2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻に先立つ21日、ロシアがウクライナ東部2地域(ドネツク州、ルガンスク州)を独立国家として承認した。この事態を受けたドイツは、「対ロシア制裁」として22日、ロシアとの間の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の認可停止を発表した。
しかしこれは、ドイツ自身の身を切る制裁だ。ロシア産ガスが来なくなれば、高価な米国産液化天然ガス(LNG)などを買うしかなくなり、ロシアのメドベージェフ安全保障理事会副議長は、欧州の天然ガスの価格は2倍にハネ上がるとさえ述べている。
そもそもウクライナでは、1991年にソ連邦からの独立後、親欧米と親露の間を揺れ動き続けると同時に、ロシアとの間で天然ガスの供給・料金設定等を巡る係争が続いた。ウクライナ側でのガスの無断抜き取りや第三国への組織的転売、ガス料金のロシアへの不払いも発生し、一時はロシア側がガス供給を削減し、欧州各国に影響が及んだ経緯もある。
パイプラインがウクライナを通過している限りその先の西欧への安定的な供給は見込めないため、ロシアと欧州・ドイツは「ウクライナ外し」のパイプラインを3本建設することにした。「ノルドストリーム2」は、未稼働の最後の1本である。稼働すれば、欧露の結びつきは格段に強まったはずだ。
今回の「対露制裁」策、「ノルドストリーム2」停止で、得をするのは誰か? 米国が繰り返す「経済制裁」の目的は、米国の一部に利益をもたらすに過ぎないのではないか!?
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