2021年8月10日(火)、午前11時頃より、東京・中央合同庁舎にて、西村康稔新型コロナ対策担当大臣の記者会見が開催された。
会見冒頭、西村大臣より、新型コロナ感染症の感染状況、特に現在猛威をふるっている「デルタ株」についての報告(※)があった。
※会見冒頭の西村大臣からの報告については、以下の記事(前編)をご覧下さい。
また、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣と兼務している経済再生担当大臣として、昨年12月から開催している「企業組織の変革に関する研究会」が8月10日に公表した報告書についても概要を説明した。
大臣からの報告に続いて、各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は、以下のとおり質問した。
IWJ記者「政府が示した、新型コロナウイルスの感染者が急増している地域での入院制限の方針について、当初、政府の方針に追随すると言っていた小池知事は、東京都医師会の猛反発を受け、中等症は従来通り入院と明確に発表し、田村厚労大臣も8月5日の参院厚労委員会で『中等症は原則入院』と明言されました。
しかし、菅義偉首相は8月4日の夜、入院制限の方針の撤回を否定して以降、方針を撤回するのかしないのかについて、公の場で明確な発言をしておらず、現状、閣内不一致が生じたままの状態が続いているように見受けられます。
自宅療養者のフォローアップ体制の拡充等、緊急時の体制への移行が進められている現状で、菅首相の姿勢は、状況を混乱を招いているように思われますが、大臣のご見解をお聞かせ下さい」
これに対して、西村大臣からは以下のとおり回答があった。
西村大臣「今回の大きな方針はですね、重症の方、中等症の方、軽症の方、それぞれの症状に応じて、状況に応じてですね、必要な医療を受けれるようにするための措置ということで、先程も申し上げたように、若い方、20代から30代の感染が7割近くを占めている。
その中で、多くの方が軽症で、無症状の方もおられますし、基礎疾患がない、また一人暮らしで、他の家庭内感染のリスクもないということであれば、自宅にいていただいていいわけですね。
ただし、急変する可能性がありますので、いわゆるオンライン診療、電話診療を含めて、保健所の健康観察など、丁寧にやっていく。また、パルスオキシメーターを配って、常に血中酸素濃度を測ると。こういった対応をしてきているわけであります。
そして、家庭内の感染リスクはある、つまり、高齢者が一緒にいるとか、40代、50代、お父さん、お母さんが一緒にいる、一緒に住んでる、という方は、宿泊療養施設に入っていただく。
基礎疾患がある方、あるいは中等症以上の方は入院していただくということで、それぞれの症状に応じて、そして、状況に応じてですね、必要な医療を受けれるということを確保するための対応だというふうに理解をしています。
そして、少し説明の足らなかった部分などですね、厚労省において、説明文書等を与党とも相談して作り直してですね、そして、丁寧に自治体に説明がなされているというふうに承知をしています。
ですので、こうした体制…このことについては、昨日の知事会からも、何かこの方針について、課題や要請が示されたわけではなくてですね、むしろ自宅療養や宿泊療養を進めるための対応をですね、先程も申し上げた、人材確保であったり、あるいは、抗体カクテル治療薬をどういいった形でそういった方たちにもとどけるのか。そういったことも含めてですね、大きな方針について何か問題点が示されたわけではありませんので、厚労省において、引き続き、丁寧に、関係者の皆さんに説明をしながら、そして、国民の皆さんにもですね、それぞれの症状や家族構成などに応じて、必要な医療を、必要な環境で、治療が受けれるということをしっかり確保していきたいというふうに考えております」
西村大臣と記者との質疑応答の一部始終については、全編動画にてご確認下さい。