「ウクライナと同じで戦場になってガチャガチャになるのは日本だけ」~12.15 岩上安身によるインタビュー第1107回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー 2022.12.15

記事公開日:2022.12.18取材地: テキスト動画独自
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・IWJ編集部)

特集 安倍銃撃事件~国葬まで|特集 ロシア、ウクライナ侵攻!!
※全編映像は会員登録すると、サポート会員の方は無期限で、一般会員の方は記事公開後の2ヶ月間、23/2/20まで全編コンテンツが御覧いただけます。
ご登録はこちらから

 12月15日午後6時半過ぎから、「コロナ禍も明けぬ中、2月にはウクライナ紛争が勃発! 7月には安倍元総理銃撃事件を発端に統一教会問題が再燃! 統一教会と北朝鮮のミサイルが結びつく! 激動の2022年を振り返る!」と題して、岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビューを生配信した。

 2021年10月末、ウクライナ政府軍が東部ドンバス地域で、トルコ製造ドローン、バイラクタルTB2を用いて、東部の分離独立派軍を攻撃し始めた頃から、急速にウクライナ情勢が緊迫しはじめ、2022年2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻するに至った。

 孫崎氏は「発火」までの経緯について、以下のように述べた。

孫崎氏「これは、大手メディアも報道しなかったから、わからないわけですよね。私はたまたま、ウクライナが使うドローンとロシアが使うドローンの比較を『ワシントン・ポスト』かどこかが書いていたのを読んだんですね。

 『ワシントン・ポスト』が次のようなことを言ったわけです。『去年(2021年)の11月、ウクライナはトルコ製のドローンでもって東部を攻撃し始めた』と。

 だからこれは、今言われているように、民兵的な人たちが攻撃するのではなくて、ウクライナ政府がウクライナの正式な(軍隊)が、ドローンというものを使って攻撃をした。これがプーチンを戦争に追い込んでいった一因であるとみられると。こう、『ワシントン・ポスト』が書いたんですよね。

 こういう言い方は、今までなかったんですよね。だから、日本の多くの人は、何もないところにロシアがいきなり武力を使って侵攻した。これを許したら、武力を使うことを容認することになる、ということで、『プーチンを攻撃しなきゃいけない』という感じなんだけども。

 実はその前哨戦に、ウクライナの東部を巡って(ウクライナ政府)軍と(東部分離独立派)軍の戦いがあって、ウクライナ政府が武力を使って攻撃をしていたと。

 それを今、しらっと『ワシントン・ポスト』が書き始めてるから、何が起こっていたのかということを、少しでも見ていただきたいと思います」

 岩上は、ウクライナ人のロシア語話者=ロシア系住民がウクライナ東部に多数住んでいるという状況について、解説した。

岩上「ウクライナ共和国というものがあって、その一角にロシア人が多いわけです。ロシア系住民、ロシア語話者が多い。

 なぜなら、当たり前ですけど、(今のロシアとウクライナの国境は)『県境』でしかなかったので。ソ連、あるいはその前のロシア帝国では。西側に行けばウクライナ語話者が多い、ロシアとの県境に近い東部に行けば、ロシア語話者が多いというのは当たり前だったわけですけど、フルシチョフの時代に線引きを変えたわけですよね。

 そして(線引きを)変えたまま、1991年、大混乱の中でウクライナ独立が行われ、ソ連が崩壊すると。だから、(ロシア語話者がウクライナ国内に)取り残されたわけです。ソルジェニーツィンは、『3000万人ものロシア人が、ソ連解体によって、ロシアの外に取り残されて、非常に苦しい思いをしている』ということを、すごく嘆いていた。その本(『廃墟のなかのロシア』、『甦れ我が祖国よ』)は当時読みました。

 いってみれば『人質状態』にいながら、いじめられる対象になる。想像がつかないくらいですが、ロシア語の禁止とか、同じウクライナ国民として払っていた年金の支給をストップされるとか、ありえないような人権侵害を、ウクライナ共和国が行っていた。

 それがさらに激化して、路上の暴力、ネオナチの暴力だけじゃなくて、(政府)軍が攻撃する、空爆をする。それを8年間も行ってきたわけですよね。

 それを一切、西側のメディア、西側の国々とか日本含めて、それを咎めることなく、これは民族浄化じゃないかということもなく、追い詰めて追い詰めて追い詰めて、ロシア側が住民保護のために出てきたと言って、今戦争になっているという、この前史ですよね」

 孫崎氏は、「ウクライナ国民は残念ながら長い間、他の国民の支配下にあった」、ずっと、ソ連邦、ロシア帝国の支配下でウクライナ人は生きてきたと指摘した。

孫崎氏「(ウクライナの)文化人はどうしていたかというと、ロシア語を使って発信していたんです。ウクライナ文化というのは形式的にはロシア語を使って発信をしていたんだけども、(1991年のソ連解体で)『脱ソ連』ということから、ウクライナの文化人がロシア語で発信することがアウトになったんです」

岩上「信じられないことにね」

孫崎氏「どういうことかというと、自分たちの歴史、文化、全部否定してるんですよ。じゃあ、そこに何が入ってきたかって言うとゼレンスキーみたいなアメリカ・ハリウッドが入ってきているんです。

 『ウクライナ人を可哀想だから擁護しなきゃいけない』と言ってるんだけれども、文化的に見ると、かつてウクライナ文化はロシア語を使ってきた。それを今、全否定している。『(ウクライナが)かわいそうな国』とよく言うけれども、ウクライナ政府は大変な事をやってきているんですよ」

岩上「ロシア文学も、ロシア音楽の演奏も、ロシア演劇も全部否定する。一切(教科書に)載せてはいけない、教育も受けてはいけない。しかし、残念なことに、キエフ公国は古都でしかなくて、その後、『タタールのくびき』もあれば、リトアニア公国の下に入れられたこともあれば、ポーランドの支配下にあったこともあれば、先生のおっしゃる通り。

 スラブ人の多くが他民族に支配された中で、モスクワから出てきたモスクワ公国が首を出して、スラブの民族の3つのグループの中の1グループ、いわゆるロシア人とウクライナ人とベラルーシ人のグループをまとめて、国を作り直したわけですよね。

 国を作り直す中で、ウクライナが中心的な役割を果たしたわけではなく、ウクライナという国はずっと途絶していた。初めて国を持った30年間で、一挙に『脱ロシア』、一挙に『脱亜入欧(脱露入欧)』みたいなこと、欧州人になるんだと。

 でもそれは無茶苦茶な話で。挙句、そこを利用されて、ウクライナの民族主義者と、アメリカの戦略と、ネオナチにもみくちゃにされながら、こんな事態に至ってしまった、というのが現実ですよね」

 2021年の12月から2022年の1月にかけて、ロシアが求める「NATOの東方不拡大の法的保証」と「ウクライナ・東欧に対露用の米核兵器を配備しないこと」をめぐって、米国とロシアの間で、トップ会談が続きました。しかし、結局、米国がロシアの要求を受け入れることはなかった。

 孫崎氏は、2月28日に、現在の状況を正確に予言するかのようなツイートをしている。

 「ウクライナ。現在戦闘は東部、首都キエフ周辺。NATO、ドイツ、スエーデンなどが武器供与を表明。ウクライナのどの地域に運ばれるか。戦闘地域にはすぐはいかない。当然現在さして戦闘のない西部。新たにロシア軍の攻撃。EU等の政策は戦争終結ではなくて拡大に向けての政策となる」

  • 孫崎 享@magosaki_ukeru(ツイッター、午後8:20 – 2022年2月28日)

https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/1498256675257876480

 孫崎氏は、この予告の背景を語った。

■ハイライト

■切り抜き動画(ショートバージョン)

■ご寄付・カンパのお願い

  • 日時 2022年12月15日(木) 18:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

(…サポート会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

サポート会員 新規会員登録単品購入 550円 (会員以外)単品購入 55円 (一般会員) (一般会員の方は、ページ内「単品購入 55円」をもう一度クリック)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です