【IWJ号外】シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の「続報」を公開! ロシアとドイツの天然ガスパイプライン建設への米国の妨害の始まりはあのケネディ政権にあった! <前編> 2023.3.17

記事公開日:2023.3.17 テキスト
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 IWJ代表の岩上安身です。

 本日は、主要メディアが報じない、シーモア・ハーシュ氏による重要な記事をご紹介します。

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 米国のバイデン政権によるノルドストリーム爆破を暴露したシーモア・ハーシュ氏が、3月15日、自身のホームページで、このノルドストリーム爆破事件に関連する「続報」として、新しい記事を公開しました。

 記事のタイトルは「あなたのジョージ・ボールは誰ですか」です。

 このタイトルになっているジョージ・ボール(George Ball、1909-1994)氏は、米国の外交官、弁護士で、1961年から1966年まで国務次官を務めました。ボール氏は、ベトナム戦争のエスカレーションに反対した唯一の主要な反対派として記憶されています。

 記事の副題は「すべての大統領には反対意見が必要だが、ジョー・バイデンにはそれがあるのだろうか?」となっており、ケネディ政権のときにはベトナム戦争に反対したジョージ・ボールが国務次官にいたが、ウクライナ戦争にのめり込むジョー・バイデン政権の「ジョージ・ボール」に値する人物は誰なのか、そんな人物はあなたの政権にいるのか!? とシーモア・ハーシュは、バイデン大統領自身に問いかけているのです。

 これは、上院公聴会で「ノルドストリーム2が海の底の金属の塊になって嬉しい」と他国の惨事を喜んだビクトリア・ヌーランド国務次官とジョージ・ボール国務次官を対照させているのは間違いありません。

 IWJは、ハーシュ氏の全テクストのうち公開された最初の3段落を全訳し、残りの有料部分は、論旨を抄訳する形で、ご紹介します。

 今回は、その前編です。

 以下は、公開されている無料部分の仮訳です。ご興味を持たれた方はぜひ、ハーシュ氏のサイトへ飛んで、有料記事をご購読ください。

  • Seymour Hersh(シーモア・ハーシュ氏のホームページ)

 「あなたのジョージ・ボールは誰ですか?」

 すべての大統領には反対意見が必要だが、ジョー・バイデンにはそれがあるのだろうか?

 これは、ダニエル・エルズバーグ(※)と同じように、戦争のさなかに正しいことを正しいタイミングで行ったもう一人のアメリカ人の記録である。

(※)ダニエル・エルズバーグ(Daniel Ellsberg)は、1971年、自身も執筆に関わった国防総省秘密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露した。ライト・ライブリフッド賞を受賞。

 しかし、エルズバーグの場合とは異なり、彼の勇気ある行動は新聞の見出しになることはなく、それで苦しむこともなかった。彼の名は、ジョージ・W・ボール。中西部の弁護士である。1960年の大統領選挙でジョン・F・ケネディを政治的に支持したわけでも、第二次世界大戦で勇敢に従軍したわけでも、その暴力に耐えたわけでもない。

 しかし、戦後の米国の欧州再建に重要な役割を果たした彼は、1961年早々、ケネディ政権の国務次官に任命された。彼の主な仕事は、国際的な経済・農業問題に対処することだった。

 ボールは、終戦間際にロンドンで米国の戦後爆撃調査(the American postwar bombing survey)を指揮したことがある。彼は、この調査が示したように、ドイツの都市への昼間の激しい爆撃が、想定されていたような士気の低下ではなく、ナチス政権に対する市民の支持を高め、おそらく戦争の期間を延長させたことを理解していた。

 ボールはその後、ケネディ政権の高官の中で唯一、将軍たちが推奨したベトナム戦争に米国兵を投入することの危険性を大統領に直接警告した人物となる。

 『ニューヨーク・タイムズ』のためにベトナム戦争を取材したA.J.ラングース(※)は、2000年に出版された『我々のベトナム: 1954年から1975年までの戦争』の中で、1961年末にボールが大統領に警告した内容を紹介している。

(※)A.J.ラングース(Arthur John Langguth、1933-2014)は、米国の作家、ジャーナリスト、教育者。南カリフォルニア大学でジャーナリズムを講じた。

 『このままでは、5年以内に30万人の兵士がベトナムのジャングルの中の水田に入り込んでしまい、彼らを見つけることができなくなるかもしれません』

 1982年の回顧録で、ボールはケネディの苛立った反応を回想している。

 『ジョージ、おまえ、アタマ大丈夫か。そんなことはあり得ない』

 オフィスに戻って、ボールは補佐官に言った。『我々はわけも分からず混乱に突進している。どうにもこうにもならないよ。他のみんなが狂っているか、私が狂っているか、どちらかだ』」

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