「新型コロナウイルスなんて存在しない」「メディアが捏造した陰謀論」などと公言した、フォロワー110万人以上の人気のフィットネス系男性インスタグラマーが新型コロナにより33歳で3人の子を残し死亡! その死は「反コロナ運動」へ命がけの警告! 2020.11.1

記事公開日:2020.11.1 テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・尾内達也、協力・IWJ編集部)

 33才の肉体美を誇り、フォロワー112万5000人を持つウクライナの人気インスタグラマーは「コロナウイルスは存在しない」と公言していたが、新型コロナ感染後に考えが一変したと病院から投稿した。

 ところが「病状は安定している」と投稿した翌日、自宅治療のため帰宅して意識不明となり、翌日亡くなった。健康な人が急変して死に至る典型的コロナの経過をたどったのである。

 彼の死は、感染予防軽視とワクチン陰謀論、新自由主義批判を結びつけたり、「コロナウイルスなど存在しない」と主張して、日本でも広がりつつある「反コロナ運動」に対する命がけの警告である。

▲ドミートリー・スチューツュ―クさんの投稿(インスタグラムより)

肉体美の健康な男性は「コロナウイルスは存在しない」と考えていた、感染するまでは!

 ウクライナ出身で、フォロワーが112万5000人もいる人気の男性フィットネス系インスタグラマー、ドミートリー・スチューツュ―クさんが、10月17日に、新型コロナウイルス合併症による心血管疾患のために亡くなった。33才の若さで鍛え上げた肉体美を誇る健康な男性だった。新型コロナに感染するまでは。

 スチューツュ―クさんは、亡くなる前々日の15日に病院のベッドから生前最後の投稿をインスタグラムに行っていた。

 この15日に病室から投稿されたインスタグラムの中で、スチューツュ―クさんは「私も私自身が病気になるまでコロナウイルスは存在しないと考えていました。みな自分に関係のあることでした。新型コロナ感染症は一過性のものではありません。これは重い病気です」と述べている。

 また、スチューツュ―クさんは旅行先のトルコで発症したとして次のように述べている。

 「私は首が腫れあがって息が苦しくなって夜中に目覚めました。同時に胃が少し張っていました。翌日は咳が出ましたが、熱はありませんでした。新型コロナ感染症に特有の症状も出なかったので、運動や気候や食べ物の変化、エアコンで眠ったことが原因だろうと考えました。トルコから戻って検査をしたところ、陽性が判明しました」

 さらに、ウクライナの病院の内情を次のように記しています。

 「翌日、CTスキャンを受けて規定の治療を受け入院しました。病院は補修中で廊下まで患者であふれています。食糧も紙も食器類もありません。こんな状態になっていることを警告してくれた人はいませんでした」

健康で症状も安定した人が、一晩で急変して死に至る典型的経過

 そして、15日現在の症状を「規定の治療を受け、これを継続すると言われています。酸素濃度が低いため、呼吸のために酸素吸入装置を着けています。酸素飽和度が90%を下回れば危険だと思いますが、現在、94~96%あります。これなら、自宅での治療も全く可能です。ドクターもそれが一番いいと言っています」と述べている。

 この日の最後の言葉は「私の病状は安定しています」だった。

 ところが、翌日スチューツュ―クさんに外出許可が出て帰宅したところ、体調が悪化し意識不明の状態へと陥り、病院に救急搬送されたという。そしてその翌日の10月17日、スチューツュ―クさんは新型コロナウイルス感染症による合併症により、心血管疾患のため亡くなったのである。

 健康で症状も安定していた人が、一晩で一気に急変して死に至るという典型的な新型コロナ感染症の経過を辿っている。ドミートリー・スチューツュ―クさんには、お子さんが3人いた。

 ロイターの集計によると、ウクライナの一日当たりの新規感染者の平均は、10月27日現在、6469人で増加傾向にある。一日の死者数は、26日で73人である。

 ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、10月27日現在のウクライナの感染者累計数は、35万9348人で、死者累計は6641人である。

反コロナ運動への命がけの警告と受け止めるべき

 「私も私自身が病気になるまでコロナウイルスは存在しないと考えていました。みな自分に関係のあることでした。新型コロナ感染症は一過性のものではありません。これは重い病気です」

 ドミートリー・スチューツュ―クさんのこの言葉は、感染予防軽視とワクチン陰謀論、新自由主義批判を結びつけてしまう反コロナ運動の人々や、「コロナウイルスなど存在しない」と主張する大橋眞徳島大名誉教授を中心とした反コロナ運動を日本で展開しようとしつつある人々への命がけの警告と受け止めるべきだと思われる。

▲大橋眞徳島大名誉教授(徳島大学ホームページより)

※これは日刊IWJガイド2020.10.28号~No.2967号に掲載された記事を加筆・修正したものです。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です