2022年1月14日(金)午前10時10分頃より、後藤茂之厚生労働大臣の定例会見が、厚生労働省にて開催され、IWJが生中継した。
はじめに後藤大臣が、「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等に関する法律の施行期日を定める法令」が同日閣議決定され、同法が1月19日に本格的に施行されることを報告した。
質疑応答では、IWJの記者が以下の質問を行った。
「新型コロナウィルスのオミクロン株は、感染した場合、のどの痛みや、咳、発熱、全身倦怠感など風邪の諸症状と似た症状が出るといわれています。重症化率は比較的低く、逆に感染率は高いと言われており、冬場に誰でも1度や2度はひくであろう、風邪との区別が当人にも周囲にもつきにくいことは、市中感染を広げてしまう大きな要因となると思われます。
風邪なのか、オミクロン株なのかは、PCR検査を徹底するしかありません。
また、PCR検査を行って、新型コロナウィルスの陽性か陰性を調べ、さらに遺伝子の種類でオミクロン株か否かを判断するとのことですが、オミクロン株は、通常の新型コロナウィルスの潜伏期間より短く3日で症状が出ると言われており、このような検査方法ですと多くの日数を要します。検査を行った方々をすべて隔離するなりしないと軽症の陽性者を野放しにして、市中感染を拡大する恐れがあります。
単なる風邪だろうと放置している人、無症状の人がいることもあわせ、感染拡大が急激に増加している状況で、発熱しなくても、風邪のような症状が出た人は全員、PCR検査を、病院でもどこでも受けられるようにしないと、感染拡大は止まらないのではないでしょうか。検査の徹底した拡充を行う考えが政府にあるのか、大臣にお聞きしたいと思います」
これに対して、後藤厚労大臣は次のように回答した。
「まず、風邪のような症状を含めて、症状のある方などについては、地域の身近な診療検査医療機関になりますけれども、医療機関で、迅速に検査ができるような体制を進めまして、今、診療検査医療機関数を3万5000か所まで増加してきているところであります。
また、オミクロン株による感染拡大が懸念される地域では、不安を感じる場合に、無症状であっても、無料で検査を受けられるように対応しております。有症状であれば行政検査が無料で受けられるのは当然のことですが、無症状でも無料で検査を受けられるようにいたしております。
さらに一層の検査体制の整備をするために、有症状者に対しては、医療機関において簡便かつ迅速に検査結果が判明する抗原定性検査キットの積極的な活用をお願いしたり、また民間検査機関や生産メーカー等に対して、一層の協力を依頼しているところでもあります。
今、1日あたり検査能力が、PCRは約39万回、抗原定量が約8万件、抗原定性検査キットが87万件というふうになっておりまして、それなりの体制を整えておりますし、今後のオミクロン株の状況いかんによっては、検査キット等を対応できる体制をとっていくように考えているところでございます。
引き続き、ご指摘のように、検査体制を充実していく、検査を拡充していくっていうことは重要なことだというふうに考えておりまして、都道府県とも連携して、検査体制をしっかりと確保していく、どういう姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております」
他社からは、西日本新聞の記者が、「黒い雨」をめぐる被爆者認定制度に長崎が含まれない件について質問した。後藤大臣は、「長崎についてどのような対応が可能か、長崎県・市の意見をよく聞き、課題の洗い出しから検討したい。今月中にも実務者レベルの打ち合わせを開始したい」と回答した。
そのほか、オミクロン株の濃厚接触者の待期期間、エッセンシャルワーカー等の濃厚接触者への対応、地方での感染拡大、まん延防止等重点措置の適用等について質問があった。
詳しくは、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。