米大統領選は、郵便投票増加の影響もあり、結果判明には4日かかるとの説もある。
今回の選挙でマスコミが見落としている重要なポイントが、IWJの独自の調査分析で判明した。それは、激戦州(スイング・ステート)でコロナ感染が急拡大している点である。その理由は、両候補者が力を入れて、人を集めたためと見られる。特にトランプ陣営の責任は重大と分析されている。
さらに、今回の選挙戦では、コロナ感染拡大を理由に、民主党支持層が多く利用する投票所の閉鎖や統廃合が行われており、「隠された操作」があった可能性がある。
その結果、投票所が減少して過密状態が発生し、民主党票の減少や郵便投票増加へ誘導されたのではないかというのである。
トランプ氏は当初からこれを見越しており、開票後に「郵便投票の票数は違憲」として訴訟するシナリオが考えられる。その法廷闘争を有利に運ぶために、あらかじめ超保守派のバレット氏を最高裁判事に指名したということだ。
大統領選の大勢が判明後も、混乱の火種が燻りつづけるのは間違いない。
▲トランプ米大統領(左)とバイデン元副大統領(Wikipediaより)
郵便投票の影響などで、大統領選の結果判明は平均4日後!?
米国大統領選は、11月3日(日本時間の4日)に投票が行われた。投票の締め切り時間は州によって異なるが、最も早いのは、東部諸州で、午後7時(日本時間の4日の午前9時)である。
投票が締め切られ開票作業に入るが、3日(日本時間4日)のうちに勝敗は決まらないだろうと言われている。フロリダ大学の集計によると、11月1日時点で期日前投票を終えた人は、9300万人を超え、そのうち、5900万人が郵便投票で投票したと推計されている。
こうした郵便投票は、封筒の開封作業や、署名や住所の確認などが必要となるため、集計に時間がかかるからだ。さらには、激戦州のフロリダやオハイオのように、投開票日前に郵便投票の封筒の開封を認めている州もあれば、同じく激戦州のウィスコンシンやペンシルベニアのように、投票日まで開票作業を始められないことが州法で定められている州もある。
9月17日付のワシントン・ポストの報道では、コロナウイルスの感染が拡大した3月17日以降、23州を越える州で行われた民主党予備選で、選挙結果がほぼ完全に判明するのに、平均で4日かかっている。これまで、こうした州は、投票所での投票が普通だった。結果が判明するのにかかった平均4日という数字は、今回の大統領選でも一つの参照基準になる可能性がある。
両候補とも、フロリダ等選挙人多数の激戦州(スイング・ステート)重視で、頻繁に集会開催!!
米国の大統領選挙においては、カリフォルニア州やニューヨーク州のように、伝統的に民主党が強い州とミシシッピー州やオクラホマ州のように、伝統的に共和党が強い州がある。一方、これ以外の、支持が決まっていない州で、選挙人の数が多い州もある。
こうした州をバトルグラウンド・ステーツ(激戦州)もしくはスイング・ステート(揺れる州)と呼んで、各候補は非常に重要視し、梃入れしてきた。
スウィング・ステーツは、メディアや調査機関によって若干の相違があるが、ウォールストリート・ジャーナルが、スイング・ステートと認定している州は、次の11州である。
アリゾナ(選挙人11人)、フロリダ(選挙人29人)、ジョージア(選挙人16人)、アイオワ(選挙人6人)、ミシガン(選挙人16人)、ネヴァダ(選挙人6人)、ノース・カロライナ(選挙人15人)、ペンシルベニア(選挙人20人)、オハイオ(選挙人18人)、テキサス(選挙人38人)、ウィスコンシン(選挙人10人)である。
米大統領選では「選挙人制度」が採用されており、各州には人口に応じて「選挙人」が割り当てられる。大半の州で、最多票を獲得した候補が、その州の選挙人全員を獲得する「勝者総取り」方式が採用されている。得票率で選挙人を配分する州は、ネブラスカ州とメーン州の2州のみである。
トランプとバイデンの両候補が、選挙人数の多い、フロリダやペンシルベニアを頻繁に訪れて集会を開いてきたのもこうした理由による。とりわけフロリダ州は重要だ。1928年の大統領選以降、フロリダを落として勝利したのは民主党のケネディ、クリントン両元大統領のみで、共和党では皆無である。
マスコミが見落とした重要ポイント!! スイング・ステートでコロナ急拡大!!
米大統領選の行方については、日本でも関心が高く、両候補の競り合いぶりが、マスコミで連日取り上げられているが、重要なポイントが見落とされている。