2020年11月30日、東京千代田区の臨時会見場で、東京電力による定例の記者会見が行われた。
東京電力は、福島第一原子力発電所に各界の見学者を受け入れている。その中で、汚染水を多核種除去設備で処理した水と、ガンマ線の計測装置を見学者に渡し、見学者にガンマ線が検出されないことを確認させている。この見学に参加した、ジャーナリストや福島県会議員などが、自らのブログ等で安全を確認できたかの如く情報発信していることが問題となっている。
記者から、渡した水のガンマ線濃度を問われた、小林照明・広報担当は「(水を)持って被爆してしまっては本末転倒だ。しっかりと処理して低減させた物を持ってもらっている」と述べ、線量計では最初からガンマ線が計測されないことを前提としたパフォーマンスであることが、明らかとなった。
このキャンペーンでは2020年7月から11月まで、240回もの取材や視察を受け入れている。処理済み汚染水の海洋放出に対する批判が続く中で実施されたことから、東京電力による姑息な安全プロパガンダであり、世論操作が目的であったことは疑いようがない。