大企業への出資額拡大!! IWJ記者「巨額の内部留保がある大企業よりも、中小企業の手当に全力を注ぐべきでは?」西村大臣「ご指摘のとおり。すべての企業が苦しい状況だ」~5.12 西村康稔 新型コロナ対策担当大臣 定例会見 2020.5.12

記事公開日:2020.5.18取材地: テキスト動画
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(取材・文 浜本信貴)

 2020年5月12日(火)、午後5時40分より、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎第8号館1階会見室にて、内閣府 西村康稔 新型コロナ対策担当大臣の閣議後の記者会見が行われた。

 冒頭、西村大臣より、東京都、埼玉県、広島県、群馬県の各知事と行った話し合いの概要について、「各知事からは、緊急事態宣言が解除されることへの懸念などが表明された。各都道府県に関わる話については、専門家 の皆さんと日々、状況を分析しながら、話し合って、認識を共有しているところである旨をそれぞれの知事に伝えた」と報告があった。

 緊急事態宣言の解除について、「解除にあたって、いくつかの指標はあるが、生活圏、経済圏、あるいは物理的な近さ、などを含めて、具体的なとりくみ、一体的なそういう圏域にある都道府県などの状況をしっかりと見ながら、それぞれの地域の事情を踏まえて判断していきたいと考えている」と説明した。

 次に、基本的対処方針等諮問委員会について、「このたび4人の専門家の先生方に加わっていただくこととなった。井深陽子・慶應義塾大学経済学部教授、大竹文雄・大阪大学大学院経済学研究科教授、小林慶一郎・公益財団法人東京財団政策研究所研究主幹、そして、竹森俊平・慶應義塾大学経済学部教授。命を守ることと、生活・暮らしを守ること。この2つを実現していかなければならない。それぞれの専門家の意見を聞きながら、最終的には、政治が判断していかなければならない」と報告があった。

 大臣からの報告終了後、大臣と各社記者との質疑応答となり、連合発表の春闘の平均賃上げ率や休業要請解除に向けた大阪府の独自基準などについて質問があった。

 「大臣は、5月10日のNHKの番組の中で、日本政策投資銀行から大企業への出資額を拡大する方針を示されました。しかし、巨額の内部留保を抱えていると言われている大企業よりも、まず、現在、中小企業への手当に全力を注ぐべきではないかと考えますが、この点について大臣のお考えをお聞かせください」とのIWJ記者からの質問に対し、西村大臣は以下のとおり回答した。

 「ご指摘のとおりでありまして、すべての企業が苦しい状況になっていると思います。航空にしても、JRにしても、自動車にしても、大企業であっても、世界経済が止めているわけですから、移動も生産も多くのところで苦しい思いをしていると思います。大企業の場合は当然、中小企業よりも体力があるわけですから、こういうときのために内部留保を備えてきたのだと思いますので、しっかりそれを使っていただきながら、もうそのようになっていると思います。相当苦しい状況ですから。

 ですが、やはり体力のない中小企業、中堅企業への支援をしっかりやらなければいけないという思いである。中小企業に対しましては、 中小零細、個人事業主、フリーランスについては、持続化給付金というかたちで200万円・100万円の給付がすでに始まっているところでありますし、いわゆる、無利子・無担保の融資も、地銀、信金、信組まで拡充して行ってきているところです。雇用調整助成金の支援の割合も、中小企業の場合は最大10分の10でありますし、しっかりと中堅・中小企業を応援していきたいと考えている。

 大企業への出資の枠は、4000億円ありますが、いざ何かあったときに、しっかりと日本経済を守っていくと言う観点から、この枠についても、拡充できないかということで検討を進めているところであります」

■全編動画

  • 日時 2020年5月12日(火)17:40~
  • 場所 中央合同庁舎 第8号館(東京都千代田区)

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