米国の声を聞いても、国民の声は聞かず~「2030年代原発ゼロ」の民意を無視した安倍政権~ロックの会 IWJ NIGHT 第2部「新エネルギー基本計画と”原発回帰”」 2014.1.9

記事公開日:2014.1.9取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・ぎぎまき)

 ロックの会~IWJ NIGHT~第2部「新エネルギー基本計画と”原発回帰”」では、FoE Japanの満田夏花氏、元原子炉格納容器設計者の後藤政志氏、反原発や特定秘密保護法に反対するデモを呼びかけてきた火炎瓶テツ氏を迎え、一部で登壇した宇都宮健児氏と海渡雄一弁護士も加わり、クロストークが行われた。

 冒頭、満田氏は、今月中にも閣議決定されようとしている「エネルギー基本計画」について触れ、「過去の国民的議論を完全に無視した中身になっている」と指摘した。

■ハイライト

国民的議論が導いた「2030年代原発ゼロ」

 2012年の夏、首相官邸前で行われていた「脱原発」デモの参加者が20万人に達した。当時の民主党政権は、世論の高まりを受け、エネルギー政策を根本から見直すため、全国11ヶ所で意見聴取会を開催したほか、パブリック・コメントを実施。それを踏まえ、「2030年代に原発稼働ゼロを可能にするよう、あらゆる政策資源を投入する」と明記された「革新的エネルギー・環境戦略」が取りまとめられた。

 しかし、今回政府が出した「エネルギー基本計画」案では、「原発稼働ゼロ」という当時の民意が反映されていないどころか、「原発を重要なベース電源として位置づける」「新規制基準をクリアした原発は再稼働させる」「核燃料サイクルは着実に実施する」など、「原発回帰」を印象づける内容となった。

米国の言い分を聞く日本政府

 今回の基本計画案を取りまとめたのは資源エネルギー庁である。岩上安身は、「エネ庁の審議会に、CSISのジョン・ハムレ所長が招かれた。米国に、『日本は原子力国家として生きていくべきだ』と言わせている。一体どういうことなのか」と指摘。

 満田氏は、「審議の過程では、被災者や原発立地関係者からのヒアリングは一回も行なわれていない。3.11前の2010年の基本計画の見直しの時ですら、全国で公聴会をやっている。3.11前のあのひどかった時代よりもさらにひどいやり方で決めようとしている」と、政府による一方的な「原発回帰」を批判した。

「『プロ市民』は都市伝説」

 官邸前や経産省前で原発や秘密保護法に反対する声を上げ続けてきた火炎瓶テツ氏にマイクが渡ると、テツ氏は、自身が「プロ市民」と呼ばれることに関し、苦言を呈した。

 「『プロ市民』なんていません。みんな、働いた後に駆けつけているんです。運動でお金なんてもらっていません」と、一般市民として声を上げていることを強調。「特定秘密保護法が成立した今後も、声を上げ続ける。ここまできたら後戻りするつもりはない」と意気込みを見せた。

 これを聞いた宇都宮氏は、「まさに火炎瓶テツさんのような方が声を上げることで、特定秘密保護法や安倍政権を吹っ飛ばすことができると思う」と話し、一人でも多くが立ち上がり、声をあげる重要性を訴えた。

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  1. hotaka43 より:

     宇都宮氏に是非都知事になってもらい、福島から批難してきている人達やどうしても出て来れなくて福島にいらっしゃるお子さんやその家族が保養できる施設を東京に作ってもらいましょう。東京都が直接出来なくてもNPOなどが行えるように予算を作ってもらうことは出来る筈です。そしてこれを行ってくれる知事は宇都宮先生しかいません。今迄の石原や猪瀬そして今立候補している他の人でこれに賛同しそうなのはいないですよね。
     場所の例としては大島が良いと思っています。島の復興と雇用などにもなりますし、交通の便もそれ程悪くなく、空気や食べ物も悪くなさそうですからね(内部被曝しちゃあ意味が無い)。これが武田教授が言っていた東京が自分達の税金を使って償う一つの方策になるのだと思います。
     是非皆さんで応援し、実現するようお願いします。

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