岩上安身によるJOGMEC調査部長・原田大輔氏インタビュー第2弾の【3】では、「中間選挙を前にディーゼル価格を下げたいトランプ大統領は、中国に輸出増を求め、同盟国に備蓄を放出させ、ロシア産ディーゼル燃料にすがる」と題して、原田氏に話をうかがった。
イラン戦争と、ウクライナ軍によるロシアの製油所攻撃により、世界のディーゼル油(軽油)輸出量は、前年比10%減少している。
トランプ大統領は、9月の米中首脳会談で、習近平主席に、ディーゼル油、ガソリン、ジェット燃料などの精製石油製品の増産を要請した。
米国の製油所の稼働率が約97%であるのに対し、世界最大の精製能力を有する中国の製油所は、75%と余力がある。
しかし、中国の石油精製各社は、国内の在庫確保のため、10月の燃料輸出を一時停止した。
これに対して米エネルギー省のクリス・ライト長官は、「世界は中東および中国からのディーゼル輸出を失った」と発表し、欧州諸国に備蓄の放出を求めた。
この一連の流れについて、原田氏は「原油とディーゼル(軽油)は、別に考えるべき」だと指摘し、以下のように解説した。
「アメリカ自体は、ディーゼルを日量300万バレルくらい使っていますが、自分の国で使う分は足りています。
問題は、このディーゼルの海上輸送には、特別な船が必要だということです。これは、既存のものしかありません。
例えば、あるところから、不足しているあるところに輸送するというのは難しくて、それによって価格が下がるわけでもありません。
アメリカの価格が上がっているなら、アメリカがどんどん出すべき。製油所の97%も使っているとはいえ、出すことができるはずなんです。
トランプ大統領が言っているのは、『価格を下げるには、世界での不足を解消しないといけない』ということです。
『世界での不足』といった場合には、中国も入っています。中国は、原油がイランから輸入できなくなったので、国内での消費のために、国内の在庫を吐いてきたわけです。原油が足りない中から作っているので、海外に輸出するのではなくて、国内供給を優先している。
でもこれは、トランプ大統領に頼まれたことだと、私は思います。『輸出しろ』ではなくて、世界全体の供給量を増やすという意味では、中国はそれをやっているということです。
問題は、稼働率75%を100%に上げたのかどうか、だと思います。でも、中国が稼働率を上げたからといって、すぐに誰かが買ってくれるわけではないわけです。
例えば原油を沸かした場合、ナフサが24%、軽油が15%くらい出てくるんですけど、そうするとナフサも出てきちゃうわけですから、軽油だけが使いたい人に渡るわけではない、ということなんです」。
原田氏は、「原油であれば輸送が簡単ですが、ディーゼルとかナフサは、それ専用のタンカーが必要なので、増産しても流動性が高まるわけではない」とする一方、「ウクライナがロシアの製油所を攻撃すれば、ロシアで足りなくなった分をインドや韓国から輸入しなくてはならなくなるため、世界のどこかで足りなくなって、その情報自体が、アメリカの軽油価格を上げてしまう。だから、ウクライナに『攻撃するな』と言っているのはよくわかる」と強調した。
トランプ大統領は、米国内で、農業機械用の免税燃料を、一般のトラックなどにも使える緊急優遇税制措置の大統領令に署名した。
しかし原田氏は、「補助金の対象を変えているだけで、軽油の量は増えていない」と指摘し、「一部の需要家には利益が還元され、得票にはつながるだろうけど、軽油価格が下がることには結びついていない。供給量を増やすためには、イラン戦争、ウクライナ戦争を止めないといけない」と断言した。
【3】のメンバー限定版では、G7によるロシアへの経済制裁の真の狙いが、ロシアからの石油輸出を止めることではなく、安く買い叩かせることだったと、原田氏が次のように解説している。
「G7でロシアへの経済制裁を決定し、石油禁輸、石油価格上限設定を行なって、中国とインドとトルコにロシアの原油を買い叩かせる、という設計だったわけです。
なぜかというと、これをやらないと、もしロシアが禁輸してしまったら、世界から12%の原油がなくなるわけです。12%の原油というのは、ホルムズ海峡が止まるぐらいのインパクトがあります。
だから、(ロシアから石油を)出させないのではなく、買い叩かせようということをやったわけです」。
しかし、原田氏によると、「バイデン前大統領からトランプ大統領に代わって、今年の6月には、ロシアからの原油の輸出量が、ソ連時代を含めて最高を記録した」とのこと。そのため、経済制裁の効果が出ないことに業を煮やしたウクライナが、ロシアの石油施設や原油タンカーを攻撃している、というのである。
【3】の会員向け完全版では、上記のメンバー限定版の内容に加え、トランプ大統領が、ロシアの石油施設を攻撃するゼレンスキー氏に対し、辞任と新たな大統領選挙を求めている、という事実を、岩上安身が解説した。
19時より公開します。今しばらくお待ちください。
■【3】エッセンス版
【3】のメンバー限定動画は、以下のURLで御覧いただけます! こちらの内容は、ハイライト版には収められていないので、Movie IWJのメンバーとなって、詳しいお話をお聞きになってください!
【メンバー限定・3】中国が精製石油製品を増産しても下がらない軽油価格! 供給不足解消には、イラン戦争とウクライナ戦争の終結が不可欠! 岩上安身によるJOGMEC調査部長・原田大輔氏インタビュー第2弾
https://youtu.be/skw59sYc8m8


































