去の外国製危機による数々の失敗が証明している。

■全編動画

  • 日時 2020年11月26日(木) 17:45~
  • 場所 幸ビル(東京都千代田区内幸町)

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