2020年8月28日(金)、午後4時30分より、東京都千代田区永田町の中央合同庁舎会見室にて、西村康稔 新型コロナ対策担当大臣記者会見が開催された。同日の午後5時から予定の安倍総理辞任会見を前にした緊急会見であり、その内容が注目された。
会見冒頭、西村大臣から2つの報告があった。1つは、「第42回新型コロナウイルス対策本部」の開催について。2つ目は、「REVIC(地域経済活性化支援機構)」についてである。
西村大臣の報告によると、「第42回新型コロナウイルス対策本部」において、以下の4つの事項が決定された。
①検査体制の拡充
②医療提供体制の確保
③ワクチン接種体制の確保
④保健所体制の整備
特に、③のワクチン接種については、分科会で、接種の枠組み、その有効性・安全性等についての議論がなされており、分科会での議論を踏まえながら、来年前半までに、「全国民に提供できる数量」を確保し、安全性・有効性が認められるものは、国内産・国外産の別を問わず、供給、契約の締結を順次進めていくこととしている。
分科会の議論も9月にはとりまとめを行いたいと考えているとのことであった。
2つ目は、「REVIC(地域経済活性化支援機構)」について、全国的に医療機関の経営状況が厳しくなっており、その中で支援を行なっていくために、「REVIC」と「WAM(福祉医療機構)」、そして、「沖縄振興開発金融公庫」が医療機関に対する経営支援を強化するために、この日、連携協定を締結したとの報告が行われた。
その後、各社記者と西村大臣との質疑応答となった。IWJ記者は以下を質問した。
「全国民分のワクチンを用意するなど、予備費を活用するとのことで、予算を新型コロナウイルスに割くことは歓迎しつつも、なぜ、国会審議の必要ない予備費なのか、そもそも補正予算を組むにあたり、10兆円の予備費を組んでおいたのは、この使途を内々で決めていたからではないか、という疑念があります。
しかも、辞任発表とセットということで、後継者に土産を持たせ、ここまでの失政批判の声を封印し、麻生臨時代理のあとの、解散総選挙の際に与党有利に運ぶための算段なのではないかとも邪推してしまいます。
また、ワクチンの購入先を国会の議論抜きで早々と決めているのはどうしたものでしょうか。そのワクチンは安全性等について、大臣の考え、またはご存知になっていることをうかがえればと思います」
この質問に対し、西村大臣は以下のとおり回答した。
「まず、ワクチンの有効性や安全性、そして摂取のあり方等については、専門家の皆さん、そして、経済界や労働会の専門家にも入っていただき、また、国民の皆さまにお伝えするために、マスコミの代表やコミュニケーションの専門家の皆さんにも入っていただき、議論を重ねている。
また、予備費の使い方については、しっかりと国会においても説明していくことが大事だと考えている。
また、実際のワクチン接種は、これからまだ先になる。早くてこの冬ではないかと言われているところだ。接種のあとに、万が一の健康被害が出た場合、その救済体制の整備も必要。
ワクチン接種についても、もちろん、国会でしっかり説明して、法的枠組みを国会でご議論いただくことになる。接種までにはまだかなりの時間がある。何よりも、国民の皆さまにご理解いただけるようしっかり説明していきたいと考えている」