2020年8月17日(月)、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎会見室にて、西村康稔新型コロナ担当大臣の記者会見が行われた。
冒頭、西村大臣より、新型コロナウイルスの感染状況(全国の感染状況・医療提供体制・検査体制)についての報告があった。西村大臣は特に沖縄での現状について、「高い数字で陽性者が推移すると、宿泊療養施設も逼迫してくる。そして、 何よりも病床に影響を与えないように注視してくことが必要である」と述べ、「沖縄には、橋本(岳)厚労副大臣が現地で知事とも話をし、様々な調整を行っている」と説明した。
次いで、各社記者と西村大臣との質疑応答となり、「今後の分科会での討議テーマ、およびスケジュール」、「ウイルスの弱毒化」、「2020年4~6月期のGDP」、 そして、「安倍総理の体調」などについての質問が行われた。
IWJ記者は、以下のとおり質問をした。
「昨日(8月16日)東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者は260人で、都内では5日連続の1日200人超えとなっています。
沖縄では、人口10万人当たりの新規陽性者数が全国最多の状況が続いており、神奈川県内では、8月15日に1日当たりの感染者数として過去最多となる136人の感染が明らかになっています。このように、日本各地で新型コロナウイルスの感染は拡大しています。
また、本日(8月17日)、内閣府が発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減となっており、リーマン・ショック後の09年1~3月期の年率17.8%減を超える戦後最大の落ち込みであるとのことです。
これらの状況は、テレワーク率70%など『企業への自粛要請』とGO TOトラベルなど『経済活性化のための施策』を同時に進めるという政府の政策が招いたもので、『二兎を追う者は一兎をも得ず』ということではないかと考えますが、西村大臣の考えをお聞かせ下さい。
あともう一点、大阪府では15日に重症者が70人となり、過去最多だった4月の65人を上回りました。東京都の重症者はここ数日20人台で推移しています。PCR検査数や新規感染者数は東京の方が多いことを考えると、大阪府では検査数が足りていない、また実際の市中感染はより深刻なのではないかと予想されますが、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか?」
この質問に対し、西村大臣は、「日本全体の数字につきまして、先ほども申し上げたが、引き続き、高いレベルでの新規陽性者数の報告を受けており、引き続き警戒感をもってみているところである」とし、「医療の提供体制をしっかりと注視していかなければならないと思っている」と述べたが、政府の新型コロナウイルス感染防止策と経済発展のための施策の矛盾についての質問に関する具体的な回答はなかった。
また、大阪府の感染状況について、西村大臣は、「重症者の病床使用率が38.3%ということでありますので、このあたりの状況をしっかり見ながら、大阪府知事とも私が電話会談を行なって、こうした警戒感、危機感を共有しているところであります」と述べ、「大阪の状況につきましても高齢者施設や病院での院内感染が、クラスターが発生していることなどもあり、高齢者の感染者の数が多いこと、また、重症者も多いこともあります。警戒感を共有したところであり、大阪府とも連携をしながら対応していければと考えています。いずれにしても何とかこの増加傾向を減少傾向にできないか、引き続き全力をあげて連携しながら取り組んでいく」と答えた。
質疑応答終了後、会見の末尾に、読売巨人軍の選手たちにボランティアで参加してもらったという、国民に向けた「新型コロナウイルス感染防止メッセージ」の動画が流された。巨人軍の選手たちが、「新型コロナは隙きがあれば攻めてきます!」などと視聴者に感染防止策を訴えかける内容のものである。