国民的議論を無視したエネルギー基本計画案に反対する署名提出──あの官邸前20万人、脱原発の願いは絶たれるのか 2014.1.8

記事公開日:2014.1.8取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 資源エネルギー庁が実施した「エネルギー基本計画」のパブリック・コメントが1月6日、締め切られた。FoE Japanと原子力規制を監視する市民の会は8日、資源エネルギー庁に申入れを行い、6904筆の署名を提出。2012年夏、国民的議論を経て取りまとめられた「原発ゼロ」の民意を反映していないエネルギー基本計画案に抗議するとともに、今回のパブコメに集まった約19,000件の意見をきちんと審議すること求めた。

 現在、パブコメの中身は精査中だと言うが、資源エネルギー庁需給政策課の奥家敏和室長は、「意見を精査して、関係閣僚会議を開催すること以外は何も決まっていない」と回答。集約した意見をどのような形で公開し、反映されるのか分からないとする政府の姿勢は、子ども・被災者支援法や秘密保護法のパブコメの時と似ている。今回も国民の声は無視されるのかー。

■ハイライト

「2030年原発稼働ゼロ、は閣議決定ではない」

 2011年3月の福島原発事故後、エネルギー戦略を白紙から見直すべきであるとし、民主党政権下、「2030年代に原発稼働ゼロを可能にするよう、あらゆる政策資源を投入する」と明記された「革新的エネルギー・環境戦略」が取りまとめられた。

 環境戦略を取りまとめるにあたり、政府は、全国11ヶ所で意見聴取会を開催。そのほかにも、約7000名への電話での世論調査、約300名が参加した討論会も実施し、パブリック・コメントには約8割が脱原発を望む意見が届き、「2030年代に原発稼働ゼロ」が打ち出されたのである。

 しかし今回、政府が出してきたエネルギー基本計画案には、「原発稼働ゼロ」という一文が盛り込まれないどころか、原子力を「重要なベース電源」と位置付け、核燃料サイクル政策を着実に推進するとうたうなど、明らかな原発回帰路線に転換した。

 「なぜ、2012年に示された脱原発の民意を無視するのか」という質問に対し、奥家室長は「革新的エネルギー・環境戦略は会議決定されたのみで、閣議決定されたわけではない」と反論。つまり、「2030年代原発ゼロ」を守る義務は政府にはない、と言わんばかりの主張である。

「政府の強行突破に慣れてはいけない」

 FoE Japanの満田夏花氏はIWJのインタビューに対し、「どんなに脱原発の声が多かったにしろ、それを反映することはまずしないのだろうが、少なくとも、パブコメという制度を形骸化したくない。2012年夏の国民的議論で多くの人が望んだ原発ゼロの方向性を無視しようとしているが、それを何とか食い止めたい。無視するなら堂々と目の前でしてみろと突き詰めるための、今回の署名提出だった。

 情勢は暗く、覆る可能性は低い。ただ、密やかに原発回帰にならないように、問題の可視化が必要だと思う」と話し、一人ひとりができることとして、国会議員や資源エネルギー庁、メディアへの働きかけなどを挙げた。最後に満田氏は、「国民が国の強行突破に慣れてはいけない。民主主義としてこんな無視の仕方は有り得ない」と、やりたい放題の政府を強く批判した。

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「国民的議論を無視したエネルギー基本計画案に反対する署名提出──あの官邸前20万人、脱原発の願いは絶たれるのか」への3件のフィードバック

  1. 居残り佐平次 より:

     多くの官僚に見られるこの中身のない繰り返しは、確信犯なんでしょうか。
     各団体の方がこうして活動されている努力には本当に頭が下がります。しかし、参加されている方の思いや苛立ちが強すぎて、官僚に対する追及が拡散してしまう印象を受けます。と書いている私自身も血の気の多い人間なので、冷静に追及する自信はありませんが。
     よく政府は「国民的議論を高めて」と言いますが、実現したためしがないと思います。やはり国民投票が必要でしょう。そうすれば必然的に議論は高まるわけですから。

    1. 新本 ひとし  (しんもと ひとし) より:

      日本における原子力発電の建設は、米国の核戦略の一部として、組み込まれています。
      また、日本は第二次世界大戦の、アメリカ軍よるに無条件降伏を、受け入れています。
      ドイツは、イギリス、フランス、米国の連合国による条件月降伏であります。
      従って、経済発展はしていても、実質的には、アメリカに対して、真に独立しているとはほど遠い現実がありますので
      アメリカによる、日本における原発建設への押しつけに、NOということができない政治的システムに組み込まれています。
      ここに起点があることを、国民は認識すべきであります。
      従って、政府、財務省、経済産業省は、「原子力基本法」盾に、いわゆる法律を盾に、原発を進めていくのであります。
      多くの日本国民は、この法律をしりません。
      また、この法律しっても、この法律がどのように運用されているかは、全くしらないのであります。

      ここを知り抜いて、原発とは何か熟知し、脱原発を行うには、まず何をするべきかを、勉強する必要があります。

  2. 今関 和子 より:

    以下の毎日新聞の記事を読んで、自民党の河野太郎さんが頑張ってくれていることを知りました。河野さんには感謝と励ましのメールを送るつもりです。 公明党の議員には責任の自覚を促すメールを送らなければならないと思います。

    毎日新聞 2014年01月11日http://mainichi.jp/select/news/20140111k0000m010143000c.html
    「・・・政府は当初、パブリックコメントを経て今月中の閣議決定を目指していた。しかし、自民党の河野太郎副幹事長ら有志議員は、「早期に原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」という同党の2012年衆院選公約との整合性がとれないとして、近く素案の抜本的な見直しを提言する予定。党内で原発推進派と慎重派が対立しかねない状況に、高市早苗政調会長は7日の政府・与党連絡会議で、政府側に慎重な対応を要請した。将来的な「原発ゼロ」を掲げる公明党にも「基本計画は党の方針と全然違う」と不満が根強い。」

    【オンライン署名】
    民意無視/原発回帰のエネルギー基本計画に反対します
    http://chn.ge/1eMIVni
    引き続きよろしくお願いいたします。
    第三次締切:1月20日(月)朝10時

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