2020年7月27日(月)午後6時15分より、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎第8号館会見室にて、新型コロナ担当大臣である内閣府 西村康稔 全世代型社会保障改革担当大臣の記者会見が行なわれた。
冒頭、西村大臣より、本日、7月27日の新型コロナウイルス感染者数の報告があり、「東京都131名、愛知県73名、大阪府87名、福岡県29名となっており、全国的に高い水準で継続しているが、引き続き、危機感をもって注視をしているところである」とし、「特に、以前から話しているとおり、高齢者の感染者数と重症者の数をしっかり見ながら、医療提供体制に万全を期していきたいと考えている」と説明した。
また、「本日は知事会も開催し、経済界に対して、引き続き、テレワークや時差出勤をお願いしようと思っていることについて、各知事と共有したところである」とし、「あわせて、今朝、関係省庁と内閣官房で局長級の打ち合わせ会議を実施し、『バー・クラブなど接待をともなう飲食店』や『酒類を提供する飲食店』などを中心に、クラスター対策、感染防止策を徹底していく。また、ガイドラインを遵守してもらい、政府主導の『接触確認アプリ』の推奨、各都道府県で進めているQRコード読み取りによる『見守り・通知サービス』の周知にとりくんでいく」と述べた。
続いて、各社記者と西村大臣との質疑応答では、IWJを含む4名の記者がそれぞれ、「感染の広がりとGoToキャンペーン」、「自粛要請と罰則付き条例の必要性」、「GoToキャンペーンの前倒し部分の総括の必要性」、そして「地域や業種を絞った自粛要請等のとりくみ」などについて質問をした。
IWJ記者は、以下のように質問した。
「ニュースなどでは、連休中の観光地の人出などが報じられていますが、大臣はGoToキャンペーンを前倒しして行ったことで、感染拡大のリスクを上回る経済効果を観光地にもたらすことができたとお考えですか?
また、この連休中、キャンペーンにより、感染が広がったのか、取り越し苦労だったのか、2週間後に全国のデータとして表れると思いますが、大臣はどういった点に注目していますか? 感染者数ですか? 陽性率ですか? 重症者数ですか? あるいは人出の多かった地域での増加率ですか? そして大臣は、その結果に対して、ご自身の責任をどのようにお考えか、お聞かせください」
これに対し、西村大臣の回答は、新宿などのバー・クラブ等接待をともなう飲食店への責任の限定、そして、それぞれの都道府県および国民個人への責任の丸投げともいえる内容であり、従来の答弁の繰り返しに過ぎなかった。
「この連休中の人の流れも色々見ているが、(…中略…)旅に行かれる方、旅に限らずいろいろな活動をされる方は、とにかく感染防止策を徹底して欲しい。その上で、経済・社会活動との両立を図っていくと申し上げている」と、5分程度の熱弁の中に、IWJ記者の質問に対する明確な答えは、何一つ含まれていなかった。
西村大臣の回答は、本来、国民の生存権を保証すべき行政の義務を放棄したものと言えないだろうか。