「コロナ陽性」で入院のトランプ大統領、感染後バイデン候補と討論!? 陽性判明後に選挙集会参加!? インタビューで隠蔽!? ホワイトハウスは今やクラスター状態、マスク拒絶したトランプ氏の責任は!? 2020.10.6

記事公開日:2020.10.6 テキスト
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(文:辻部亮子 協力:IWJ編集部)

 コロナ感染が判明したトランプ米大統領は、10月2日に陸軍医療センターに入院したが、さかんに「元気ぶり」をアピール中だ。しかし、じつは「非常に深刻」だったとの情報もあり、予断は許さない。

 問題は、ジョー・バイデン氏との大統領選討論会時、すでに感染していた疑いが出ていることだ。陽性判明後もマスクなしで選挙集会に参加した疑いもある。大統領選候補者や支持者が感染したら、トランプ氏は責任をどうとるのか?

 その後、簡易検査で陽性判明した後もインタビューでその事実を隠蔽していたことも報じられた!! 報道が正しければ、トランプ氏は完全に虚偽情報で米国民を欺いたのである!

 マスクを「弱さの象徴」とみなしたトランプ氏は側近にマスクを外させたという。その結果はどうなったか。今やトランプ政権の政府高官の陽性が次々と判明している。トランプ政権自体が「クラスター」化してしまったのだ。マスクの着用問題はトランプ氏がいうような個人の問題ではない。「コロナはただの風邪」「マスクは人権侵害」「コロナウイルスは存在しない」などという非科学的で反倫理的な「ニセ医学」デマゴギーに対して、IWJは徹底的に反論していく。

▲トランプ米大統領が10月2日入院したウォルター・リード陸軍医療センター(Wikipedia)

記事目次

ホワイトハウスから「数日間」の触れ込みで陸軍医療センターに移動

 ドナルド・トランプ米大統領が10月2日未明(日本時間同日午後)、メラニア夫人とともに「コロナ陽性」の結果が出たことをツイッターで報告、ホワイトハウスでの隔離生活に入ったことは、10月3日の日刊IWJガイドでお伝えした。

▲ドナルド・トランプ米大統領(Wikipediaより)

 トランプ氏はその直後、同10月2日夕方、大統領専用ヘリで、ワシントン郊外のウォルター・リード陸軍医療センターに移動。「数日間」との触れ込みで同センターへ入院した。

「元気ぶり」をアピール、「選挙のためにホワイトハウスに戻るつもり」

 マーク・メドウズ大統領首席補佐官以下、政権高官はトランプ氏が執務を継続していると説明しながら、政府の業務に支障はないと強調した。トランプ氏自身、入院当日の2日深夜に「順調だと思う!みんなありがとう。愛しているよ!!!」とツイートし、「元気ぶり」をアピール。

 同日午後、主治医を務めるショーン・コンリー氏がトランプ氏の健康状態に関し、「倦怠感はあるものの元気」との所見を示していた。そのうえで、「予防的に」米製薬大手「リジェネロン」社が開発中の抗体カクテル療法医薬品の投与を受けたと報告している。

 入院翌日の10月3日土曜日の午後には、トランプ氏は「医師、看護師、そして偉大なウォルター・リード・メディカル・センターのすべての人、そして同様に彼らに加わった信じられないほどの機関からの他の人たちは、素晴らしいです!!!! この疫病との戦いにおいて、 驚異的な進歩が この6ヶ月の間になされました。彼らの助けを借りて、私は元気になっています!」とツイート。

 その6時間後には4分ほどの動画をツイッターに投稿。ウォルター・リードに入院した時には体調はそれほど良くなかったが、現在はずっと良くなっていること、選挙キャンペーンをやり遂げるためにすぐにホワイトハウスに戻るつもりであること、現在服用中の治療薬に注目していることなどを話した。

 主治医のショーン・コンリー医師も同日、「(トランプ氏は)熱もなく酸素マスクも必要なく、経過は順調」と発表。「油断はできない状況」とはしながらも、トランプ氏の健康状態について非常に明るい見通しを示している。

トランプ大統領は首席補佐官の「非常に深刻」だったの情報に激怒!! しかしコロナに感染した70代半ばの男性死亡率は5~15%!! 決して低くはない!

 ところが、トランプ大統領の状態は実のところ、そのように楽観視できるものではないと『ニューヨーク・タイムズ』が報じている。しかも同紙によれば、トランプ氏のコロナ陽性診断は、9月30日水曜日にすでに出されていた疑いがあるというのである。

 『ニューヨーク・タイムズ』によれば、10月2日のトランプ氏入院の際、同氏に「微熱、鼻づまり、咳」の症状があったことを、「トランプ氏に近い二人」が証言している。また、米インターネットメディア『ポリティコ』が入手・公表したトランプ氏の主治医の10月2日付のメモによれば、主治医たちが入院直後に、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬候補として注目を集めている「レムデシビル」の投与を開始したことがわかっている。

▲トランプ氏に投与された「レムデシビル」の構造式(Wikipedia)

 『ニューヨーク・タイムズ』はさらに、10月3日土曜日にショーン・コンリー医師による「楽観的」所見がテレビで報じられたその直後、マーク・メドウズ大統領首席補佐官が代表取材記者に対し、大統領の入院当日10月2日の朝の状態は「非常に深刻」だったと漏らしていたと報道している。「この48時間が山場」「(大統領が)完全に回復するかどうかはわからない」とも発言していたとのこと。

▲マーク・メドウズ大統領首席補佐官(Wikipediaより)

 メドウズ発言を知ったトランプ氏は激怒し、前述の同氏の「4分の動画ツイート」での発信は、まさにそのメドウズ発言を打ち消す目的でなされたと、関係者の証言が伝えられている。

 『ニューヨーク・タイムズ』は、「マスクを着けていない人はウイルス被曝の濃度が高く疾病の経過がより重くなる可能性がある」「70代半ばの男性のコロナウイルスによる死亡率は5~15%」との、ピッツバーグ大学メディカル・センター高齢者医学の専門家のコメントも紹介している。

感染後にバイデン氏と罵倒合戦!? 陽性診断後にマスクなしで選挙集会!? 感染の責任をどうとるのか!?

 トランプ氏は74歳。これ以上重症化せず、無事回復することを祈るばかりだが、ここにおいて、事はトランプ氏個人の健康問題にとどまらない重大な政治的虚偽の疑いが浮上してきたのである。

 『ニューヨーク・タイムズ』に答えた「トランプ氏に近い二人」によれば、トランプ氏は入院した10月2日の朝、「発熱が見られ、酸素濃度がみるみる落ちた」とのこと。その日トランプ氏が酸素マスクを着用するほどの状況に陥っていたことを疑わせる。

 実際、10月3日に「(トランプ氏は)熱もなく酸素マスクも必要なく、経過は順調」と発表した主治医のショーン・コンリー医師も、前日までにトランプ氏が酸素マスクを着用したかどうかについてはコメントを避けているようだ。

 そのうえ、コンリー医師は「診断されてちょうど72時間」という言い方をしたという。つまり、トランプ氏のコロナ陽性診断は、すでに9月30日の昼ごろになされていた可能性が浮上したのである!!

 9月30日といえば、バイデン民主党候補との第1回テレビ討論会が行われた翌日。この時は激しい罵倒合戦になったが、トランプ氏はマスクを着用していなかった。

▲民主党のジョー・バイデン大統領候補(Wikipedia)

 9月30日も翌10月1日も、トランプ氏は何百人もの支持者を集めた選挙集会にのぞんでいた。この時ももちろんマスクをつけていない。

 トランプ氏の治療に当たる医師のひとり、ブライアン・ガリバルディ氏は10月3日、トランプ氏が「約48時間前」に、つまり10月1日昼ごろに抗体治療を受けたと述べている。ということは、トランプ氏は、少なくともこの時点ですでにコロナ陽性を知っていたことになる。

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