2021年5月27日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で、全国医師ユニオン代表の、植山直人医師が「危険な東京オリンピックを中止させるため国際社会が動く時」と題して、記者会見を行った。
全国医師ユニオンは、2009年に結成された日本で唯一の全国的な勤務医の個人加盟制労働組合。
代表で医師の植山直人氏は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長がコロナウイルスとの戦いを戦争に例えたことに触れ、イスラエルとパレスチナの戦争は「世界の国々はこれを止めるために立ち上がり休戦協定まで持っていった。しかし、コロナの感染は放置されている」と述べた。その上で植山氏は「東京オリンピックで新たなパンデミックが起きた時の被害は、通常の戦争の被害をはるかに超える」「独裁者のようにふるまう人が、オリンピックを開催するために人々の犠牲を求めるというのであれば、ウイルスと人との戦いが、人間と人間の闘いに変化してしまうことになる」と警告した。
さらに植山氏は「IOCはオリンピックを開催する権限は自分たちにあるとしているが、このような(コロナウイルスの)感染が拡大している時期に、コロナ感染に関して何の責任も持っていないIOCがこれを決定する権限はない」と述べ「IOCは選手と日本国民、世界の人々にリスクを求めていると認識すべきだ」と批判した。
植山氏は「人間と人間の闘いであれば、国際社会は力を発揮することができる」「世界の人々の力で今、止める時が来た」と呼びかけた。