2021年8月3日(火)、午前11時30分頃より、東京都千代田区の中央合同庁舎にて、西村康稔・新型コロナ対策担当大臣の記者会見が開催された。
冒頭、西村大臣より、新型コロナウイルス感染症の感染状況、特に、40~50歳代を中心に重症化のケースが増えていること、また、入院のケースも急激に増加しており、病床がかなり厳しい状態になっていることなどについて報告があった。
西村大臣は、「40~50歳代の方々には注意をしていただきたいですが、20~30歳代の方々ですね。活動が非常に活発ですが、そうした状況をぜひご理解いただきたい」と、中年層だけでなく、若年層にも感染者が増加している事実を踏まえ、行動に気をつけるように呼びかけた。
質疑応答で、IWJ記者は、8月2日から拡大された「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」について、次のように質問をした。
IWJ記者「このたび発令された『緊急事態宣言』ならびに『まん延防止等重点措置』について質問です。
このたびも『緊急事態措置区域』ならびに『まん延防止等重点措置区域』においては、今までどおり、『酒類を提供する飲食店』への休業要請、時短要請の徹底、および酒類提供可能時間の制限など、『飲食業』にのみフォーカスした措置がとられるようです。
医療ガバナンス研究所理事長・上昌広医師は、7月19日に弊社代表・岩上安身が行ったインタビューの中で、『そもそも酒類の規制がコロナ対策に有効なのか、その根拠は何かについて論じなければならない』と述べておられます。
また、7月28日の第45回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料2-3では、『新規陽性者数の推移等』というデータがありまして、『新規陽性者の感染場所』は『自宅』が最も多く、それに『高齢者福祉施設』が続いており、『飲食店』の数は非常に限定的であるように見えます。
『酒類を提供する飲食店』への各種措置について、西村大臣はどのような判断基準にもとづいて政策決定を行っていらっしゃるのでしょうか? ご教示ください」
この質問に対し、西村大臣は以下のとおり回答した。
西村大臣「今までもいくつかのエビデンスをお示ししてきておりますが、今日は用意をしていないのですけれども、ひとつには、まさに分科会におきまして、これはアドバイザリーボードでも報告されましたけれども、感染した方の中で、過去どういう行動をとっていたかという中で見ると、この飲食によるもののリスクが4倍くらい高まるという報告があります。
それから、今も少しお示ししましたけれども、群馬県の例ですけれども、『感染経路不明』、おっしゃるように、飲食店のクラスターは減ってきています。
これは、皆さんにご協力いただいてですね、感染防止策を徹底していただいて、あるいは(午後)8時までの時短、酒類提供の停止も、ご協力いただいてですね、件数としては減ってきていますが、しかし、今、群馬県のグラフにありましたように、おっしゃるように家庭内とか、職場とか、増えています。
そして、その元を辿るとどこで感染したか? ということの履歴をとってみると、先ほど申し上げた感染研のデータもそうなのですけれども、過去にどういうリスクのある行動をとったのかを見てみると、飲食を行っていた、大人数で行っていた、こうしたケースが出てきていますし、『感染経路不明』の中で、こうやって見てみますと、色々ヒアリングをしてみると、県外への往来と同時に、繁華街、あるいは会食ということで、『夜の街』という表現はあれですけれども、まあ、接待を伴う飲食店だと思いますが、こういったところでの感染が見られるということであります。
それから、私どもが分析を進めてきている中で、夜間の人流と感染者の数には高い相関関係があります。
まあ、昼間も一定程度あるのですが、でもやはり、夜の人流を減らさないと感染は減らないと。それは、繰り返しになりますが、夜、店が開いていると、人が出る。そして、人が出てくると、閉じていた店との不公平感がどうしても出ますので、開けてると、お客さんが入って、『なんで俺たちルール守って、やってるのに、開けてる店にあんなに人が集まるんだ』ということの不公平感がある。
これをなんとしても解消しなければいけないと思うのですが、そうした中で、これまで閉めていた店も開けるようになったりですね、そういったことも見られる中で、夜間の人口がやはり減らない。
このことが感染を減らせないひとつの要因だと分析…様々なデータをお示ししながら、飲食店の皆さんには申し訳ないのですけれども、この時期、何とか感染を抑えてですね、ワクチン接種が進めば、かなり明るい光も見えてきますので、8月末を目指してですね、私どもも全力をあげて取り組んでいきますので、ご協力をお願いしたいと思います。
また、あの、早期支給のしくみを、7月19日から、各県で取組が進んでいます。
東京でもかなりの件数があったのに対して、7割・8割と支給を進めていると聞いていますし、大阪や他の地域でも、かなりのスピードで支給を始めて、協力金の支給を始めていますので、ぜひご協力いただいてですね、協力金をできるだけ早く、お手元にお届けをする。それで、家賃や、様々な費用を賄っていただきながら、従業員の方々を休ませる場合には、シフト減も含めて、一月33万円まで、雇用調整助成金は全額国が支援できますので、活用していただいて、ぜひご協力いただければと思います」
西村大臣からの報告、ならびに各社記者と西村大臣の質疑応答の一部始終については、全編動画にてご確認下さい。