新型コロナウイルス感染拡大を予測した文書2通を東京都が廃棄!東京における7月の感染者急増をピタリと予測した政策研究大学院大学・土谷隆教授の論文をもとに、廃棄された文書の内容を検証! 2020.7.15

記事公開日:2020.7.15 テキスト
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(IWJ編集部)

 2020年3月に厚生労働省クラスター(感染者集団)対策班が東京都に提出した感染状況の予測文書3通のうち2通を、東京都が廃棄したことが明らかになった。

 IWJでは、政策研究大学院大学・土谷隆教授の論文をもとに、廃棄された文書の中身について検証を行った。これまでマスメディアではほとんど取り上げられてこなかったが、土谷教授は東京における7月の感染者急増をピタリと予測している。

 検討の結果、廃棄された2通の文書は、実際の感染者数と、十分なPCR検査を実施すれば検出されるであろう感染者数を予測した正確な研究だった可能性を示した。

 東京五輪の開催を巡る議論の中で、世論が五輪開催に消極的となることや、PCR検査の促進を求める声が大きくなることを嫌って、公開されないまま廃棄されたと思われる。東京都には速やかに廃棄文書を復元することを求めたい。

▲小池百合子東京都知事(2020年6月12日、IWJ撮影)

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2020年3月に厚生労働省クラスターが東京都に提出した感染状況の予測文書3通のうち2通を、東京都が廃棄!

 2020年3月に厚生労働省クラスター(感染者集団)対策班の押谷仁東北大学教授が東京都に提出した感染状況の予測文書3通のうち2通を、東京都が廃棄していた、と東京新聞が報じた。

 3月17日に東京都の担当部長らに渡された感染状況の予測文書(1)では、2週間以内に感染者数が「1万7000人」になると予測。その後3月19日に押谷教授は都が提供した情報をもとに改めて「精査した」として、感染者数が「3000人」に減った予測文書(2)を東京都の担当部長にメールで送信。さらに都と意見交換した3月21日には、4月2日から8日までの感染者数を約「320人」とする予測文書(3)を渡していた。

 廃棄されたのは、予測文書(1)と(2)。東京新聞によると、予測文書(1)については、都の吉田道彦・感染症危機管理担当部長が「あやふやな試算だったので押谷氏との会議後、すぐに廃棄した」と説明。予測文書(2)については「6月、メールの容量がいっぱいだったので削除した」と答えたという。

東京新聞はさらに、都が取材に「文書を残すことで、なぜ前の試算を使わなかったのかという意見が出る可能性があり、後に混乱を招くと判断した」と説明したと報じた。

東京五輪開催延期決定までの政策プロセスに関わった可能性がある文書の廃棄は、都政への不信を招く。早急に廃棄文書の復元を!

 3月17日、19日、21日といえば、東京五輪の開催を巡って東京都がIOC(国際オリンピック委員会)や日本政府と協議している真最中である。3月15日に安倍晋三首相が「東京五輪を予定通り開催したい」と表明してから、延期が正式に決まった3月24日までの10日間の間に何があったのか。

 そのプロセスに関わっていた可能性の高い予測文書(1)(2)が失われたとすれば、後年の都政評価を困難にし、今後東京都が展開していく各種政策への信頼も揺らぐ。

 7月10日に243名とこれまでで最多の新規感染者数を記録し、4日続けて200名を超えて「第2波」の到来が危ぶまれている。そんな時に、東京都の新型コロナウイルス対策に対する信頼が揺らぐことは「百害あって一利なし」である。東京都は早急に廃棄文書を復元し、公開すべきである。

「東京五輪を予定どおり開催」から「開催延期」までの10日間を振り返る

 ここで、3月における新型コロナウイルス感染拡大と、東京五輪の開催を巡る出来事を振り返ってみたい。

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