大阪のポビドンヨードうがい薬は「専門家の評価を待つ」!? 沖縄の感染状況の悪化には「これ以上感染が広がらないようつとめる」!? IWJ記者の質問に具体的な対策を何も示せず!~8.11西村康稔コロナ担当大臣記者会見 2020.8.11

記事公開日:2020.8.13取材地: テキスト動画
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(取材・文:浜本信貴)

 2020年8月11日(火)、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎会見室にて、閣議後の西村康稔新型コロナ担当大臣の記者会見が行われた。

 冒頭、西村大臣から、新型コロナウイルス感染症の感染状況について、簡単な報告があった。その中で大臣は「以前から申し上げているが、毎日の発症者数の把握はもちろん大事だが、これを発症日別で分析を引き続きやっていくことが大事である」と述べた。

 また、「最近の感染状況をみると、いくつかの分類がみられる」とし、会食、カラオケ、職場、寮生活、の4つを紹介した。そして、西村大臣は、この4つの感染状況が目立っていることについて分析し、「これは、『新たな日常』から『以前の日常』に戻ってしまっている可能性がある。『3密の回避』、『換気の徹底』、『マスクの着用』など含め、ガイドラインを守っていただくことで、『新たな日常』を改めて守っていくことが重要である」と訴えた。

 大臣の報告に続いて、各社記者と西村大臣との質疑応答となり、沖縄県の感染状況、緊急事態条項再発出の可能性、西村大臣の8月15日の靖国神社参拝の可能性、感染拡大地域のGO TOキャンペーンからの除外などについての質問が出た。

 IWJは以下の2つの質問をした。

IWJ記者「大阪府の吉村洋文知事は、ポビドンヨード配合のうがい薬に新型コロナウイルス殺菌効果があると発言しています。これに対し、大阪府の保険医協会および歯科保険医協会が6日、抗議を表明しています。保険医協会は『ポビドンヨードの使用は口腔内の正常細菌を破壊し、希釈が不十分だと粘膜障害を招く可能性がある』と述べ、ポビドンヨード有効性は証拠不十分であると言っています。

 にもかかわらず、吉村知事の発言により、大阪だけでなく全国に買い占めが広がっています。ドラッグストアのみならず、ネットでも売り切れが相次ぎ、高額転売も見受けられますが、政府はどのように対応していくのですか?」

 これに対して、西村大臣は「これについては、専門家の間でも様々な意見があるようですし、まだ研究途上にあると聞いている。研究の結果と専門家の評価を待ちたいと思う。また厚労省において適切な対処がなされるだろう思う」と回答した。

IWJ記者「沖縄はGO TOキャンペーンがスタートした7月下旬からコロナ感染者数が増加しています。8月9日の感染者は過去最多の159人となりました。また、玉木デニー県知事は8月8日にツイッターで『とにかく人手が足りない』と発言しています。このように被害が拡大している都道府県に対し、要請・指導が必要だと思われます。政府対応を教えて下さい」

 これについて西村大臣は、「沖縄での感染者数の増加については、しっかりと分析をしなければならないと思っている。ただ、圧倒的に感染者、旅行者の数が多い東京は、GO TOキャンペーンの対象から外してある」とし、「感染経路やその広がり方などについて、しっかり分析しなければならないと思う」と回答。「PCRなどを通して、これ以上感染の広がらないよう、特に、高齢者や基礎疾患のある方々の間に広がらぬよう、つとめていく」と結んだ。

 西村大臣の回答は、2点とも事実上の「ゼロ回答」である。具体的な対応策は何一つ示さなかったのだ。

 コロナに乗じて、GO TOキャンペーンや接触確認アプリなど、あらゆる施策が政府により乱発されている昨今だが、そこから一歩引いて、政府の施策を冷静に冷めた目で観察・監視する必要があるように思われる。

■全編動画

  • 日時 2020年8月11日(火)10:40~
  • 場所 中央合同庁舎第8号館 S101 ・S103会見室(東京都千代田区)

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