2024年7月2日午後1時10分より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子外務大臣の定例記者会見が行われた。
冒頭、上川大臣から、「サブリー・スリランカ外務大臣の訪日」について、報告があった。
続いて、上川大臣と各社記者との質疑応答が行われた。
IWJ記者は、今後の政府の外交方針について、以下の通り質問した。
IWJ記者「外交方針について、うかがいます。
欧州ではEU議会選挙に続き、フランス議会、英国議会の総選挙が続いています。いずれも急進右派・急進左派勢力が台頭し、これまで米国、NATO、EUが主導してきたグローバリズムや新自由主義政策、EUやNATOの在り方に批判的で、自国の主権の回復や国民の生活を守ることを主張し、フランス右派の国民連合のように、ウクライナ紛争の継続やロシア敵視政策に反対して有権者の支持を得ています。
岸田政権の外交姿勢と正反対の主張が、欧州で次々と支持を得ていることについて、上川大臣はどのように見ていらっしゃるのでしょう?。
また、今後、G7も割れると思われますが、岸田政権は対米従属一本槍で突き進むおつもりでしょうか?
よろしくお願いします」
この質問に対して、上川大臣は次のように答えた。
上川大臣「我が国といたしましても、この6月初めの欧州議会選挙、そして、先般のフランスの国民議会選挙、さらに、英国議会選挙につきまして、それぞれ国ごとの状況、また結果とその影響、これにつきましては、注視しているところであります。
その上で、我が国といたしましては、法の支配にもとづく自由で開かれた国際秩序の維持、強化に向けた外交を展開していくことに変わりはございません。
引き続き、EUや、また、NATOを含めます欧州の同志国・パートナーと緊密に連携してまいりたいと考えております」
上川大臣の回答は、残念ながら、質問の趣旨を踏まえて、正面から答えていただいたとはいえないものだった。
例えば、フランスでロシア敵視をやめ、ウクライナ紛争停戦を求める国民連合が政権をとった場合、日本はどういう立場をとるのか、具体的に何も答えていない。
フランスの国政選挙は、7日の第2ラウンドの選挙では、答えが出る。日本の外交姿勢が問われることになるわけで、「スローガン」だけの回答では、国民に対する回答にならない。
他社の記者からは、「在沖縄米兵による事件」、そして「ミャンマーにおける邦人拘束」についての質問があった。
会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。