緊急事態条項創設の危機を目前にして「これからの対応を決めていきたい」などと公党の代表が言っている場合か!? 11.21 国民民主党・玉木雄一郎代表の定例会見で明確になった玉木代表の危機感のなさ! 2018.11.21

記事公開日:2018.11.24取材地: テキスト動画
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( 取材・文:川上正晃 記事構成:岩上安身)

 東京都千代田区の衆議院内で11月21日、国民民主党の玉木雄一郎代表の定例記者会見が行われた。

 憲法改正の手続きを定めた国民投票法には、最低投票率や絶対得票率は設定されていない。最低投票率とは、有権者数に対する投票者数の割合のことであり、絶対得票率とは、得票数を有権者総数(棄権者も含む)で割った数値である。すなわち、投票数や得票数が有権者数の10%以下であろうと、1%以下であろうと、投票した者がいさえすれば、その投票の中の賛否で決定してしまうのだ。

 また、民放連(日本民間放送連盟)は今年9月20日、国民投票に関して、テレビCMの上限規制を自主的に設けることはしないことを表明している。臨時国会で改憲が発議されてしまえば、緊急事態条項の創設を含めた改憲賛成派は、圧倒的な資金力で改憲に肯定的なCMを打ち、草の根で改憲運動を推進する日本会議などを通じて組織票を動員するだろう。

 今こそ、緊急事態条項の危険性を広く伝えるために、野党政治家が先頭に立って緊急事態条項反対の声を上げ、反対運動を国民運動のレベルにまで高める必要がある。しかし、野党も主要メディアも市民団体も9条改正の危機は訴えているが、緊急事態条項を危険視する声はほとんど上がっていない。

 こうした現状を踏まえてIWJ記者は、緊急事態条項に対する反対運動を展開できるのかどうか玉木代表に質問したところ、次のような回答が返ってきた。

 「いたずらに私権を制限するような形になるものであれば、非常に問題だと思います。また、基準のよくわからないことで、国会の立法機能を停止してしまうようなことになっても問題だと思います。しっかりと、緊急事態条項の問題点についても考慮に入れながら、これからの対応を決めていきたいと考えています」

 玉木代表の示した認識は、あまりにも悠長なものだった。改憲の発議、緊急事態条項の創設、そして緊急事態宣言の発動による永久独裁国家の確立は、今や目前に迫っている現実の危機である。

 11月8日付の朝日新聞は、元大阪府知事の橋下徹氏が自由党の小沢一郎代表、国民民主党の前原誠司氏と会食をしたと報じた。これにより、小沢氏の自由党が国民民主と合流、橋下氏が維新の一部議員を引き連れてこれに加わり、野党再編の「顔」となるのではないかとの憶測報道まで飛び交っている。「ゆ党」勢力の拡大は、政府・与党による改憲発議を後押しすることにしかならない。

 玉木代表にはこうした憶測を払拭する回答を期待したかったが、「これからの対応を考えていく」というのは緊張感がなさすぎる。どうか、緊急事態条項の危険性について、真剣に考えていただきたい。

 自民党憲法改正推進本部の下村博文本部長は11月15日、国会での改憲論議に否定的な野党を「職場放棄」と罵った。その下村氏自身は、自らの違法献金疑惑について説明をしていない。自分のことは棚に上げ、暴言を吐きつつ、暴走をする。この下村氏の強引で、自らを省みない猪突猛進ぶりは、自民党が憲法改正に向けてなりふりかまわず猛進しようとする姿勢を示しているのではないか。なお、下村氏はこの暴言がきっかけで衆議院憲法審査会の幹事の辞退に追い込まれ、委員からも外れることになり、自分が「職場放棄」することとなったのは皮肉である。

 自民党憲法改正推進本部は2018年3月、緊急事態条項を含む改憲4項目を条文の形でまとめ、緊急事態条項は、2012年度の自民党改憲草案のときよりも一層、危険性が高まった。この新たな緊急事態条項について、IWJ代表・岩上安身は永井幸寿弁護士にインタビューを行っているので、ぜひ、あわせてご覧いただきたい。

 また、まともな規制がない国民投票法については、ノンフィクション作家で元博報堂社員の本間龍氏に岩上がインタビューを行っている。こちらもぜひ、ご覧いただきたい。

■ハイライト

  • 日時 2018年11月21日(水)14:00~
  • 場所 衆議院議員会館(東京都千代田区)

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