「原発は基盤となる重要なベース電源」?! 無視された国民的議論に市民ら怒り表明 2013.12.19

記事公開日:2013.12.19取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 原発は「基盤となる重要なベース電源」。経産省「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は13日、政府が年明けに閣議決定する新しい「エネルギー基本計画」をとりまとめ、日本の将来には原発の維持、再稼働が必要であると示した。福島原発事故の教訓はどこに活かされたのだろうか。

 この決定を受けて12月19日、FoE JAPANらは「民意無視の『エネルギー基本計画』に異議あり! 国民的議論の結果はどこへ?」と題した市民集会を行い、エネルギー基本計画の内容に異を唱えた。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2013年12月19日(木)
  • 場所 衆議院第一議員会館(東京都千代田区)

そもそも「エネルギー基本計画」とは?

 「エネルギー基本計画」とは、2002年に施行された「エネルギー政策基本法」に則って資源エネルギー庁が発表している、エネルギー需給全体に関わる施策の長期的、総合的かつ計画的な実行を図るための「指針」のことだ。03年から約3年ごとに更新されており、最期に見直されたのは2010年だった。

 民主党政権は2012年の夏、パブリックコメントの募集や討論型世論調査を開き、日本の今後の原発政策をめぐる国民的議論を試みた。結果的にパブコメの約9割が脱原発を選択し、世論調査も脱原発を求める声が多数を占めた。この結果をまとめた、資源エネ庁作成の「革新的エネルギー環境戦略」には、「政府が原発に依存しない社会をどう実現していくかという大きな『道筋』を示すことが重要」とし、「2030年代に原発稼働をゼロにする」と書かれていた。これが次の「エネルギー基本計画」に反映される予定だったのだ。

 しかし、政権交代があったことで、とりまとめられた「エネルギー基本計画」は一転。原発は「基盤となる重要なベース電源」と明記され、「原発再稼働の推進」が掲げられた。草案ができたのは秘密保護法が参院で可決した12月6日。その日からパブコメの募集が始まっていた。

自民党政権によってゾンビのように蘇った「原発回帰」

(…会員ページにつづく)

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