能登半島地震で原発の危険性や問題点が改めて浮き彫りにされた中、政府や原子力規制委員会等は、老朽原発を含む原発を稼働させ続けている。そこで生じる様々な疑問や危惧について、原子力規制庁と内閣府の担当者から直接回答を聞くヒアリングが、2024年2月21日、東京都千代田区の参議院議員会館で行われた。主催は再稼働阻止全国ネットワーク。
ヒアリングの前に「事前学習会」として、主催者側から「能登半島地震が教える原発の危険性」をテーマに、詳細な報告・解説が行われた。
ヒアリング(57:53~)は以下の4パートで構成され、あわせて24項目に上る質問が、事前に原子力規制庁、内閣府に送られていた。
ヒアリング 1 2024年能登半島地震の発生と受けとめ
ヒアリング 2 「新規制基準」は地震に甘すぎ(小さすぎる基準地震動、甘い活断層評価、海岸隆起対策が必要/東海第二防潮堤手抜き工事、使用済燃料輸送の危険性)
ヒアリング 3 使用済み核燃料プールの安全性を問う(電気と水の供給が切れると大事故を起こすプール、志賀原発で外部電源喪失)
ヒアリング 4 「原子力災害対策指針」の問題点(家屋倒壊が示す屋内退避不可能、道路寸断が示す避難は不可能/IAEA 深層防護第五層を達成すべき)
能登半島地震を踏まえたきわめて広範かつ突っ込んだ視点から、原発が抱える問題点が指摘され、それに対して政府と原子力規制委員会がどのように考えているのかについて、3時間に及ぶヒアリングが続けられた。
そうした中、「ヒアリング 4」(2:57:55~)で、特に問題となったのは、原子力災害よりも、地震・津波など自然災害への対応を、人命のために優先するという、原子力規制庁による方針の矛盾だった。
津波を避けるために吹きさらしの高台等に避難した時に、放射能が迫っても留まらざるを得ないのか?
地震で家が倒壊した時に、放射能を避けるために屋内退避しなければならなくなった人は、いったいどこに行けばいいのか?
そもそも、自然災害と原子力災害が同時に発生したり、原発事故発生後に地震が起きたらどうするのか?
主催者や参加者からのこうした疑問に対して、原子力規制庁と内閣府が回答。その回答に対して、反論や新たな疑問が生じ、次々に質疑が重ねられていった。
それらは結局、「原子力災害対策指針」とそれにもとづく自治体の「避難計画」の総点検・見直しの必要性を一層明らかにしていったように見えた。
詳しくは、全編動画を御覧いただきたい。