安保法案に反対する学生組織「SEALDs(シールズ)」と「学者の会」が新宿の伊勢丹前で共闘デモを行った2015年9月6日の日曜日、渋谷では、保守・民族系の勢力も安保法案に反対する抗議行動を繰り広げた。
日本は対米従属から決別し、れっきとした「軍隊」を持つべきと主張する彼らは、安倍晋三総理を「売国奴」となじる。集団的自衛権の行使を可能にする安保法案の成立を、国会ではなく米国で言明した姿勢がそれを象徴していると指摘し、さらに沖縄の名護市辺野古への米軍新基地建設についても、日本からの「新たな差し出し」だとして批判を展開した。
主催者側はデモ開始前に、「今日は保守とリベラルの立場の違いを乗り越えて共闘する」と強調し、安保法案反対では、護憲派と改憲派が手を組むのが得策、との考えを表明した。
一水会代表の木村三浩氏は、「日本の『真の自立』に向けて声を上げよう」と参加者に呼びかけた。この安保法案が通れば、自衛隊は米軍の下請けになると危惧し、「日本を米国に売り渡すな」と怒りを表明した。
この抗議行動で特徴的だったのは、安倍総理の私邸がある、閑静な高級住宅街の渋谷区富ヶ谷1丁目を目指してデモ行進をしたことだ。参加人数は主催者発表で40人と多くはなかったが、若者の姿が目立った。富ヶ谷1丁目にさしかかった地点で沸点に達した「安倍はやめろ」のコールからは、SEALDsのそれとは一風違う迫力も漂った。
右と左が「安倍政治」指弾で一致
午前11時、曇り空の下の渋谷・宮下公園。デモ行進に先立ち、主催者側の山口祐二郎氏(全日本憂国者連合会議)がマイクを握った。「今日はこれから、新たな安保法制と辺野古への米軍新基地建設の2つに反対する行動を行う」と宣言。「対米自立」「(日本)民族自決」がモットーの自分たちの活動にとって、安倍総理の政治は看過できないものとし、こう言い重ねた。
「安倍首相は、表向きでは『戦後レジームからの脱却』を唱えているが、彼が狙っているのは、『(対米従属が鮮明な)戦後体制の完成』でしかない」
続いて高橋直輝氏(憂国心魂塾)が、「安保法案という名の、売国法案の成立阻止に向け、今は右翼も左翼も『デモ』という手段を使って、精いっぱいがんばるだけだ」と力説。これに芝田晴彦氏(鉄槌塾)が、「ここに集まった人の中には、護憲派もいれば、改憲派もいるはずだが、今日はそういった立場の違いを乗り越えて共闘する」と言葉を添えた。
最後に一水会代表の木村三浩氏が、「今日は、日本の『真の自立』に向け、安倍首相に向かって声を張り上げよう」と参加者らを鼓舞。「安保法案が通れば、自衛隊は米軍の下請けになる。『日本を米国に売り渡すな』と声を大にしたい」と訴えた。
また、木村氏は、この安保法制はリチャード・アーミテージ氏やジョセフ・ナイ氏のレポートに基づき、結論ありきでやっていることだとし、「この時代の転換点にどういう行動をしたか、国民ひとり一人が問われている」と力を込めた。
戦後体制の脱却とは、日米地位協定がなくなること
保守とリベラルが共闘! 安保法案反対で安倍首相私邸へ抗議デモ「安倍晋三は恥を知れ!」~一水会・木村三浩氏「自衛隊を米軍の下請けにするな」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/261741 … @iwakamiyasumi
戦争法案にに右も左もない。国を愛するとは反安倍なのだ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/640815023892271104