【IWJ号外】「イスラエル・ロビーに完全支配された米国で、正論を主張する政治家が現れた! バーニー・サンダース米上院議員が『米国は、国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担することはできない』と主張!」しかし、シオニスト・イスラエルに少しでも逆らう政治家には「厳しい代償」が待っていると、『イスラエル・ロビー』を著したミアシャイマー教授は警告! 2023.12.4

記事公開日:2023.12.4 テキスト
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(文・IWJ編集部)

特集 中東

IWJ代表の岩上安身です。

 イスラエル・ロビーに完全支配された米国で、ついにまともな正論を主張する政治家が現れました!

 バーニー・サンダース米上院議員が議会で「米国は、イスラエルの友人である一方で、その友好には条件があり、私たちは、国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担することはできない」と主張し、米国民の血税をイスラエルに与えるならば、条件を課すべきだと提案しました。しかし、シオニスト・イスラエルに少しでも逆らう政治家には「厳しい代償」が待っていると、『イスラエル・ロビー』を著したミアシャイマー教授は警告しています。

 10月7日のハマスの奇襲直後、ハマスをまずは批判しつつ、イスラエルへの連帯をも表明していたバーニー・サンダース米上院議員は、その後、イスラエル軍の暴力が桁違いなものであると判明するにつれて、シオニスト・イスラエルへの批判も強めてきました。

 そのサンダース米上院議員が、11月29日午後7時ごろ(EST、日本時間11月30日午前9時過ぎ)、上院議会で25分間の長い演説を行い、イスラエルのガザ攻撃を強く非難して即時停止を求め、米国民の血税をイスラエルに支援するのであれば、これまでのように白紙委任にするのではなく、条件をつけるべきだと主張しました。米国とイスラエルの歪な関係のタブーに、大きく踏み込み、根本的なところから変えようとの大胆な提案を行うまでに至りました!

 これはもちろん、この演説は、米国政治と社会において、圧倒的な支配力と影響力を持つ、イスラエル・ロビーと、在米ユダヤ人社会を怒らせ、敵に回すことに十分なり得るものです。

 サンダース議員は、「イスラエルは近年、平和的解決への希望を与えるようなことを何もしてこなかった」とイスラエル政府を強く非難し、「あからさまな人種差別主義者を閣僚に抱えるベンヤミン・ネタニヤフ首相」に任せておいては、パレスチナ問題が解決することはない、「ネタニヤフ首相とその極右政権が、自力でこの問題を解決するつもりがないことは明らかだ」とも述べています。

 サンダースの、この演説の部分に急ぎ付け加えておくと、ネタニヤフ1人が「人種差別主義者」なのでも、「パレスチナ人への民族浄化の推進者」なのでも、「極右政権」なのでもありません。

 ネタニヤフが連立を組んでいる極右政党は、いずれもネタニヤフ以上の「人種差別主義」であり、「民族浄化推進支持」であり、狂信的なシオニスト達です。右翼だけでなく、左翼を見ても、シオニズムを根底から批判して、パレスチナとの2国家併存を訴える政治勢力は、イスラエルには一つもありません。

 サンダース議員は、米国内では、フードスタンプや失業した時の社会保障、生活保護の住宅プログラムなどには、すべて条件がついているのだから、イスラエルへの支援金にも条件が必要だと述べました。

これは当たり前の理屈です。イスラエル支援だけが、特別扱いされ、無条件で毎年、巨額の支援予算を組まれてきましたが、それ自体が「異常」であり、『アンフェア」なのです。

 サンダース議員が提案した「条件」は、以下の通りです。

1)イスラエルによる無差別爆撃の停止
2)避難しているガザ住民が故郷に戻る権利の保証
3)イスラエルによるガザの長期占領・封鎖の終了
4)ヨルダン川西岸地区での入植者による暴力の終了と入植地拡大の凍結
5)2国家解決に向けた広範な和平交渉への取り組み

 正直なところ、サンダースの提案は物足りなくもあります。(2)は、イスラエルの外に追放されて、帰還したいと願うパレスチナ人の帰還権を認めようという話ではありません。

 また、(1)も、破壊の限りを尽くしたイスラエル軍が退却するだけで、その再建や補償がイスラエル側に課せられていません。(3)も同じことで、これまで、暴力的にパレスチナ人の家や土地を奪った上で、その奪った土地の上で、のうのうと住み着いているイスラエル人入植者全員の引き上げと奪われた土地や富の返却も書かれていません。

 本来なら、土地と家財を奪われた全てのパレスチナ人の帰還権を認め、殺戮・破壊・追放の犠牲者となったパレスチナ人の全てに土地と財産の返却と補償をすべきです。

 そのための予算の原資は、シオニズムを現実化する過程で長年、重大な責任のある米英政府と欧州各国政府、カトリックを筆頭に、反ユダヤ主義を広めた全世界のキリスト教会とキリスト教徒、在米ユダヤ人はじめ、シオニズムを支持した世界中のユダヤ人達が負担すべきです。

 サンダース議員は2国家解決に向けて、ハマスに代わる、イスラエルとの和平に尽力する、民主的に選出されたパレスチナ新政権の樹立が必要だとも訴えています。

 米国は毎年、イスラエルに年間38億ドル(約5690億円)の軍事援助をしています。2019年から2028年の10年間で、累計380億ドルを支援することになっています。「ガザ地区をいま空爆しているイスラエルの戦闘機は、アメリカ製だ」と、10月25日付『BBC』は報じました。

 さらにバイデン大統領は143億ドルをイスラエルに支援することを議会で求めています。

 振り返ってみれば、マイク・ジョンソン新下院議長のもと、米下院議会は11月2日、イスラエルに143億ドルの支援を提供し、かわりに内国歳入庁(IRS)の予算を削減する共和党の法案を可決しましたが、上院で反発を受け成立しませんでした。結局、11月17日の期日直前に成立したつなぎ予算からは、イスラエル支援が、ウクライナ支援などとともに削除されました。

 米議会では、17日に成立したつなぎ予算とは別枠で、11月28日の感謝祭の休日の後に、イスラエル支援とウクライナ支援を審議していくことになっていました。

 米国内では、特に民主党を支持する若い世代が、イスラエルを支持するバイデン政権に対して批判的で、ホワイトハウス前でデモ集会が毎週のように開催され、バイデン大統領に「ジェノサイド・ジョー」のニックネームを献上しています。

※はじめに~米国で若い民主党支持者が連呼! ジェノサイド・ジョー!!! スリーピー・ジョーに次ぐバイデン大統領の新ニックネーム! 若い有権者たちがイスラエルを支持するバイデン大統領につけたブラックなニックネーム!
会員版:(日刊IWJガイド、2023.11.25日号)
非会員版:(日刊IWJガイド、2023.11.25日号)

 サンダース議員が上院議会で演説を行った11月30日午前9時(JST)の翌日となる12月1日午後2時(JST、イスラエル現地時間午前7時)、イスラエル国防軍は、一時休戦を停止し、ガザ地区への爆撃を再開しました。イスラエルによる一方的ともいうべき休戦終了は、これから本格的に始まるであろう米連邦議会でのイスラエル支援についての審議に、どのような影響を与えるのでしょうか。

 以下に、11月29日夜(EST)に行われたサンダース議員による演説の、IWJによる全文仮訳・粗訳をご紹介します。今回は、会員・非会員の別なく、フルオープンとしました。どうぞお読みください。

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 「イスラエルとハマスの間で、過去15年間に5回の戦争がありました。現在の戦争を終わらせ、遅かれ早かれ第6回目の戦争が起こるのを防ぐにはどうすればいいのでしょうか? 戦闘を止めたいという願望と、この紛争の根本原因に取り組む必要性とのバランスをどうとればいいのでしょうか?

 そして、ここに悲しい真実があります。

 75年にもわたって、外交官たち、善意のイスラエル人とパレスチナ人、そして米国大統領を含む世界中の政府指導者たちは、この地域に平和をもたらすために奮闘してきました。そして、その間、さまざまなことがありました。エジプトの大統領とイスラエルの首相が過激派に暗殺されました(※IWJ注1)。なぜかわかりますか? 彼ら(※政治的テロにより殺されたエジプトのサダト大統領とイスラエルのラビン首相)が、この地域に平和をもたらそうとしたからです」。

(※IWJ注1)エジプトの大統領とイスラエルの首相が過激派に暗殺されました:
 エジプトのサダト大統領とイスラエルのラビン首相をさす。1978年、サダト大統領は、キャンプデービッド和平合意を評価され、ノーベル平和賞を受賞したが、1981年にイスラム主義の軍将校により暗殺された。
 イスラエルのラビン首相は、1994年にオスロ合意を評価され、ノーベル平和賞を受賞したが、1995年に極右ナショナリストに暗殺された。

 バーニー・サンダース議員の演説の翻訳を続けます。

 「これは信じられないほど困難で複雑な問題であり、誰も簡単な解決策を持っていません。議長、空爆の人道的な一時休戦を求めた最初の連邦議員のひとりとして、私は、この5日間でついに一時休戦が実現し、今週初めにその延長が実現したのを見て、非常に勇気づけられました。非常に前向きな展開です。

 この一時的な休戦は、ガザと、これまでに解放された100人以上の人質の家族にいくらかの安堵をもたらしました。

 戦闘の中断によって、1日平均200台のトラックが、ガザに入りました。これらのトラックは、切実に必要とされている食料、水、医薬品、援助物資を配給し、給水や病院やパン屋を運営するために必要な燃料を積んでいました。

 しかし、これは(※必要な量の)わずか40%にすぎないことを、人々は認識しなければなりません。戦争の前は、1日当たり500台のトラックが入っていたのです。現時点は、200台です。それでも数週間前と比べれば、非常に大きな改善です。

 議長、私たちが今すべき仕事は、この窓口をさらに広げ、より多くの援助を受け入れ、より多くの人質を解放するために働き続けることだと思います。より多くの援助があれば、より多くの人質を救出できます。

 今まさに、国連が、人々の基本的なニーズを満たし、避難所や医療を提供できる持続的な人道支援活動を確立するために必要な時間を提供できるよう、重要な協議が進められています」。

 サンダース議員が、このように、人道援助活動の拡大について、希望を込めて演説したのは、11月30日(JST)。しかし、その翌日である12月1日(JST)に、イスラエルへのガザの、無差別爆撃が再開され、無念なことに、人道援助活動拡大への希望は打ち砕かれてしまいました。

 「はっきりさせておきたいことは、ガザで必要とされているものは、計り知れないほど莫大なものです。議長、この戦争を終わらせたいだけではなく、将来の戦争を避けたいと願うのであれば、私たちはまず、事実をはっきりと認識しなければなりません。

 10月7日、テロ組織ハマスがイスラエルに対して残忍な攻撃を仕掛け、罪のない男性、女性、子どもたち約1200人を殺害し、200人以上の人質を拉致しました。イスラエルがあの残忍な攻撃に対抗する権利があることは、米上院議員も議会関係者も、誰も否定しません。

 しかし、残念なことに、汚職で起訴され、あからさまな人種差別主義者を閣僚に抱える、ベンヤミン・ネタニヤフ首相という右翼の指導のもとで、イスラエルはパレスチナ人に対して、ほぼ総力戦に相当するような暴挙を引き起こしています。

 イスラエル軍による大規模な爆撃のために、この7週間で、1万5000人が死亡しました。その3分の2が女性と子どもで、その他数万人が負傷しています。国連の推計によれば、これまでのイスラエルの軍事作戦によって、ガザの住宅の45%が損壊または破壊され、約180万人が避難しました。

 これまでのイスラエル軍の攻撃により、109人の国連職員が死亡し、数百万人のガザ住民が、医療も電気も燃料も不足する中、飢餓の危機に瀕しています。

 これは人類がもたらした大惨事であり、とりわけ、より広範な地域に大きな戦火を引き起こす危険性があります。私たちは皆、この恐怖を一刻も早く終わらせ、前進したいと願っています。我々は、この状況の複雑さに対処しなければなりません。

 第一に、ハマスは、10月7日の攻撃の前後に、その目的が永続的な戦争とイスラエル国家の破壊であると明言してきました。数週間前、ハマスの報道官は、『ニューヨーク・タイムズ』紙に、『イスラエルとの戦争状態がすべての国境で永続化し、アラブ世界が我々とともに立ち上がることを望む』と述べています(※IWJ注2)」。

(※IWJ注2)「イスラエルとの戦争状態がすべての国境で永続化し、アラブ世界が我々とともに立ち上がることを望む」と述べています:
 11月8日付けの『ニューヨーク・タイムズ』は「『永続的な』戦争状態を作り出すハマスの血まみれの策略の背後にあるもの」という記事で、サンダース氏が引用したハマスのメディア顧問の談話を紹介した。

 「繰り返させてください。これがハマスの報道官の言葉です。

 『イスラエルとの戦争状態がすべての国境で永続的なものとなり、アラブ世界が我々とともに立ち上がることを望む』。

 これが第1のポイントです。

 第2のポイントは、歴史を少しでもさかのぼれば、イスラエルは近年、平和的解決への希望を与えるようなことを何もしてこなかった、ということがわかります。ガザ封鎖を維持し、ヨルダン川西岸における占領という日々の屈辱を深め、パレスチナ人が直面している悲惨な生活状況をほとんど無視しています。

 10月7日以前から、ガザには大規模な貧困が存在していました。ガザの若者のおよそ70%は失業していました。希望を断たれた絶望という意味で、この現実はどうでしょうか? それが、イスラエルの攻撃以前に存在していた状況なのです。

 言うまでもなく、議長、私はこの終わりのない悲劇に対する完璧な答えを持っているわけではありません。しかし、私たちの中で、平和を信じ、正義を信じる者は、今日私たちが直面している現実に対処するための現実的な道筋を描く思慮深い対応を、イスラエル人とパレスチナ人に提供するために、最善を尽くすことが不可欠です。

 ここで、今後、この地域の平和と、抑圧されたパレスチナ住民のための正義に向けて人々を動かすために、米国が道徳的な立場から世界を結集するにはどうすればよいか、最善の方向について、私の考えを少し述べさせてください。

 まず、私の考えでは、イスラエルの無差別爆撃の即時停止を要求しなければなりません。イスラエルの無差別爆撃は、膨大な数の民間人死傷者を生み出し、さらに生み出しつつあり、国際法に違反しています。

 ここでの要点は、イスラエルはハマスと戦争をしているのであって、パレスチナの人々と戦争しているのではない、ということです。

 イスラエルは、ハマスの中尉1人を殺すために、近隣全域を爆撃するべきではありません。それは決して容認できないことであり、米国が加担すべきものではありません。

 さらに、私たちは、今ある人道的な一時休戦を延長しなければなりません。米国と国連が、飢餓や疾病を防ぎ、避難所を建設し、重篤な治療を必要とする人々を避難させるために必要な物流網を、安全に構築する時間を確保できるようにしなければなりません。国連は、絶望的な状況にある人々を救うために、できる限り多くの時間を必要としています。

 この(※一時休戦の)期間は、できるだけ多くの人質を解放するための協議も可能にします。私たちは皆、すべての人質が愛する人の元に返されることを望んでいると思います。この延長された一時休戦は、無差別爆撃の再開の導入となってはいけません。

 イスラエルはハマスを追及し続けるでしょうけれども、長く苦しんでいるパレスチナ人に民族自決と、まともな生活水準を得る機会を与えるために、民間人への被害を最小限に抑えるよう、その戦術を劇的に変える必要があります。

 イスラエルによる長期的なガザの再占領と封鎖はあってはならないことです。本来なら、ハマスが権力の座から追放され、パレスチナ人がより良い生活を送る機会を与えられるべきです。そうであれば、イスラエルがガザを占領することは絶対的に逆効果であり、ハマスに利益をもたらすことになるでしょう。

 地域の平和とパレスチナの人々の明るい未来のためだと言って、イスラエル軍がガザを占領している姿を想像してみてください。ガザには、ハマスから解放される機会が必要です。そこにイスラエルによる長期占領は、ありえません。

 議長、ガザが切実に必要としている政治的変革を達成するためには、より広範な政治プロセスの一環として、変革と和平プロセスの実行のための、パレスチナの新たな指導者が必要になります。イスラエルは、和平に尽力するパレスチナの指導者への支持が拡大していくような、政治的約束をしなければなりません。

 私が思うには、世界中の人々が見たいと望んでいるのは、そしてガザの人々が見たいと望んでいるのは、イスラエルと永続的に戦い続ける指導者ではなく、自分たちのニーズに配慮してそれを養い、自己決定を可能にする指導者です。

 イスラエルはまた、ガザが再建されるにつれて、避難民となったパレスチナ人に、故郷に戻る絶対的な権利を保証しなければなりません。

 私は、イスラエルから聞こえてくるいくつかの発言や、何人かのイスラエルの指導者たちから、(※パレスチナの)人々が自分たちの故郷に帰るという基本的な権利を疑問視する声が聞こえてくる(※IWJ注3)ことを非常に懸念しています。ガザの人々のように、何年も貧困と絶望の中で暮らしてきた人々を、永久にホームレスにすることはできません」。

(※IWJ注3)基本的な権利を疑問視する声:
 エルサレム問題・遺産相アミハイ・エリヤフ氏(極右政党「ユダヤの力」)は、11月5日のイスラエルのラジオ局コルバラマの早朝番組の中で、ガザ地区への原爆投下を「一つの選択肢だ」と述べた。
 国家安全保障相イタマール・ベン・グヴィル氏(極右政党「ユダヤの力」)は、「ユダヤとサマリアの道を移動する私の権利、妻の権利、私の子供たちの権利の方が、アラブ人にとって移動の権利よりも重要だ」とも書いた。
 11月30日付『フィナンシャルタイムズ』によると、ネタニヤフ首相は11月29日、イスラエルは「人質返還のこの段階を完了した後」軍事作戦を再開する、「最後まで戦闘に戻らない状況はない」と述べた。
 ベザレル・スモトリヒ財務大臣は、現在の一時休戦の延長は「議題ではなく、提案ですらない」と述べ、『X』に「これ(※一時休戦の提案)はイスラエル国家を消滅させる計画だ」と投稿した。
 国家安全保障相イタマール・ベン・グヴィル氏(極右政党「ユダヤの力」)は「戦争を止める=政府の解散だ」と書いた。
 与党リクード党員で、元議員のモーシェ・フェイグリン氏は10月25日、「イスラエルはガザをさら地にし、すべてのパレスチナ人をエジプトに追放すべきだ」と述べた。
 同氏は「地上も地下トンネルも破壊する。そして軍隊を送り込むのだ。ガザのすべての人々がラファに逃げ込むようにするのだ。人類に多大な危機をもたらすのだ。グーシュ・カティフやヤミットでやったように、地域全体をさら地にするのだ」とも述べている。
 これらがシオニスト・イスラエルの大多数の本音であり、その本音をひとつも問題視することなく、まともな議論の俎上に上げることなく、パレスチナ問題を議論しようとするのは不可能である。彼らシオニストの発言と発想、そしてその行動は、十二分にナチスの残酷さに匹敵する。その事実を、米国も、日本も、世界中も逃げずに直視すべきである。全ては、そこから始まる。

・はじめに~イスラエルの極右政党「ユダヤの力」のアミハイ・エリヤフエルサレム問題・遺産相がガザ地区への原爆投下を「一つの選択肢だ」と主張! この背後には、イスラエルの「グランドプラン」がある! さらに、イスラエルとウクライナは、先住民・マイノリティーの虐殺という点で共通し、両国とも、先住民を虐殺して土地を略取し、建国した米国に支援されてきた! 原爆を実際に投下した米国、マイノリティーに原爆を落として全滅しようと政治家が発言したイスラエルとウクライナ! この共通点を西側メディアは一切報じず、検証せず!
会員版:(日刊IWJガイド、2023.11.7日号)
非会員版:(日刊IWJガイド、2023.11.7日号)

・【第2弾! イスラエルの元与党議員モーシェ・フェイグリン氏がテレビインタビューで「(他民族を徹底殺戮した)聖書的な方法(旧約聖書)でまだ復讐を果たしていない」と、ガザの徹底破壊とパレスチナ人の全員追放を訴え!「人類に多大な危機をもたらせ!」とも! さらに別のインタビューではガザは「完全に焼き払われ」「(第二次大戦で連合軍の無差別爆撃を受けたドイツ南部の都市)ドレスデンに変わるべき」と発言! 2009年の村上春樹氏のスピーチを、今こそ思いかえすべき時!】(『イスラエルナショナルニュース』、2023年10月25日)
会員版:(日刊IWJガイド、2023.10.27日号)
非会員版:(日刊IWJガイド、2023.10.27日号)

 「イスラエルはまた、占領を永久に終わらせる第一歩として、ヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人殺害をやめ、入植地を凍結することを約束しなければなりません。

 これらの措置は、和平はパレスチナ人民にもたらされうるものであることを示し、おそらくは国際的な軍による暫定安定期間の後に、パレスチナ自治政府がガザの行政管理を担うために、必要な正当性を与えることが期待されます。

 最後に、パレスチナ人はまともな未来への希望を持つ権利があります。

 この戦争を契機として、新たな2国家解決策を進めるための広範な和平交渉に取り組む必要があります。

 米国、国際社会、イスラエルの近隣諸国は、2国家という目標に向けて、積極的に動かなければなりません。これには、裕福な湾岸諸国を含め、パレスチナの人々に対する国際的支援を劇的に増やすことも含まれるでしょう。

 それはまた、イスラエルとの和平に尽力する、民主的に選出された新政権が成立するまでの間、パレスチナの完全な承認を約束することを意味します。

 議長、私が今晩申し上げたいのは、この点です。これらのことはすべて、放っておいても実現するものではないということを、はっきりさせておかなければなりません。

 残念ながら、イスラエルはこれを実現するつもりはないようです。

 ネタニヤフ首相のリクード党は、『海とヨルダン川の間にはイスラエルの主権のみが存在する』(※IWJ注4)という前提のもとに、明示的に結成されました。そして現在の連立合意は、その目標を強化するものです。

 これは単なるイデオロギーではなく、イスラエルには海とヨルダン川の間のすべてを支配する権利がある、という考えなのです」。

(※IWJ注4)「海とヨルダン川の間にはイスラエルの主権のみが存在する」:
 ネタニヤフ首相が党首を務めるリクード党は、左派の労働党と並ぶ、イスラエルの二大政党のひとつで、ユダヤの民族主義を強調することが多く、「イスラエルではユダヤ人だけが自決権を持つ」と明記したユダヤ人国家法を推進する。ネタニヤフ首相のもと、2018年7月19日に国会(クネセト)で可決された。
 「イスラエルにおいてユダヤ人にのみ民族自決権がある」、「イスラエルはユダヤ人の歴史的な国土」、「アラビア語を公用語から『特別な地位』に格下げし、公用語はユダヤ人が使うヘブライ語のみ」、「ユダヤ人入植の拡大はイスラエル政府が奨励して促進する国家的価値」、「東エルサレムをも含む『統一エルサレム』がイスラエルの首都」などを明記している。

 「これはイデオロギーではありません。イスラエル政府は、組織的にこの目標を追求してきました。

 昨年は、ヨルダン川西岸地区でイスラエルによる入植が記録的な伸びを見せ、国連と米国が占領地として認めている地域に、70万人以上のイスラエル人が住むようになりました。彼らは、国家暴力を用いて、この事実上の併合を支援してきました。

 悲しいことに、10月7日以来、53人の子どもを含む少なくとも208人のパレスチナ人が、イスラエル治安部隊や入植者によって殺害された、と国連が報告しています。

 このようなことが続くことは許されません。

 ネタニヤフ首相は、このような重大な問題に対する自身の立場を明らかにしています。

 今こそ、私たちは、これらの問題に対する私たちの立場を明確にするべきです。

 そして真実は、もし『お願い』がうまく通じるのであれば、私たちは今日のような立場にはなかっただろう、ということです。優しくお願いするだけでは、必要な変化をもたらすことはできないのです。

 このような重要かつ必要な変化をもたらす唯一の方法は、米国がイスラエルに対してもっている、実質的な影響力を行使することです。

 そして私たちは皆、その影響力が何であるかを知っています。長年にわたり、米国はイスラエルに、ほぼ無条件で多額の資金を提供してきました。現在、年間38億ドルをイスラエルに提供しています。何の条件もつけていません。

 バイデン大統領はこの金額に、さらに143億ドルを要求し、すでに制限されている通常の監視規則を放棄するよう、議会に求めました。

 このような白紙委任のやり方はやめるべきです。

 米国は、イスラエルの友人である一方で、その友好には条件があり、私たちは、国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担することはできないということを明確にすべきです。

 議長、長年にわたり、イスラエル人とパレスチナ人を含む世界中の善意の人々は、パレスチナ人に正義をもたらし、イスラエルに安全をもたらす方法で、この紛争に対処しようとしてきました。

 イスラエルには、テロ攻撃を受けることのない安全保障を得る権利があります。私や他の議員たちは、できる限りのことをしようと何年も努力してきました。

 明らかに、痛ましいことに、私たちは十分な取り組みができませんでした。今、私たちはこの取り組みを再開しなければなりません。諦めるには、あまりにも賭け金が高すぎます。

 ネタニヤフ首相とその極右政権が、自力でこの問題を解決するつもりがないことは明らかです。

 だからこそ、米国は、その影響力を行使して必要な変更を迫り、2国家解決につながる、より広範な政治プロセスを強く推し進めなければなりません。

 間もなく審議が始まる歳出補正法案を含め、私たちは団結して、こうした連帯条件を盛り込むべきです。イスラエルは米国の長年の友人であり、同盟国(こめじ正式な同盟国ではないが、事実上、それ以上の関係ふ)であり、私はそれを尊重しています。

 しかし、これほどの破壊と流血が行われ、何百億ドルもの資金が要求されている時、米国が私たちの納税者がおさめた税金の行き先や使い道について発言権をもつことは、十分に合理的です。これは米国の納税者がおさめたお金です。

 イスラエルには自国を防衛する絶対的な権利がありますが、米国の税金を国際法違反や民間人の犠牲をほとんど考慮することもなく、使用する権利はありません。

 『条件付き』という言葉を使うと、人々が非常に警戒することは、私も知っています。まあ、ひどい考えです。

 事実上、私たちが支給するすべてのドルには、条件が付けられています。

 もし、あなたが今夜、フードスタンプを持っているなら、そこには条件があります。あなたが失業中であれば、そこにも条件があります。セクション8の住宅(※IWJ注5)には、条件があります。

 私たちは、何事にも条件を付けているのです。私たちはお金を放り投げることはしません。私たちは、あなたには受給資格がある、といいます。あなたはこれをしなければならない。そこには要件があります」。

(※IWJ注5)セクション8の住宅:
 低所得者、高齢者、身体障害者向けの住宅手当プログラムで、連邦政府が賃料のほぼ大半を保証する生活保護プログラムのひとつ。1930年代の世界恐慌を受けて、1937年に施行された「Housing Act of 1937」という法律の中の「Section 8」で規定されている。

(housing)

 「これが『条件』です。実際、長い間、『条件付け』は、イスラエルを含む外国政府に対する米国の政策の鍵であると、考えられてきました。新しい考えではないのです。

 数例をあげれば、米国は、ウクライナ、サウジアラビア、エジプトなどの国々に対して、いつも援助の条件をつけてきました。 

 カーター大統領、レーガン大統領、H.W.ブッシュ大統領、そしてクリントン大統領は皆、イスラエルへの援助に条件をつけることで、彼らの政策の変更を防いできました。

 レーガン大統領は実際に、イスラエルのレバノン戦争を理由に、特定の武器納入を停止し、すべての軍事援助を停止すると脅しました。これが『条件』です、これはかなり強い『条件』ですが。

 私たちが毎年(※イスラエルに)提供している38億ドルと、米国がすでに提供している数十億ドルの武器に加えて、ネタニヤフ政権に143億ドルを無条件で送るのは、大きな間違いではないでしょうか。

 これは、長年にわたる米国の政策とかけ離れたものであり、米国民が望んでいるものでもないと、私は信じています。

 私は、いくつかの条件がどうあるべきかを提示しました。

 それは、私たちが見てきた無差別爆撃に終止符を打ち、避難民となったパレスチナ人が故郷に戻る権利を保証し、ガザ地区の長期にわたる占領や封鎖の終了を保証し、ヨルダン川西岸地区における入植の凍結、そして二国家解決に向けた広範な和平交渉への取り組むことです。

 これらの条件は、イスラエルに資金を提供する際に、私たちがもっと要求する権利があるものだと思います。

 最後に、議長、個人的な注釈をつけて、終わりにしたいと思います。この国のすべての人々が、戦争に関して強い意見の違いをもっていることは間違いありません。そして、私が今夜、議論してきたいくつかの問題は、民主主義のプロセスの一部なのです。

 私たちのような民主主義国家では、このような問題が議論され、人々が異なる見解をもっているのは当然のことです。

 しかし、どのような状況であれ、私たちがやってはならないのは、私たちの違いを理由に、暴力に訴えることです。暴力ではいけないし、偏見でもいけません。

 悲劇的なことに、私の故郷であるバーモント州、そして私が住んでいる人口4万人の都市、バーモント州バーリントンでは、このような暴力的な憎しみを経験している、といわなければなりません。

 ご存じのように、まさに数日前、バーモント州バーリントンで、感謝祭を祝っていた大学に通う3人の若者が銃撃されました。そのうちのひとりは非常に重篤な状態にあります。

 私たちは皆、シャロームとキーナンの回復を願い、祈っています。私は撃たれた3人の若者を見て、この恐ろしい行為に関する捜査結果を待っています。

 もう一度、大きな声ではっきりと言わせてください。

 イスラム嫌悪、反アラブヘイト、反ユダヤ主義、そして人種差別がこの国で台頭していますが、私のバーモント州、あるいは米国のいかなる場所においても、憎しみの居場所はありません。

 私たちは団結し、あらゆる偏見と不寛容と闘う決意を堅持し続けなければなりません。

 議長、ありがとうございました。議場を譲ります」。

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