コロナ禍によってテレワークが急速に普及しつつある。コロナの感染リスクや、首都圏における通勤ラッシュの緩和を考えれば、望ましい傾向かもしれないが、思いがけない副作用も生じつつある。
テレワークの促進とともに、渋谷区をはじめとする都心5区のオフィスの空室率が急上昇している。オフィス需要が急速に縮小するこの傾向は、全国に拡大中で、デフレ圧力へつながる可能性が高い。にもかかわらず、西村コロナ担当大臣は「在宅7割を目指せ」の号令を全企業にかけると言明した。そうなれば、オフィスの空洞化は止まらず、すでに下がっている賃料相場の値崩れは必至である。都心に人々が通勤しなくなる、ということは、都心の飲食業や都心と郊外を結ぶ交通機関も採算が取れなくなるだろう。
中古マンション市場も、すでに成約率5割以上減の衝撃的減少を記録している。金融じゃぶじゃぶのアベノミクスで膨張した不動産バブルの崩壊から、金融バブル崩壊へとつながる可能性も否定できない。危機感をいだいたIWJが投げかけた質問に対して、西村大臣は、バブル崩壊の懸念について否定せず、しかしその防止策は口にせず、この機に乗じて、社会の「構造」を変えると言いきった。コロナ禍を契機に、「新たな日常」というスローガンのもと、「革命」でも引き起こすつもりなのだろうか。