【IWJ速報6月11日】米州首脳会議が終了、バイデン政権はIPEFに続きまたも関税引き下げなどを伴わない、南米北米諸国による対中包囲網「経済的繁栄のためのアメリカパートナーシップ(APEP)」を提案! 米国は人権問題などを理由に3カ国を排除するも、メキシコなどが反発し大統領が欠席! 中国『環球時報』は「『もはや米国の裏庭』ではない、ラテンアメリカ諸国は連帯のメッセージを送る」と論評、仏『フィガロ』は移民政策をまとめるのがやっとの「中途半端」な会談、お土産は中国製品だったと皮肉! ロシア『RIA』は「米国にとって致命的な脅威が、米国の裏庭に出現した」と論評! 2022.6.16

記事公開日:2022.6.16 テキスト
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 昨日の日刊IWJガイドでもお知らせしたように、6月6日から10日にかけて、第9回米州首脳会議が、2022年のホスト国である米国ロサンゼルスで開催された。開催前から、バイデン政権が、人権侵害がある、独裁政権であるなどと批判し、キューバとベネズエラ、ニカラグアの3ヶ国を招待せず、それに反発したメキシコやグアテマラ、ホジュラスなどの8カ国の首脳が欠席するなど、波乱の幕開けであった。

 米州首脳会議が実際に開幕すると、さらにその様相は混沌としていった。

 本会議初日となる8日、バイデン大統領が「経済的繁栄のためのアメリカパートナーシップ(APEP:Americas Partnership for Economic Prosperity)」を示した。中南米諸国との経済的連携を強化するための新たな構想、ということだが、近年中国との関係を深めている中南米諸国に対する「引き締め」を意図したものだと思われる。

 先月、バイデン大統領は韓国と日本を歴訪し、「インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework)」を発表した。こちらもインド太平洋諸国との経済的連携を強化するための新たな構想であり、TPPに入らなかった米国の巻き直しだとされた。しかし、蓋を開けてみると、参加国にとっては関税引き下げなどの実質的な「旨味」がない、貿易協定未満のものであった。

※【速報7922】ロイター、8日「バイデン米政権は8日、ロサンゼルスで開催されている米州首脳会議で中南米諸国との経済的連携を強化するための新たな構想「アメリカズ・パートナーシップ・フォー・エコノミック・プロスパリティー」を提起した。」

 『ロイター』(9日)によると、バイデン大統領は開幕式で、「より強靭かつ確実で持続可能なサプライチェーンを構築するため、われわれの貿易が持続可能で責任あるものになるよう投資する必要がある」と述べた。「サプライチェーンを構築する」など、IPEFの内容とよく似ている。こちらのAPEPも、IPEFと同じく、経済的連携を強化すると言いながら、関税引き下げなどの実質的な内容のないものであった。

※【速報7924】ロイター、9日「バイデン大統領は開幕式で「より強靭かつ確実で持続可能なサプライチェーンを構築するため、われわれの貿易が持続可能で責任あるものになるよう投資する必要がある」と述べた。新構想に関税引き下げは含まれない。」

 経産省の通商白書2020年版によると、2019年のメキシコの輸出先は米国がトップで全体の約85%を占め2888億ドル、中国は3位ですが、その額は47億ドルにとどまる。輸入元は米国が1位で約50%(1747億ドル)、中国が2位で約21%(736億ドル)を占めている。メキシコは米国が圧倒的に大きな貿易相手国ですが、今回は欠席した。

 ブラジルの輸出先は中国が1位で28%・629億ドル、米国は2位で13%・296億ドル。輸入元も中国が1位で20%・353億ドル、米国は2位で17%・301億ドルである。

 アルゼンチンの輸出先第1位はブラジル、2位中国、3位米国となっている。輸入元も同じ順位である。

※通商白書2020(経済産業省、2020年12月16日)

 メキシコ以外の中南米諸国では、2018年に中国との貿易高が米国を上回っている。2019年には米国との差がさらに開き、対中国は2230億ドル余り、対米国は1980億ドルであった。

 メキシコを加えれば、米国の対中南米貿易高は、依然として中国を上回っているが、中南米諸国の間では、中国の方が米国よりも存在感が大きくなりつつある。

※焦点:中南米に中国「浸透」、バイデン次期政権は巻き返せるか(ロイター、2020年12月16日)

 『CNN』(9日)は、「バイデン氏はこの機会を利用して、新たな経済や移民に関する発表を行い、地域の亀裂の入った政治状況における団結を示したい考え」だと報じたが、必ずしもその思惑通りに会議が進んだわけではなかった。

※【速報7923-2】CNN、9日「バイデン氏はこの機会を利用して、新たな経済や移民に関する発表を行い、地域の亀裂の入った政治状況における団結を示したい考え。」

 そもそもバイデン政権が3ヶ国を排除し、反発した国の首脳が欠席したので、中南米・北米諸国全35カ国のうち、21カ国の首脳しか参加しなかった。

 しかも、バイデン米大統領は8日、南米ベネズエラの野党連合指導者グアイド氏と電話会談し、同氏を「暫定大統領」として認め、支持していく姿勢を示すなど、挑発的な振る舞いをしている。

※【速報7926】時事、9日「バイデン米大統領は8日、南米ベネズエラの野党連合指導者グアイド氏と電話会談し、同氏を「暫定大統領」として認め、支持していく姿勢を強調した。ホワイトハウスが発表した。」

 『ロイター』(9日)によると、バイデン大統領は冒頭演説で民主主義国の団結を呼びかけ、中南米との経済連携の新構想に触れ、地域における民主主義の重要性を強調したが、続いて登壇したベリーズの首相とアルゼンチンの大統領の演説は、バイデン批判ともいうべき内容を含んでいた。

 ベリーズのブリセーニョ首相は、共産党政権のキューバと左派政権のベネズエラを会議から排除したことを非難し、「事実、これは米国らしくない。封鎖を解除する時が来た」と皮肉をこめて、「民主主義」を錦の御旗に掲げるバイデン政権の姿勢を批判した。

 アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、「ホスト国は会議の参加権を強要する権限はない。多様性こそ民主主義を育むのだ」と、こちらは直接、バイデン大統領に対する批判をぶつけた。

 米国の唱える「民主主義」は、内政において、「民主主義」的であっても、外交においては、米国中心の独善的な「覇権主義」であることを、今や、世界の誰もが見抜いている。

※【速報7929】ロイター、9日「(9日)バイデン米大統領は冒頭演説で中南米との経済連携の新構想に触れ、地域における民主主義の重要性を強調。」

 ブラジルのボルソナロ大統領は9日、バイデン米大統領と初めて会談した。ボルソナロ大統領は、トランプ前大統領を支持しており、バイデン政権とは距離がある。

 ボルソナロ大統領は「イデオロギーを巡る問題で、両国間に隔たりが生まれることもあった。しかし、われわれの政権には共通点も多く、関係強化の好機だ」として、「米国との関係強化に大きな関心を持っている」と表明しました。『ロイター』(10日)が報じた。

※【速報7928】ロイター、10日「ブラジルのボルソナロ大統領は9日、バイデン米大統領と初めて会談し、両国は関係を強化すべきとの考えを示した。」

 ロイターは、YouTube上に両者の会談の動画ハイライトを公開しているが、ボルソナロ氏はあまりバイデン氏の方を見ず硬い表情で、気まずい雰囲気が伝わってくる。

※Biden and Brazil’s Bolsonaro meet for first time(Reuter、2022年6月9日)

 結局、米州首脳会議は不法移民を抑制し、移民を積極的に受け入れる国への支援をするなどの協力体制をつくることで合意、「ロサンゼルス宣言」を採択して閉幕した。

 とはいえ、米国で最大の移民問題は、メキシコ移民である。少し古い資料だが、JETROが2003年に出した『米国の移民』という報告書によると、当時、カリフォルニア州には846万人、テキサス州には507万人ものメキシコ移民がいた。2000年時点で、米国におけるヒスパニック人口は3530万人、そのうちメキシコ系が2100万人で、約3分の2を占めている。

 肝腎要のメキシコ大統領が欠席する中での「ロサンゼルス宣言」にどれだけ実質的な意味があるのか、疑問である。

※『米国の移民』(JETRO、2003年)

※【速報7927】ロイター、9日「ロサンゼルスで開会中の米州首脳会議では、不法移民を抑制し、移民を積極的に受け入れる国への支援措置などを宣言する見通し。ロイターが草案資料を確認した。」

 中国の『環球時報(Global Times)』は7日、「『もはや米国の裏庭』ではない、ラテンアメリカ諸国は連帯のメッセージを送る」と題した論説を出した。副題には「中国は米国にラテンアメリカ・カリブ諸国を尊重せよ、『いじめと覇権主義をやめよ』と要請する」とある。

 「中国のアナリストは、これはラテンアメリカが米国の『裏庭』ではないことの証明である。前回1994年に米国がこのようなサミットを開催したときに比べると、今日の米国の覇権の低下は、もはやワシントンが、自律と発展を求めるラテンアメリカ諸国の大陸を妨げることができないことを意味する、と述べた」。

 『環球時報』によると、中国外交部の趙立堅報道官は6日の定例記者会見で、「他国に干渉し、分裂させる道具として『民主主義』を使う(米国の)手口が、(南米)大陸では歓迎されないことを証明している」と述べたということである。

趙立堅報道官「ラテンアメリカはアメリカの『前庭』でも『裏庭』でもなく、米州サミットは『アメリカのサミット』でもない。サミットの主催者である米国は、覇権主義的なアプローチをすべて止め、中南米・カリブ海諸国に対して具体的な敬意を示し、この大陸の大多数の人々からの正義の声を謙虚に聞き、サミットを大陸の共通の関心事に焦点を当て、協力と結束を高め、人々の幸福を向上させる必要がある」。

 『環球時報』は、中南米諸国の多くは、米国の覇権については、麻薬取引や武器販売に直接間接に関与し、時には気に入らない政権の転覆もしてきたことで、悪い記憶を持っていると述べ、米国の覇権主義が衰退していると指摘した。

 『環球時報』は、メキシコで活動する世界的に有名なドイツの社会学者・政治アナリストであるハインツ・ディーターリッヒ氏の言葉を紹介している。

ディーターリッヒ氏「歴史的な真実は、直接介入、カラー革命、経済制裁、封鎖などを通して、半球と世界において、英米帝国主義、すなわちアメリカとイギリスほど多くの民主的政府と制度を破壊した国家はないということだ」。

 『環球時報』は、もう1人、メキシコのアナリストで法律専門家のリカルド・ゲレロ氏の言葉を紹介した。

ゲレロ氏「(米州サミットの)結果がどうであれ、ラテンアメリカと米国の分裂によって、論争と衝突の多いサミットになると予想される..。

 ラテンアメリカ諸国も米国に対峙して、『もはや誰の裏庭にもなりたくない』ことを実証している。メッセージは発信された。ラテンアメリカが全体としてまとまれば、世界の地政学的なチェス盤で侮れない駒になる」。

 ロシアメディア『スプートニク』は7日、『環球時報』のこの記事を転載した。

※【速報7933】GTは7日、「『もはや米国の裏庭』ではない、ラテンアメリカ諸国は連帯されたメッセージをおくる」と題した論説を出しました。

※【速報7936】ロシアメディア「スプートニク」は7日、GTの記事を転載しました。(SPUTNIK、7日)

 フランスの『フィガロ』は8日、「『米州首脳会議』は移民に関するパートナーシップで中途半端に終わった」と題する論説を出した。

 『フィガロ』は、具体的な内容や壮麗な発表よりも摩擦が大きい「米州首脳会議」の終わりにラテンアメリカ移民に関するパートナーシップが始まったが、中途半端な結末だったと評した。

 『フィガロ』の論説は、「アメリカ商工会議所は米州首脳会議で、アメリカの産業を促進するための贈り物で満たされた青いバッグを配布した。そのなかに含まれていたウォーターボトルとサングラスは…中国製」だったと皮肉たっぷりに締めくくっている。

※【速報7937】Figaro、8日「「米州首脳会議」は移民に関するパートナーシップで中途半端に終わった」

 ロシアメディア『RIA』は10日、ビクトリア・ニキフォロワ氏による「米国にとって致命的な脅威が、米国の裏庭に出現した」という論説を掲載し、第9回米州サミットは「ホワイトハウスの完全な失敗」だと酷評した。一部要約抜粋を以下にご紹介する。

 「ロサンゼルスで開催された第9回米州サミットはまだ終わっていないが、実質的にすべての国際的なオブザーバーは、すでにホワイトハウスの完全な失敗であると認識している。

 事の発端は、主催者である米国が、いつものように主権国家を『きれいな国』と『汚れた国』に分け始めたことにある。米国の寡頭政治の意向に政府が従う国々が『民主的』と認められ、ロサンゼルスに招待されたのである。

 米国の独裁政権に対抗して、当局が独立を守り闘おうとしている国々は、『独裁国家』と指定され、会議に招待されなかったのである。キューバ、ニカラグア、ベネズエラがブラックリストに載っているのは、むしろ予想通りではないだろうか。

 米国は、これらの国に対して(反ロシアヒステリーの前には)、前例のない制裁を繰り返し行っていた。キューバは60年以上にわたって圧力を受けながら生きてきた。ベネズエラでは、米国はほぼ毎年クーデターを起こそうとし、同時に制裁で国を破綻させようとしている。ニカラグアに対する経済封鎖は、ロナルド・レーガンにまでさかのぼる。
 
 (3カ国の排除に対して)アルゼンチン、チリ、ブラジルの大統領たちが激怒した。ボルソナロ(ブラジル)大統領は、バイデン大統領との1対1の会談を約束され、ロサンゼルスに誘われたにすぎない。メキシコ、ボリビア、ホンジュラス、グアテマラの指導者は、キューバ、ニカラグア、ベネズエラの排除に抗議して、ロサンゼルスに来ることを拒否した。

 メキシコのアンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール大統領は、『私は、何世紀にもわたって私たちに押し付けられてきた政策、すなわち排除政策、権力欲、国の主権と独立の軽視を変える必要があると確信している』と述べた。

 ボリビアのルイス・アルセ大統領は、『米国は、無責任で犯罪的な対キューバ禁輸を直ちに停止し、ニカラグアとベネズエラに課せられた500以上の単独制裁を解除しなければならない』と要求した」。

 続けて、ニキフォロワ氏は、米州サミットが失敗に終わった理由を分析している。

 「まず、この20年間で、米国は経済力を失った。政治的な権力もその影響を受けて流動し始めている。そして今、中国とロシアという新たなグローバルプレーヤーが、最初は慎重に、そして次第に自信を持ちながら、アメリカの裏庭に足を踏み入れているのである。

 このような背景から、反ワシントン運動は、単なる大衆の不平不満ではなく、現実の政治になりつつある。中南米諸国は、かつての覇権国家との主導権争いに真剣勝負を挑む構えだ。

 第二に、中南米の人々は多くの不満を抱えている。20世紀、米国は国境の南に巨大な新植民地の飛び地を築いた。あの惨めな大陸で、彼ら(米国)が侵略し、合法的に選ばれた指導者を暗殺し、クーデターや傀儡を演出しなかった国はないのだ。数世紀にわたる無慈悲な略奪は、今や米国とその南の隣国を隔てる溝を作り出した。今日、移民が米国南部の国境を越えて押し寄せているのは、まさにこの裂け目なのだ。

 占領者、強盗、略奪者、侵略者-これが中南米における米国のイメージである。これらの国の正当に選ばれた指導者にとって、米国の隣人であることは直接的で即時的な脅威である。当然、彼らは中国やロシアとの接触に足がかりを求める。中国の投資は財政の安定を、ロシアとの協力は高度な防衛力を保証している。

 ロシアは現在、中南米でGLONASSシステム(ロシアの衛星測位システム)を推進している。ロシアの軍事顧問がベネズエラやキューバで活動している。ニカラグア政府は、全兵器の90%をロシアから購入しており、ロシア軍、船舶、航空機が訓練、演習、人道支援のために同国の領土を使用する許可を更新したばかりである。

 ワシントンはカリブ海におけるロシアの軍事的プレゼンスに率直に言って不満を持っているのだ」。

 ニキフォロワ氏は「余談」として、ロシアがニカラグアに核兵器を配備すべきか、マイマミまでは1000キロ、「ジルコン」なら2分で到達すると言及した。

 「ジルコン」は、2021年にロシアが試射を成功させた、核搭載可能な極超音速巡航ミサイルの名前である。試射で「ジルコン」は、マッハ7の速さで350キロ先の標的に命中しました。プーチン大統領は以前、最大マッハ9、最長約1130キロ先の標的にも命中させられると、述べていた。

※極超音速ミサイルの試射を成功させたロシア、アメリカを威嚇(Newsweek、2021年7月21日)

 ニキフォロワ氏は中国の活動についても言及した。

 「中国もニカラグアの人脈を利用して、大陸におけるアメリカの覇権を目に見えて揺さぶっている。アメリカにとって、軍事的にも貿易的にも本当に悪夢なのは、中国のお金でニカラグア運河が建設されることかもしれない。アメリカに奪われたパナマ運河とは異なり、大西洋から太平洋に抜けるこのルートは、すべて中国の支配下に置かれることになる」。

 ニキフォロワ氏は、米国にとって最も深刻な脅威は「メキシコとの対立の可能性」、「メキシコのレコンキスタ」だと指摘した。

 「米国は、歴史的にみれば、テキサス、カリフォルニア、ニューメキシコをメキシコから掠め取った。メキシコ人は今でも(それらの州を)北方領土とみなしている。メキシコのレコンキスタ(先祖代々の土地の返還)の構想は消えていない。かつては政界の周辺にしか存在しなかったが、今では最高レベルでも耳にすることが多くなっている」。

 ニキフォロワ氏は、「メキシコのレコンキスタの目的は、全領土の3分の1程度を州から奪い返すこと」であり、米国に大陸の先住民を簒奪した歴史を想起させると指摘した。アメリカ南部の州では、ニューメキシコ州で人口のほぼ半分、カリフォルニア州とテキサス州でそれぞれ40%ずつと、「ヒスパニック」が多数を占めている、とも指摘している。

 「米国人がなぜ何億丁もの銃を持っているのか、不思議に思う必要はないだろう。彼らは、大陸の先住民が自分たちの土地や財産を狙おうとしていることをよく理解している。メキシコのレコンキスタの目的は、全領土の3分の1程度を州から奪い返すことである」。

 最後にニキフォロワ氏は、南米・中南米諸国は「ロシアが今、自国のためだけでなく、米国の覇権主義から彼らの国を救うために戦っている」ことを認識している、と主張した。

 「南米・中南米諸国が反ロシア制裁への参加を急がないのは当然である。キューバ、ニカラグア、ベネズエラは、ウクライナでの特別作戦を明確に非難することを拒否している。これらの国々は、ロシアが今、自国のためだけでなく、米国の覇権主義から彼らの主権を守り、彼らの国を救うために戦っていることをよく認識している」。

 バイデン大統領やゼレンスキー大統領が、ウクライナにおける地域紛争を、「世界の民主主義と自由のための戦い」だと位置付けているとすれば、ニキフォロワ氏の主張は「ロシアが戦っているのは、米国の覇権主義から世界を救うため」だというカウンターになっている。

※【速報7941】『RIA』は10日、「米国にとって致命的な脅威が、米国の裏庭に出現した」という論説を掲載。第9回米州サミットは「ホワイトハウスの完全な失敗」と評価した。

【速報7921】北米大陸と南米大陸諸国の首脳が集う米州首脳会議が、6月6日から10日の間、米国ロサンゼルスで開催されました。2022年のホスト国は米国でした。
午後9:07 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7922】ロイター、8日「 バイデン米政権は8日、ロサンゼルスで開催されている米州首脳会議で中南米諸国との経済的連携を強化するための新たな構想「アメリカズ・パートナーシップ・フォー・エコノミック・プロスパリティー」を提起した。」
午後11:47 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7923】CNN、9日「米国のバイデン大統領は8日、米国やカナダ、南米諸国の首脳が参加する米州首脳会議のため、カリフォルニア州ロサンゼルスに到着した。」
午後9:07 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7923-2】CNN、9日「バイデン氏はこの機会を利用して、新たな経済や移民に関する発表を行い、地域の亀裂の入った政治状況における団結を示したい考え。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7924】ロイター、9日「バイデン大統領は開幕式で「より強靭かつ確実で持続可能なサプライチェーンを構築するため、われわれの貿易が持続可能で責任あるものになるよう投資する必要がある」と述べた。新構想に関税引き下げは含まれない。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7925】ロイター、9日「バイデン政権が人権侵害などを理由にキューバとベネズエラ、ニカラグアを招待しなかったことに反発し、メキシコやグアテマラ、ホジュラスなどの首脳が欠席。21カ国首脳の参加にとどまった。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7926】時事、9日「バイデン米大統領は8日、南米ベネズエラの野党連合指導者グアイド氏と電話会談し、同氏を「暫定大統領」として認め、支持していく姿勢を強調した。ホワイトハウスが発表した。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7927】ロイター、9日「ロサンゼルスで開会中の米州首脳会議では、不法移民を抑制し、移民を積極的に受け入れる国への支援措置などを宣言する見通し。ロイターが草案資料を確認した。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7928】ロイター、10日「ブラジルのボルソナロ大統領は9日、バイデン米大統領と初めて会談し、両国は関係を強化すべきとの考えを示した。」
午後9:08 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7929】ロイター、9日「(9日)バイデン米大統領は冒頭演説で中南米との経済連携の新構想に触れ、地域における民主主義の重要性を強調。」
午後9:09 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7930】ロイター、9日「続いて演説した中米ベリーズのブリセーニョ首相は共産党政権のキューバと左派政権のベネズエラを会議から排除したことを非難。「事実、これは米国らしくない。封鎖を解除する時が来た」
午後9:09 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7931】ロイター、9日「その後に演説したアルゼンチンのフェルナンデス大統領はホスト国は会議の参加権を強要する権限はないと主張した。」
午後9:09 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7932】テレ朝、9日「メキシコを除く中南米と中国との貿易額は去年は2470億ドルとなり、アメリカとの貿易額1740億ドルを大きく上回りました。(ロイター8日)バイデン政権は中国の影響力拡大を警戒していましたが、むしろ差は広がっています。」
午後9:09 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7933】GTは7日、「『もはや米国の裏庭』ではない、ラテンアメリカ諸国は連帯されたメッセージをおくる」と題した論説を出しました。
午後9:10 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7934】ディーテリッチ氏「歴史的な真実は、英米のアングロアメリカン帝国主義ほど、半球内および世界的に民主的な政府や機関を破壊した国は他にないということである。米国と英国は、直接介入、色の革命、経済制裁、封鎖などを通じて」(GT、7日)
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7935】リカルド・ゲレロ氏「ラテンアメリカ諸国も彼らが「もはや誰の裏庭にもなりたくない」ことを示すために米国に立ち向かうというメッセージが送られた」(GT、7日)
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7936】ロシアメディア「スプートニク」は7日、GTの記事を転載しました。(SPUTNIK、7日)
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7937】Figaro、8日「「米州首脳会議」は移民に関するパートナーシップで中途半端に終わった」
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7938】Figaro、8日「米国のリーダーシップの下20か国が集った、具体的な内容や壮麗な発表よりも摩擦が大きい「米州首脳会議」の終わりに、ラテンアメリカ移民に関するパートナーシップが始まった」
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7939】Figaro、8日「米国は2023年と2024年にラテンアメリカからの20,000人の難民を受け入れる。米高官によれば今年受け入れられる難民の数は3倍になる。」
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7940】Figaro、8日「アメリカ商工会議所はサミットの傍らに、アメリカの産業を促進するための贈り物で満たされた青いバッグを配布した。そのなかに含まれていたウォーターボトルとサングラスは…中国製」
午後9:11 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7941】『RIA』は10日、「米国にとって致命的な脅威が、米国の裏庭に出現した」という論説を掲載。第9回米州サミットは「ホワイトハウスの完全な失敗」と評価した。
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7942】AFP、10日「ウクライナ国防省は10日、南部ヘルソン(Kherson)州のロシア軍の拠点を空爆したと発表した。ウクライナ軍は、ロシア軍が侵攻直後に掌握した同州の奪還を目指している」
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7943】Liberation、10日「ロシア軍は、この地域の2つの行政区画の1つであるルハンシク州のほぼすべてを征服した。残すはドネツ川によって隔てられた、セベロドネツクとリシチャンツクの双子の都市だけである。」
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7944】ドネツ川は、ロシア軍の前進に対抗する自然の城壁となっており、ウクライナ軍は進行開始以来ドネツ川の270の橋を破壊した。(Liberation、10日)
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7945】RIAは10日、セベロドネツクの住民が、ウクライナ軍が家や社会施設に発砲し、店を壊して略奪し、撤退する際に橋を爆破したと述べた、と報じた。
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

【速報7946】RT、10日「キーウ軍はほとんど弾薬がなく、ロシアとの戦いで西側から供給された武器にのみ頼ることができる、とウクライナの最高情報当局者は言った 」
午後9:12 · 2022年6月11日·Twitter Web App

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