「米国の代理戦争が引き起こす食糧・エネルギー不足により『狂乱物価』の大波が日本を襲う!」~岩上安身によるインタビュー第1074回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2022.5.5

記事公開日:2022.5.9取材地: テキスト動画独自
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・IWJ編集部)

 岩上安身は5月5日、エコノミストの田代秀敏氏にインタビューを行い、冒頭のみフルオープンで生配信した。

 ロシアによるウクライナ侵攻に対し、欧米諸国は対露経済制裁を次々に発動し、その一方でウクライナへ、大量の武器支援を行なっている。結果として、紛争が大規模化・長期化する可能性が指摘される中、世界経済への影響はどうなるのだろうか。田代氏にお話をうかがった。

 4月28日付けのロイターは、米穀物商社で5大穀物商社ブンゲの第1四半期の利益が増加し、株価が約27%上昇したことを報じた。このニュースについて田代氏は、次のように語った。

 「米国の穀物メジャーは、かつてみんな非上場だったんです。非上場だから報告義務がないじゃないですか。ブンゲが10年前に上場してくれたおかげで、いろんな報告書が証券取引所で出るようになった。それを見て、こんなに儲かるんだとびっくりしたわけです。

 『死の商人』っていうのは、通常、兵器産業の企業に当てはまるんですが、戦争をビジネスチャンスに変えるという点では、絵に描いたようなみごとな『死の商人』ですよね。

 でもそれは、当たり前と言えば当たり前で、いわゆる穀倉地帯というのは、種を蒔いて水さえまけばちゃんと育つ。肥料がなくても育つ穀倉地帯というのは、世界に3か所しかない。

 一つがウクライナ北部から南ロシアの黒土地帯。2番目が米国のプレーリー。3番目がアルゼンチンのパンパ。そのうちの一番優秀なのが、ウクライナ北部からロシア南部の一帯。その世界で最も優秀な穀倉地帯からの出荷が、今、止まっているんです。

 そうしたら、それは、米国のプレーリーを握っているブンゲからすれば、こんなビジネスチャンスはないです。(中略)

 日本は黒土地帯からの穀物の輸入はないんですが、玉突き現象が起きるから、実は日本にとっても大問題です。中国と国際市場で穀物を買い争ったら、日本の商社は勝てません。ロット数が違うから。当然、商売の原則として、単位が大きい方に安く売りますよね。

 それを考えると、日本にとっても深刻な問題で、いずれこれが何か月か経つと、日本の食品価格に反映するわけです」。

 「日本の政府は紛争が長期化しないように、武器を流すな(早く停戦しろ)と言わなきゃいけない。それが日本の国益になるんだから」と訴える岩上安身の発言を受けて、田代氏は次のように語った。

 「かつて米国は戦争をしている両方の国に、兵器を売りまくった過去がある。日本と中国です。なぜ、日中戦争があんなに長かったか。

 日本も中国も宣戦布告していないんです。なぜか。当時米国には、戦争当事国には武器を輸出しちゃいけないという法律があったからです。だから米国から兵器を買うために、日本も中国も戦争だと言わない。『事変』って言う。中国側も公式文書では『戦争』という言葉を使わない。

 でも『事変』と言いながら、日本陸軍は中国大陸に最大時約100万人展開しているわけです。

 米国は、(日本と中国の)両方に最新鋭の戦闘機を売るわけです。中島飛行機の記録を見ると、米国のカーティスからエンジンの技術支援を受けていた。

 米国は、あれだけ日本に外交的圧力をかけながら、一方で日本にも中国にもどんどん兵器を売って大儲けしていた。それで日本はずるずる戦争に引きずられて、しかも米国から制裁をくらって、貿易路を次々閉ざされ、金融封鎖され、米国内の資産は全部凍結され、最後は石油も。

 それで日本はバンザイするかと思ったら、いきなり真珠湾を爆撃したのでびっくりするわけです。

 それで、岸田総理が世界に言うべきは、そういう悲劇を二度と繰り返しちゃいけないということ」。

 フルオープン配信終了後、限定配信では、米軍需産業の「好景気」について、田代氏にお話をうかがった。

 ストックホルムの平和研究所は4月25日、2021年の世界の軍事費がはじめて2兆ドルを超えたと発表した。この金額は、1990年代後半の約2倍である。

 これについて田代氏は、次のように語った。

 「たとえば、日本は膨大な赤字国債を発行して、主に医療と年金に使っています。それがあるから、何とかなっている。ちゃんと人の役に立つところに使っているから。

 問題は、ここで使っているもの(軍事費)って、ただ作っておしまいなんですよね。もっと言えば、人を殺すのにもあまり使われなくて、おそらくしばらく経つと陳腐化して、ただの鉄屑になっていく。

 経済的な効率を考えると、ゾッとする話ですよ。

 戦前日本と戦後日本を比べればわかる。戦前日本は国家予算の10%を使って、戦艦大和を作ったわけです。(中略)

 米国の先住民の人たち(ネイティブ)は、居留地に押し込められていて、水道は10軒中3軒くらいしかない。電化も進まない。そんな生活を余儀なくされているわけです。

 ほんとうにこの(米軍の莫大な軍事費のうち)わずかなお金を使えば、たちまち水道は全部に行き渡るわけですよ。米国の分断の根底にあるのは、絶望的な貧困ですよね。特に学生ローンは、デフォルトが許されない。自己破産しても払わなきゃいけない。オバマのような辣腕でも、払い終わったときには40代になっていた。多くの人は、一生かかっても払いきれない。

 それを考えるとこれって、世界経済の側面から考えれば、愚かしいを通り越している。だって、戦後世界最大級の経済危機なんですよ、今。そんな危機が起きている時に、本来金を使うんだったら、まず人々にパンを配れと、医薬品を配れというのを考えなきゃいけないわけですよ。お年寄りに年金を配るのが先決なわけです。

 そんな時にこういうこと(ウクライナに武器支援)をやるのは、無駄な公共投資の典型ですよね」

 このあと、「狂乱のインフレーションに見舞われる世界!! コロナ禍による混乱に続きウクライナショックに揺れる世界経済」と題して、米国の金融緩和縮小やインフレ見通しなどについて、うかがった。

 詳しくは、ぜひIWJの会員となって全編動画を御覧ください。

■ハイライト

■【TBS・テレ朝批判 部分】

  • 日時 2022年5月5日(木)19:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

サポート会員 新規会員登録単品購入 550円 (会員以外)単品購入 55円 (一般会員) (一般会員の方は、ページ内「単品購入 55円」をもう一度クリック)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です