2022年9月2日、午前10時10分より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
冒頭、林大臣からの報告事項はなく、そのまま、各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は指名されなかった。
安倍晋三元総理の国葬について、他社の記者から以下のような質問があった。
「各国から政府の要人が訪日されることから、日本政府内では、重要な外交機会になるとの期待の声が上がっていますが、大臣も同様の認識でしょうか?『弔意外交』の意義についてのお考えをお聞かせください」
これに対し、林外務大臣は以下のとおり回答した。
「今後の日本外交、その礎(いしづえ)を築かれた安倍元総理の意思を継いで、国際社会の平和と繁栄、これは実現すべく、日米同盟の一層の強化、それからASEANや欧州、こうした同志国との連携、さらには、開かれたインド太平洋の実現に向けた協力、こうしたものにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
国葬儀の機会には、今、お話がありましたように、多くの海外要人が訪日することが見込まれておりまして、国葬儀の前日から翌日にかけて、首脳レベルや外相レベルで、可能な限り、集中的にバイ会談(2国間会談)を行うことを予定しております。
こうした中で、安倍元総理が培われた外交的遺産を、我が国としてしっかりと受け継いで、発展させるという意志を内外に示していきたい」
安倍元総理の国葬の実施経費として、岸田政権は約2.5億円の支出を決定しているが、この中に日本を訪れる海外要人の「警備費」や「接遇費」は含まれていない。
2019年10月の「即位の礼」を参考にすると、海外要人の警備費や滞在費は最大で70億円にもなる可能性があると言われている。
国葬実施予定日である9月27日が刻々と迫る中、政府は空疎な「思い」や「ことば」ではなく、国民の血税がどのように使われるのかについて、数字や根拠を示して、きちんとした説明をするべきではないだろうか。
8月31日に国会議事堂前で行われた、安倍元総理の国葬に反対するデモに約4000人(主催者発表)が参加するなど、国民・市民の間で「国葬」に反対の声は、ますます大きくなっている。
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。