ロシアのウクライナ侵攻に対する最も強力な経済制裁として、2022年2月26日、米欧諸国が、ロシアの特定銀行に対して、国際決済ネットワークSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除を決定。日本も制裁に加わった。
米軍のウクライナ派兵を否定したバイデン大統領が、かわりに制裁の切り札として行った「SWIFT排除」は、どんな効果・影響を与えるのか? IWJはエコノミスト田代秀敏氏に伺った。
田代氏は、「SWIFT排除」が、ロシアにデフォルトの危機を高めるとともに、インフレが激化することも予想した。ただし中国の決済システムを利用し、貿易相手を中国にシフトすることでダメージを軽減する可能性がある。一方、ロシアのデフォルトは欧州諸国にも、金融危機かインフレかの二者択一を迫る大きな影響を与えるという。
その後、3月12日からロシアの対象銀行はSWIFTを利用できなくなり、海外企業がロシアから続々と撤退した。これに対抗して、プーチン大統領は撤退した外国企業の資産を国有化することを表明している。
果たして「SWIFT排除」は、本当にロシアの暴走にブレーキをかけることができるのだろうか?
- 「ロシア離れ」拡大 SWIFT排除、すでに撤退・停止330社超(朝日新聞、2022年3月12日)