2025年4月24日午後5時45分より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会(「自衛隊を活かす会」)」の主催によるシンポジウム、「4.24 円卓会議『日米地位協定の改定を超党派で』」が開催された。
「自衛隊を活かす会」代表で呼びかけ人の柳沢協二氏(元内閣官房副長官補)、同じく、呼びかけ人の伊勢崎賢治氏(東京外国語大学名誉教授)、加藤朗氏(桜美林大学教授)が登壇し、れいわ新選組、立憲民主党、参政党、そして会派「沖縄の風」から参加した国会議員との意見交換なども行われた。
また、沖縄県知事公室基地対策統括官の又吉信氏が、沖縄県が独自に行っている海外調査「他国地位協定調査」についての報告も行った。
- 他国地位協定調査報告書(沖縄県、2025年3月)
柳澤氏は、会議冒頭の挨拶の中で、米国と日本の関係、そして、日米地位協定のあり方について、次のように自身の見解を述べた。
柳澤氏「第2次大戦後の国際連合をはじめとして、そして、アメリカが全世界に米軍を配置した同盟ネットワーク、そして、経済支援をして自由貿易を支えてきた、そういう戦後の国際システムが、そもそも制度疲労を起こしているんじゃないか。
だから、これを変えなきゃいけない、というのが、トランプさんの、ご本人そうは言いませんけれども、論理的に言うと、そういう問題意識なんだと思うんです。
であるとすれば、地位協定だって、実は制度疲労しているんじゃないか。
それはもう、その地位協定の『本則』と違う、経費負担の特別協定を、もう15年以上続けている現実があるわけですね。これは何とかしなければいけない、という問題提起をしていくことは、当然できるんじゃないか?
そもそも『経常経費米側負担』となっているのは、『地位協定3条』で、『アメリカによる施設の排他的な支配権』が事実上認められていることと裏腹であるはずなので、日本側が地位協定上負担するということになれば、地位協定のそういう条文も中身を見直していかなきゃいけないよね、という問題提起ができるはずだと、私は思っています。
で、それに対して、『そんなこと言うなら、日本から出ていってやる』と、仮に、『米軍を引き上げちゃうぞ』ということをおっしゃるのであれば、それは『いやそうですか。残念ですけど、そうしたいならどうぞ』と。
なぜなら、それは、日本の基地というのは、アメリカにとって必要不可欠。日本が『守ってください。いてください』という面ばかりが強調されているんですが、そうではなくて、実は、(米本土と極東の日本との間の)太平洋の広大な距離を隔てているということは、軍事的にも、ものすごく大変なことで、それを日本の基地があることによって、太平洋という『距離の障害』を、アメリカは克服することができているわけですね。
そして、横須賀の基地では、恐らくアメリカ国外で唯一、空母の修理ができるという施設もあるわけですから、これを手放すなんていうのは、本当にあり得ないことなんですね。
そういうことを、もう自信を持って、我々はアメリカにも言っていかなければいけないだろう。
だから、『地位協定を見直せというなら、米軍を撤退させる』ということに対して、『ああ、どうぞ、そうしてください』というぐらいの、その、『政治の胆力』というのか、そういうものが、ぜひ必要であって、ただこれは私も官僚でしたけれども、官僚には申し訳ないけど、できないことなんですね。
まさに、これこそは、政治でなければできないことであるし、私が、政治家の皆さんに一番期待していることでもあるわけであります」
会議内容の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。