新型コロナウイルスの「第二波」が到来し、日々感染者が増える中、コロナに関するさまざまな情報が巷に溢れている。一部では「コロナは風邪」「マスク着用反対」という、科学的に間違った情報を流す人がおり、その偽の情報を少なくない人が鵜呑みにしているようだ。
日本母親連盟という団体が「マスク着用反対」運動を行っている。また7月の東京都知事選に立候補した平塚正幸氏が「コロナは風邪」であると主張して、マスクを着けずに山手線に乗り一周する「クラスタージャック」を決行した。
このような偽の情報は、研究により明確に否定されている。
ブリティッシュ・コロンビア大学の笠原博幸教授は研究で、「全米でマスク着用の義務化が行われていたら、約1万7000人から5万5000人の命を救えていた」と結論を出した。世界ではこの研究と整合性のある研究が他にも出ている。
▲マスクは、話したり咳やくしゃみをしたりすることで、着用者から放出される飛沫の大部分が飛び散るのを防ぐことで、病原体の拡散を防ぐ。(Wikipediaより)
また、ドイツ・フランクフルト大学病院研究チームによると「45〜53歳のコロナ回復者100人のうち78人が心臓に異常」が見つかったという。新型コロナウイルスはただの風邪などではなく、回復後も重い後遺症を残す可能性のある危険な感染症であることがわかる。
日本母親連盟が「マスク着用反対」運動! 日本母親連盟は右派組織とエセ医療とのつながりが指摘される!
日本最大の極右組織、日本会議と関係を持つ日本母親連盟という団体が「マスクの着用は危険で無意味」だという非科学的で間違っている情報をもとに、子どもへのマスクの「強要」をやめさせるように求める文書を全国の自治体に提出する運動への参加を呼びかけた。
日本母親連盟は2018年に、日本会議代表委員を務める加瀬英明氏を会長とする「国家ビジョン研究会」のメンバーである阪田浩子氏が代表として設立された。
また先月7月には代表が変わり、新興宗教団体「サイエントロジー」とともに反精神医療運動を行うほか、反ワクチン運動やホメオパシーなどエセ医療に関わる医師の内海聡氏が代表を務める。
▲内海聡氏(本人のFacebookより)
サイエントロジーは米国発祥の新興宗教だが、当初は科学であると主張。しかし欧米では「カルト」と批判されている。
ホメオパシーはヨーロッパ発祥の民間療法の一種で、日本学術会議の金澤一郎会長(当時)は2010年に「ホメオパシーの治療効果は科学的に明確に否定されています」とする談話を発表し、日本医学会が「全面的に賛成します」とのコメントを発表している。
- 「ホメオパシー」への対応について(日本医学会、2010年8月25日)
そのような右派組織とエセ医療とのつながりが指摘される日本母親連盟が、「マスクには感染予防の科学的根拠がなく、むしろ感染のリスクを高める」と嘘の情報を主張している。そしてマスクの「強要」に対して自治体に請願書、要望書を出して反対することを呼びかけている。
IWJは2019年2月に、れいわ新選組の山本太郎代表が、日本母親連盟が今年の2月26日に主催した講演会に招かれて登壇し、同連盟の「歴史の指導要領を改定し、国が一部費用を負担して『近代史の専門家』を学校に外部招聘する」というマニフェストを批判したことを紹介した。