駐日ロシア大使館の公式ツイッターアカウントが3月30日、角茂樹・元駐ウクライナ大使がウクライナの元アゾフ大隊司令官・アンドリー・ビレツキーや、アルセン・アヴァコフ前内務大臣らと並んで撮った記念写真を掲載し、次のように投稿しました。
「日本の公安調査庁は、アゾフ連隊はネオナチ組織として認めています。にもかかわらず、日本政府関係者がウクライナのA.アヴァコフ前内務大臣やアゾフ連隊首領の一人であるA.ビレツキーといった唾棄すべき犯罪者と一緒にしていることは理解に苦しんでいる」
- 駐日ロシア連邦大使館のツイート(2022年3月30日)
日本の公安調査庁のホームページには、アゾフ大隊の思想や結成の経緯など、次のように記されています。
「2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,『ウクライナの愛国者』を自称するネオナチ組織が『アゾフ大隊』なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる」
- 極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり(公安調査庁)
IWJはこれまでにも、アゾフ大隊について皆さまにお伝えしてきました。岩上安身が国際政治学者の六辻彰二氏に行った2回のインタビューは以下のURLから御覧いただけます。
極右ネオナチ組織、アゾフについてのIWJの記事は、以下のURLから御覧いただけます。
アヴァコフ前内務大臣は、民兵組織だった #アゾフ大隊 がウクライナ国家親衛隊アゾフ連隊になった際、「ナショナル・コープス党」を作って国会議員になったビレツキーを積極的に支援した人物です。
外務省のホームページには、アヴァコフ前内務相が2018年12月の離任に際し、表敬訪問した当時の角大使が「在任中の支援に対して感謝するとともに、アヴァコフ内相とともに南東部のマリウポリに出張し、内務省傘下のアゾフ部隊を視察したことは印象深い出来事であった旨述べました」と書かれています。
今、激戦が展開されているマリウポリは、#アゾフ連隊 が本拠地を築いていることで知られています。あとで詳しく述べますが、角元大使は「ウクライナでロシア語話者に対するジェノサイドはなかった」と地上波のテレビ番組で断言した人物です。
そうした人物が就任に際して、「アルセン・アヴァコフ内相とともに南東部マリウポリに出張し、内務省傘下のアゾフ部隊を視察したことは印象深い出来事であった」と語ったというのです。このアゾフらこそ、ロシア系住民を民間人まで含めて無差別に虐殺してきたネオナチ組織なのです。
角元大使は、「その犯行はなかった。起こっていない」と言っているのですから、これは「確信犯的な発言」であったことは間違いありません。ウクライナとネオナチに加担し、犯行はなかったことにし、しかし、その犯行者たちなどは面識があり、面会したのは印象深い出来事だったという、こんな人物が元大使という肩書で、ウクライナ一辺倒の政策を支援し、地上波でその発言がたれ流されていて、いいのでしょうか。
記事によると角元大使はこの時、アヴァコフ前内務相から「内務大臣貢献勲章」を授与されています。
- 角大使のアヴァコフ内相及びヤツェニューク前首相への離任表敬(外務省、2018年12月7日)
3月26日付けのこの日刊IWJガイドでもお伝えしたように、「アゾフ大隊」はビレツキーが率いていたネオナチ集団「パトリオット・オブ・ウクライナ」が中核となって創設された民兵組織であり、ビレツキーが政界進出後もその思想は変わっていません。彼らが、ネオナチであり、ロシア系住民へ加害行為を行ってきたことには数々の証拠・証言があり、欧米ですらも報じています。
ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、BBC、テレグラフ、ロイターなど、多くの西側メディアが、#アゾフ連隊 のネオナチ的特徴を報じています。
ウクライナのネオナチと国軍や内務省との関係、そして彼らが暴行と殺戮を働いていたことを、「まったくなかった」と断言する外国の大使は、角元大使くらいでしょうし、その言い分を何の検証もなくたれ流す地上波テレビ局(テレビ朝日)も、日本のテレビ局だけでしょう。
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■支出をさらにしぼって4月は、これまでのご寄付の月間目標の420万円を20万円削減し、400万円といたしました! 4月末までに12期8か月間にわたる累積の不足金額308万9684円とあわせて708万9684円までご寄付があつまることを期待しています! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!
IWJ代表の岩上安身です。
IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)としておりましたが、さらに削って、4月の目標金額を400万円といたしました。
昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、4月で9か月目に入りました。
3月は、1日から31日までの31日間で、暫定ですが、490件、581万4584円、目標額の138%のご寄付・カンパをいただいています。皆様、ありがとうございます! 目標を超えた金額は、これまでの8ヶ月間で蓄積してきた不足分を削ることにあてさせていただきます。
今期スタートの8月1日から3月末までの8ヶ月間の累計の不足分は、あと308万9684円となりました。
さらに今月4月の月間目標額の400万が加わります。従って、4月末までに、708万9684円が必要となります。このままですと、不足額が雪ダルマのように膨れ上がっていった状態から今月4月を含めて、残り4か月で赤字雪ダルマを削って、ゼロになるように、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!
IWJの会員数は現在3268人です。そのうちサポート会員は1122人です(2022年4月1日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が2170円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人6319円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!
伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!
また、この目標額には、3月16日に宮城県・福島県で発生した地震の際に起きた大規模停電の影響で、インタビューや動画配信に必要な設備の故障の修理費用、約70万円は含まれております。
引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
ロシアによるウクライナへの侵攻とそれに対する世界中からの反発・非難が、どのような第2幕を迎えるか予断を許しません。
台湾をめぐる米中の対立と、このウクライナ危機が連動する可能性も、しきりに取り沙汰されています。その場合、ウクライナや東欧・西欧がそうであるように、日本が米国にとって都合の良いミサイル前線基地となってしまいます。日本がウクライナのような運命をたどり、戦場と化してしまうようなことは絶対に避けなければいけません!
IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。
2022年の2月23日、それまで何の前提もなく突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。そこに至るプロセスがあります。独自取材を続けてきたIWJだからこそ、この事態に対してしっかりと客観視する視点をもつことができた、と自負しています。
こうした「侵攻前」のプロセスを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝えるイエローペーパーばかりですが、これは本来のメディアの役割を放棄していると言わざるをえません。その先には、国の命運を分けるような分岐点で大きな判断ミスも犯す、愚かな世論誘導をしてしまう可能性が大です。我々は、どんなに石つぶてを投げられようとも、メディアの王道をいく仕事をし続けます。
戦争は発火した時が、最終段階です。その前に、政治的・経済的・社会的な不満がマグマとしてたまっているのであって、戦争が勃発する前にそのマグマの存在を明らかにし、対話と議論によって平和的解決の道を探して、「戦争」という「政治的解決の最終手段」に至る前に、未然に防ぐことが一番重要です。
そのためには、「戦前」の段階で、現状を正確に把握することが必要です。メディアが戦時だけ騒いで、洪水のような情報量で一方を「悪」とし、一方を「善」と決めつけて、他方だけの言い分しか取り上げないような偏向報道だけを行えば、一般国民の間に、「悪」とされた国への敵視感情だけが醸成されていってしまいます。
世界は今、100年に1度あるかないかの、巨大な政治的・経済的・軍事的な地殻変動に見舞われています。
いうまでもなく、日本を含む世界全体に対し、単独覇権国として支配的な影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国として台頭してきており、その中国とロシアは、米国から敵視されることによって、逆に結束を強めています。
米国対中露が激突する時、日本は地理的にもこの3つの超大国の間にはさまっている、ということを忘れてはなりません! 戦争において地理的位置は、絶対的な条件となります。今のままでは、米国対中国、あるいは米国対中露の戦いに、日本が巻きこまれずに無傷のままやりすごすのは、非常に困難です。
地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本は、モロに巻き込まれつつあります。
米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国が、ゆるぎなく、軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではないのです。
こうした現実は、既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアに頼っていては、まったく見えてきません。意図的に、国民の目を現状からそらせるような情報操作ばかり行われているからです! IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府にこれでいいのか! と声を上げ続けてきています!
こうしたことがIWJに可能なのは、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに真実をお伝えしてゆく、独立メディアだからです!
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マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。
本年、2022年は、本当に日本の分水嶺の年となります!
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岩上安身拝