米国から訓練・支援を受けていた「ウクロナチ」勢力が、暴力革命によって成立させた親米欧政権は、何をしたか? ウクライナ人がウクライナ人をジェノサイドし続けた8年間の記録を振り返る! 岩上安身によるインタビュー第1178回ゲスト 黒龍會・アジア新聞社会長 田中健之氏(その1)

記事公開日:2025.1.14取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

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 2025年1月14日、岩上安身による黒龍會・アジア新聞社会長 田中健之(たなか たけゆき)氏インタビュー(その1)を撮りおろし初配信した。

 田中氏は、2024年10月に、『天使の並木道~ウクライナ人がウクライナ人をジェノサイドし続けた8年間の記録 2014~2022』(ヒカルランド)を編集・上梓した。

 同書は、ウクライナでユーロマイダン・クーデターによって親欧米政権ができた2014年から、ロシアによるウクライナへの軍事介入(プーチン大統領の「特別軍事作戦」)までの間に、ウクライナ東部のドンバス地方で、ウクライナ民族主義者(ネオナチ)やウクライナ軍によって、同じウクライナ国民であるロシア語話者に対して行われてきた、差別、虐待、ジェノサイドを記録した、ジャーナリストによる膨大な量の写真を中心に構成されている。

 ここに掲載された写真は、米国でも、欧州でも、西側のどこでも見ることができない。田中氏は、「印刷所にも、出版社にも、『ロシアの宣伝はしたくない』『政治がらみで攻撃されるのは怖い』と、5、6社から拒否され、自社で作るのを断念して、このヒカルランドというところにお願いして、なんとか出した。その代わり、私は印税も何もいらないと。その会社にマイナスを出させないような形でお願いした」と、出版までの裏話を明らかにした。

 著書のタイトルにもなっている「ウクライナ人がウクライナ人をジェノサイドし続けた」という点について、田中氏は次のように述べた。

 「とにかく、(ウクライナ)政府に逆らう者は、全部ロシア人とレッテルを貼られる。

 ジェノサイドをしたウクライナ人達は、(自分達を)『ウクライナ人』と言ってるんだけども、実は本来のウクライナ人ではない。ポーランド系とか、オーストリア・ハンガリー系とか、西側の人達だから。

 だから、そういう人達が、いわゆるネオナチなので、彼達が、『自分達はウクライナ人だ』と自称して、それで本当のウクライナ人を殺していった」。

 さらに「ロシア人とウクライナ人の差は、ほとんどない」という田中氏は、以下のように述べた。

 「東ロシア、極東地区ですね。ほとんどウクライナ人ですよ。ハバロフスク、ウラジオストック。ソ連時代は同じ国でしたから、ウクライナからどんどん、(辺境の地のため手当が出て)給料がいいから移民していったんですね。

 だから、今回の特別軍事作戦でも、ロシア軍として、ウクライナ人がウクライナと戦っている。自分達の国を、自分達で取り返すといって。

 彼らのアイデンティティーはロシアであって、お父さんとかお母さんなんかは、ウクライナに住んでいたりしているわけです。キエフとか、ハリコフとか。

 極東のロシア人の出身は、だいたい6割以上がウクライナ人です。純血のウクライナ人か、ロシア出身者が混じっているか。

 彼達は、ロシアが特別軍事作戦をやっていても、『私達の祖国に対して、侵略するな』なんて、言っていないんですよ。むしろ、『解放だ』と言って、参加してるんです」。

 また、2014年のユーロマイダン・クーデターで、親欧米側にネオナチが入りこみ、武装化してロシア語話者へのジェノサイドに発展していった経緯について、田中氏は次のように述べた。

 「私の本にも書いていますが、要するにユーロマイダン時に、警察は『発砲するな』と言われていたのに、実際は、人が撃たれて死んでいるんです。

 それは『右派セクター』というネオナチ、あとは『スヴォボーダ(極右政党)』とか、そういった組織がビルの中にいて、ユーロマイダンに参加する人を撃つんですよ。そして、『警察が撃った』というデマを流す。

 それから、武装化して激しくなった。

 私の本は、時系列を追って出ていますから、おとなしい運動から、だんだん、火をつけたり暴れたりする運動に変わってくる過程が出てきます」。

 さらに田中氏は、日本人が米国のプロパガンダによって、ロシアは暗い国、怖い国だと洗脳されていることについて、「(米国によって)非常に仕組まれたことだと、我々はしっかり見ていかなきゃいけない。だけど、誰も見ていない」と述べ、次のように続けた。

 「(日本人は隣国ロシアのことを)あまりにも知らなすぎる。

 これだけ近いにもかかわらず、日ロ関係が悪化して、日本の国益になるのか、ならないのか。

 私がこの本を出した一つの目的というのは、やはりロシアの真実を知ってほしい。(ウクライナ紛争による西側のプロパガンダで、日本中が)すべて(ロシアの)敵になった中で、ロシアといつか関係改善する時に、ロシアとの窓口になって話をきちっとできる者がいなければいけない。誰もいないから、あえて私がやっただけの話」。

 田中氏は、今の日本社会もマスコミも、間違っていることを、たった一人になっても「間違っている」と指摘するには、「それだけの勇気も、自信も、教養と学問も必要なんです。それが、今の日本に一番欠けていること。みんな目をつぶってきた」と強調した。

 『天使の並木道~ウクライナ人がウクライナ人をジェノサイドし続けた8年間の記録 2014~2022』には、「はじめに」として、田中氏による次のような一文が記されている。

 「日本をはじめとする西側のマスメディアは、プーチン大統領とロシアを意図的に悪玉に仕立て上げ、米国が暴力的にウクライナをロシアから引き離してきた事実と、極右-ウクロナチ(ウクライナのネオナチ)勢力を中核としたキエフ政権が、”反ユーロマイダン派”の人々および”ロシア系ウクライナ人”を虐殺し続けてきたという真実を隠蔽し続けている」。

 「(2014年から2022年の)この9年間、米欧をはじめ日本では、ドンバス地方の人々に関する話題はまったくなく、ドンバス地方の難民を、日本で受け入れるような行動も声も一切なかったばかりか、ウクライナ軍とウクロナチに構成された義勇軍、外国傭兵によって、容赦ない武力攻撃に曝され続けているドンバス地方の人々は、世界の中で棄民と化した」。

 このインタビューの続編となる、岩上安身による田中健之氏インタビュー(その2)、(その3)では、『天使の並木道~ウクライナ人がウクライナ人をジェノサイドし続けた8年間の記録 2014~2022』に掲載された象徴的な写真を取り上げ、それぞれのエピソードや、写真を撮影したジャーナリストについて、田中氏に詳しくうかがった。

■ハイライト(第1回~第3回共通)

  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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