安全性の責任を負うのは、規制庁ではなく政府である 〜福島第一原発事故の危険性を指摘する声を無視した安倍総理の「前科」 <IWJの視点:佐々木隼也の斥候の眼> 2013.6.19
2013年6月19日、原子力規制委員会は原発の廃炉と再稼働を選別する、「新規制基準」を正式に決定した。安倍総理は、日本時間19日午前に北アイルランドで行われた記者会見で、再稼働について「安全性については、規制委員会の専門的な判断に委ねる。規制委が新基準に適合すると認めた場合、その判断を尊重し、再稼働を進めていく」と語った。
違和感を感じるのは、安倍総理の「安全性の判断を規制委に『委ねる』」という言葉だ。「委ねる」とは、まるで安全性の判断について「規制委にもその責任がある」と錯覚してしまいかねない。想像を絶するリスクを伴う、原発再稼働の「責任の所在」を曖昧にしようとしているのではないか? という疑念が浮かぶ。