2020年11月24日(火)10時より東京都千代田区の中央合同庁舎にて、西村康稔 新型コロナ対策担当大臣による定例会見が開かれた。
会見の前日までに、全国で新型コロナウイルスの新規感染者数が5日連続で2000人を超え、新型コロナウイルスの「第3波」到来の真っ只中での会見となった。
会見に先立つ11月19日、吉村洋文大阪府知事が、新型コロナウイルス感染者のうち、重症者の病床確保について、「緊急病床のトリアージ(選別)をしていく」と発表した。その発表について、IWJ記者は以下の質問を西村大臣に投げかけた。
「吉村大阪府知事が、病床のトリアージを導入すると発表しました。これは生命の選別につながるものではないかと考えます。
また、前維新代表で、大阪市長の松井一郎氏が、『優生思想』信奉者による『嘱託殺人』事件に『便乗』して、生命の選別を主張したことがありました。
このコロナ禍で、こうした維新発の『生命の選別』思想が広がることに強い危惧を抱きます。政府、そして西村大臣としては、こうした考えに与するか、しないのか、考えをお示しください」
この質問に対し、西村大臣からは「まず、吉村知事、松井市長の発言について、詳細を承知しているわけではないので、そのことについての発言は差し控える」とし、「政府としては、国民の皆さんの命を、健康をしっかりお守りすると。全力で守るということが大方針である。そのために、新型コロナについては色々な新たな知見も出てきている。色んな事がわかってきている」との回答があった。
なお、会見冒頭、大臣より、11月21日に、やっと部分的な見直しが表明された「Go To キャンペーン」についての報告があった。
まず、「Go Toイート」について、西村大臣は「『9都道府県で原則4人以下』とする措置を講じてきており、さらに食事券の新規発行の一時停止についても、神奈川県の黒岩知事が表明している。また、埼玉県、茨城県、大阪府などでも、そうしたとりくみを進めるということを各知事から直接聞いている」と説明した。
また、「Go Toトラベル」については「これまで感染が拡大してきている都道府県の知事と、この間緊密に連絡を取り合ってきているが、それぞれの都道府県知事におかれては、すでに感染対策を強化する措置がとられている。感染拡大地域を目的地から一時停止し、対象から外す措置について、これを札幌市と大阪市で発動するということで、観光庁とも協力しながら、北海道、大阪府との調整を急ぐ」とし、「できれば本日中にでも決定できるよう、私のほうでも調整を急ぎたい」と述べた。