2022年10月19日、午後4時30分より、東京・東京と医師会館 講堂にて、東京都医師会の「新型コロナウイルス感染症拡大防止対策等について」の記者会見が行われた。
会見では、尾崎治夫 東京都医師会長、猪口正孝 同副会長、平川博之 同副会長、鳥居明 同理事、そして、伊藤隆一 日本小児医会長の5名が登壇し、それぞれが「総論」、「コロナ第8波と現状」、「第7波における高齢者施設の現状」、「抗体検査のより積極的な活用に向けた試験的なとりくみ」、「新型コロナとインフルエンザの同時流行に向けたとりくみ」、そして、「今後に向けた小児の取扱い」について報告・発表を行なった。
報告・発表に続いて、質疑応答となり、各社記者との活発なやりとりが行われた。
IWJ記者は新型インフルエンザワクチンについて、尾﨑会長に対して、以下のとおり、質問を行なった。
IWJ記者「COVID-19ワクチンの有害事象に関する論文が世界中で報告されています。
スイスのワクチン専門雑誌『vaccines(ワクチンズ)』が、「COVID-19ワクチンの有害事象」を特集しており、その中で、ワクチンの問題点について次のように指摘しています。
『COVID-19パンデミックの急速な進展に伴い、ワクチン接種はCOVID-19に対する有効な防衛手段の一つとはなっているが、ワクチン接種による予期せぬ有害事象は体系的に報告されていない。
また、COVID-19ワクチン接種後の副作用を明らかにするためには、人種、年齢、特定疾患など様々な共変量(量的に表された説明変数のこと)を考慮した安全性研究が必要である。
特に、10代の集団や小児に対する安全性を確保するための研究や、循環器疾患と副作用の関連性を把握するための質の高い臨床研究は、健康面からも急務である』
東京都医師会として、年齢、特定疾患など様々な共変量(量的に表された説明変数のこと)を考慮したワクチンの安全性研究を行う予定はありますか?」
この質問に対する尾崎会長の回答は、以下のとおりである。
尾崎会長「ワクチンのいろいろな副反応については、いろいろ言われていることは承知しております。ただし、例えばワクチンがあって、ワクチンを打つことによって、コロナにかからない人が、あるいは重症化しない人がたくさん出ているということも事実です。
そして、コロナにかかったときに、今言われたような、いろいろな循環型とか、いろいろなところに後遺症とか合併症が起きて、実際に亡くなられている方もたくさんいます。ですからそれは、予防接種をしたから、そういうことが防げている人がたくさんいるはずなんですね。
コロナの副反応は、予防接種の副反応だけに注目すれば、もちろん一定数は出てくると思います。
でも、その場合にワクチンの予防接種を打ったために、コロナにかからない、重症化しないあるいはそういった合併症が防げたというケースが、どれだけの数があるかということをまず検証して、その比較として、ではワクチンを打った場合に副反応でこれだけの有害事象があった(という検証が必要だ)。
それを比べないと、有害事象だけを見て、『ワクチンは危険』だとか、『これは打つべきではない』ということは言えないと思います。
それから、今おっしゃったような臨床研究は、私はした方がいいと思いますが、残念ながら東京都医師会というのは、医師の団体ではありますけれども、研究者の集まりではないんですね。
ですから、今おっしゃったようなことは、やはり、日本の医学界とか、そういうアカデミア、感染症学会とか、免疫学会とか、いろいろなところに、もっと臨床研究としてどんどんやってもらいたい。
僕はやるべきだと思っていますが、日本でそういった研究が今ほとんど行われていない現状というのはあります。ですからほとんど出てくるデータは、さっきも、欧米のデータなんですね。ですから、日本人はまた、日本人、アジア人特有の体質とかいろいろなものを持っていますから。
私はあなたがおっしゃるようなことを、もっと日本のアカデミアの人たちも、大学とか研究者の人たちがどんどん研究をすべきだと思いますよ。
それを何でできないかというのは、恐らく、人員の問題とかいろいろな問題があるのかもしれませんが、それはやはり、今一番の僕は問題点だと思っているんです。日本のデータがなかなか出てこない。
そういう中で、私たちは、臨床現場というか、実際に診療の現場で、例えば、抗原検査とPCRと比べると、どっちが精度はどのくらいあるのかとか、抗原検査でも十分いけるのか、というのは、5000人以上のデータをとって研究はしていますけれども。
なかなか、今おっしゃったようなワクチンの副反応とか、それから循環器系の話になりますと、もっと、専門的な研究機関でやらないと、とても難しいと思うんですね。そういうことだと思います」
記者会見の詳細はぜひ、全編動画をご視聴ください。