【1】米国一極支配が終わり、世界は多極化へ! まともな中国専門家がいない日本は、多方面にヘッジをかける世界に逆行している! 岩上安身によるインタビュー第1233回ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2026.9.3

記事公開日:2026.9.11取材地: テキスト動画独自
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(文:IWJ編集部)

特集 元外務省情報局長 孫崎享氏
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※26/9/13 テキスト追加

 岩上安身は9月3日、元外務省国際情報局長で、元イラン大使の孫崎享氏に、「米国一極支配の終焉 国際法無視のトランプ2.0 イラン戦争で世界の支持は中国へ 日本はどうするのか!?」と題してインタビューを行った。

 孫崎氏は、米国一極支配の終焉と、多極化時代の秩序について、以下のような見方を示した。

 「広い歴史観を持つと、経済の営みが非常に大きなウェイトを占めていると思います。(中略)

 19世紀から、イギリス、フランス、ドイツが、植民地支配によって勢力を拡大していく一方、アメリカは国内産業技術の革新によって、GDPが優勢になった。

 つまり、ジオポリティーク(地政学)的に勢力を伸ばすことは、国力の発展には実は貢献せず、むしろ自国の中で産業をしっかり組み立てていった国の方が、成功した。

 ということは、技術革新をどれくらい推進できるか? そこで、社会体制が大きく変わるし、勢力均衡も変わってくる。

 これが、長い歴史の中での、大きな流れだと思うんです。

 今、起こっている現象というのは、アメリカはまさに、かつてのイギリスとかヨーロッパのように、勢力の拡大をはかっている。

 今、国内に一番力を入れているのが、中国だと思うんです。中国の技術力というのが、猛烈な勢いでアメリカを抜き始めた。

 ですから、これからは中国がひとつの軸になるということは明確です。一方、アメリカも完全に衰退しているわけではないから、アメリカと中国というもの(二極)がある。

 その他の国々を見ると、購買力平価GDPは、アメリカを中心としたG7諸国の合計よりも、BRICS諸国の合計の方が大きくなったんです。だから、BRICSが力を持ってくることは、間違いない。

 かつ、ヨーロッパの力というものも、なくなってきている。こういう状況で、世界の中心がどこにくるかというのは、今、混沌としてきている。

 米国一強の一極支配が続くという考えが壊されたのが、今度のイラン戦争です。イラン戦争で、アメリカは軍事力でイランを制圧できなかった。軍事力で解決ができないということを、世界中に示してしまった。

 軍事力によるアメリカの一極支配というのは、確実になくなる。そして、産業技術革新というものが、中国に今、確実に起こっているから、中国が一つの軸になることは間違いない。そして、中国と極めて密接な連携をしているのがASEAN諸国ですから、ここも伸びていくことは確かであろう、という形で、非常に大きな変化が起こっているわけです。

 今、極というものがないような状況で、世界はアメリカを中心として動く時代ではないということは、世界中の共通認識になっている。

 じゃあ、新しい秩序が何なのか、これはわからない。まだ明確なものが出てこないんだけど、少なくとも、アメリカ1国で外交をやるという時代は、終わった。

 そして、新しい動きは、あらゆるところにヘッジをかけていくということ。どこが中心になるかわからないけれども、いろんな力のあるものと連携を取っていくことによって、新しい世界に対応しようという感じに、今、なってきたんじゃないかと思います」。

 孫崎氏は、「安全保障というポイントだけではなく、経済力で世界の地図がどう変わっているのか、特に技術革新がどう変わっているのか、ここを注視していく必要がある」との考えを強調した。

 さらに孫崎氏は、「世界中が、日本と逆の方向に行き始めた」と述べ、以下のように続けた。

 「バイデン政権の時に、世界の主要国30ヶ国で、『中国とアメリカとどちらに好意を持ちますか』という質問をすると、アメリカがいいというのが35%ぐらいで、中国がいいというのは20%ぐらいだったわけです。

 それが、トランプ時代になって逆転して、中国の方がいいと言う方が増えてきた。

 世界中で、中国の経済発展というものに対して目を向けてない、逆のことを言っているのは、日本だけでしょう。

 それくらい、日本は歪んでいる。

 結局、中国がしっかりしているということを述べる中国の専門家がいない。本来は、専門家はそれぞれの国について、客観的なことを言うことが期待されているんだけれども、それをやったら袋叩きにあう。

 ウクライナ戦争の時に、客観的なことを言うロシア専門家というのは、つるし上げになるから、誰もいなくなった。

 それと同じように、今、中国の専門家で、例えば経済とか社会問題とかに関して、『こういうように、良くなっているところがある』ということを言える専門家がいない。

 これは、ものすごく深刻なんですよ」。

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  • 日時 2026年9月3日(木)15:00~17:00
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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