新型コロナ感染への警戒を余儀なくされるスポーツ、教育実習、対面授業などの教育の現場!また萩生田大臣にアイヌ民族差別矮小化発言への謝罪はなし~8.11 萩生田光一 文部科学大臣 定例会見 2020.8.11

記事公開日:2020.8.11取材地: テキスト動画
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(取材・文:千浦僚)

 文部科学大臣の報告と記者との質疑応答から、あらためて新型コロナウイルス感染症の教育現場への影響が明らかになった。

 2020年8月11日(火)午前10時50分より、千代田区霞が関の文部科学省会見室にて萩生田光一文部科学大臣による定例会見が開かれた。

 会見冒頭、萩生田大臣より3件の報告がなされた。

 まず、8月9日に神戸市の理化学研究所計算科学研究センターにてスーパーコンピュータ「富岳」を視察し、「富岳」の民間利用、青少年への教育への活用、新型コロナ感染症対策に使用する可能性などについて関係者と懇談した件。

 続いて8月10日に、2020年甲子園高校野球交流試合の開会式に参加し、第一試合を観戦した件。

 最後に、本年は教育実習の実施が困難なため、特例措置としてその単位を大学での実習や座学で代替すること、また小中学校教員免許取得に必須の介護体験に関してもレポートや他の単位で代替をすることが報告された。

 萩生田文部科学大臣はこの教育実習代替について、「今はやむを得ない措置だ。しかし教壇に立つ経験ゼロで教員になるのも困難だと思う。従来の教育実習のようでなくても学習指導員として学校に行っていただくなど、現場と連携し、教育の将来を担う皆さんを後押ししたい」とも補足した。この特例措置は11日に公布される。

 その後の質疑応答では、北海道新聞記者より、島根県松江市の高校で96人の大規模な新型コロナ感染が起きた件に関してと、8月7日に「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」と「日本人類学会のアイヌ遺骨研究を考える会」が萩生田文部科学大臣に抗議を申し入れた件についての受け止めが問われた。

 先の質問に関して大臣は、「松江の事例はスポーツ部活動をおこない、寮生活をしている生徒間での感染と承知している。宿泊施設でのクラスター対応を参考に、現地とも連携をはかって対応していく」と回答した。

 後の質問は、萩生田大臣が7月12日開業の先住民族アイヌをテーマとする初の国立施設「民族共生象徴空間」(愛称「ウポポイ」北海道白老町)について行った発言に端を発するもの。

 萩生田大臣は、7月10日の閣議後会見で、先述の施設開館に関連して、アイヌの人々が受けてきた差別の歴史をどう伝えるのかと問われ、「原住民と新しく開拓をされる皆さんの間で様々な価値観の違いがきっとあったのだと思う。それを差別という言葉でひとくくりにすることが、後世にアイヌ文化を伝承のためにいいかどうかは、ちょっと私は考えるところがある」と答えた。

 12日の「ウポポイ」開館記念式典に参加し、その後の会見で、「我が国が近代化される過程において、アイヌの皆様が差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない」と述べたが、8月7日に関連2団体より抗議を受けた。

 萩生田大臣は問題とされる「価値観の違い」という表現について、「ウポポイが未来志向の共生施設として多くの皆さんに愛されることを願ってした発言」と述べ、北海道新聞記者による重ねての、「謝罪はされないということですか」という問いにも、「すでに記者会見で申し上げているとおりでございまして、アイヌ文化にしっかり寄り添って、これからも支援していきたいという気持ちに変わりはありません」と答えた。

 そのほか読売新聞記者より教育実習の代替について、日刊工業新聞記者より8月7日に公表された「科学技術指標2020」の内容の受け止めについて、共同通信記者より大学の対面授業が行われないことに関しての質問があった。

 詳しくはぜひ動画をご覧いただきたい。

■全編動画

  • 日時 2020年8月11日(火)10:50~
  • 場所 文部科学省 記者室(東京都千代田区)

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