政府は2021年6月17日、緊急事態宣言を6月20日に9都道府県で解除すると決定した。
しかし17日に国会で行われた、西村康稔新型コロナ担当大臣による宣言解除の説明に対して、立憲民主党の吉川元議員が「前回宣言解除時より新規感染者が30%以上増加した東京をなぜ解除するのか?」と質問しても、西村大臣は解除と判断する根拠を明確に答えられなかった。
さらに、日本共産党の倉林明子参議院議員が「再度緊急事態宣言になっても五輪を開催するのか?」と質問すると、西村大臣は「IOCが判断する」と、主権国家とは思えない判断放棄の回答を行った。
菅総理が6月7日に国会で断言していた「国民の命と健康を守れなければ五輪開催しない」という言葉との齟齬もはなはだしい。本来ならば、内閣不一致で総辞職すべきところである。菅政権は、「主権国家」の政権として機能していない。
その菅総理は、サミットで各国首脳が東京五輪を支持したと訴えて、五輪を強行しようとしている。しかし33ページあるサミットの共同宣言の中で、五輪への言及はわずか2行。岩上安身が総理会見で追及した、中国を念頭に置く「自由主義国の結束」という「成果」同様の、針小棒大の誇張とのそしりをまぬがれないだろう。