原発ゼロ社会の実現を目指す有識者らでつくる市民団体「原子力市民委員会」が、2014年3月までの完成を予定している「脱原子力政策大綱」の中間報告に関する意見交換会を開いた。この日は座長の舩橋晴俊氏(法政大学教授)と委員の島薗進氏(上智大学神学部教授)がそれぞれ講演した。
原発ゼロ社会の実現を目指す有識者らでつくる市民団体「原子力市民委員会」が、2014年3月までの完成を予定している「脱原子力政策大綱」の中間報告に関する意見交換会を開いた。この日は座長の舩橋晴俊氏(法政大学教授)と委員の島薗進氏(上智大学神学部教授)がそれぞれ講演した。
■ハイライト
舩橋氏は「脱原発政策の体系的、対抗的構築が必要で原子力市民委員会は設立された」と述べ、これまでの活動の経緯などを報告した。
また、2014年1月に閣議決定される見込みの「新エネルギー基本計画」について、「福島第一原発事故前と変わらない、原発依存を浮き彫りにするものだ」と指摘。「この2年半は何だったのか?」と疑問を呈した。
経産省が作成したこの「エネルギー基本計画」では、原子力発電について「基本となる重要なベース電源」だと明記。原発の再稼働に向けて前向きな姿勢を示した内容となっている。
島薗氏は、中間報告を倫理的な視点と「人間の復興」をテーマに解説した。その中で島薗氏は「公平性、公正性が日本では深刻」と述べ、「放射線の健康影響はない」というスタンスの福島医大が、放射線関連の医療産業の集積に取り組むとする「復興ビジョン」に対して疑問を呈した。