本日パブコメ提出期限!原発回帰の政府「エネルギー基本計画」に市民らが抗議の緊急記者会見 2014.1.6

記事公開日:2014.1.6取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 資源エネルギー庁が取りまとめた「エネルギー基本計画」に対するパブリックコメント(意見公募)の締め切り日の1月6日、脱原発を訴える市民団体らは経産省前の脱原発テント前で「エネルギー基本計画の閣議決定を許すな」と題した記者会見を開いた。

 エネルギー基本計画とは、2003年から約3年ごとに更新されている、日本のエネルギー政策の「指針」のことだ。今回の新たなエネルギー基本計画は1月中にも閣議決定される見通しで、現在、資源エネ庁がパブコメを募集している。

■ハイライト

「原発回帰」へ ?「2030年代原発ゼロ」から一転

 今回の計画案には、さまざまな指摘がなされている。2012年の夏、民主党政権下で国家戦略室が募集したパブコメでは、国民の約9割が原発ゼロを訴え、政府主催の討論型世論調査でも、多くの市民が脱原発を望んだ。こうした国民的議論を踏まえ、資源エネ庁は「革新的エネルギー環境戦略」を取りまとめ、「政府が原発に依存しない社会をどう実現していくかという大きな『道筋』を示すことが重要」とし、「2030年代に原発稼働をゼロにする」と明記した。

 これが新たなの「エネルギー基本計画」の基板となるはずだった。しかし、政権交代で一転。原発は「基盤となる重要なベース電源」と位置づけ、「核燃サイクルを推進」し、「安全確認された原発は順次再稼働する」と、「原発回帰」を前面に打ち出すものとなった。

 また、前回更新時の2010年には開かれた地方公聴会も、今回は開かれる予定はない。福島第一原発事故後、初の更新であるにも関わらずだ。

「政権交代したからといって、国民の意志が変わったわけではない」

 経産省前テント広場代表の淵上太郎氏は、計画書について「『はじめに』ということで約1ページほど事故の反省などが書かれているが、その後の流れはそれとは無関係で、原発はいかに安くて、いかに必要か、ということが書かれている。前回のエネルギー基本計画とまったく同じ内容だ」と指摘。

 さらに、草案で、福島原発事故の「教訓を乗り越え、中長期的に責任あるエネルギー政策を講じなくてはならない~」と書かれていることに言及し、「乗り越えちゃいけないんです。教訓をそのまま受け止めて、次の政策に反映しなければいけない」と力強く訴え、「乗り越えることで完全に事故を忘れ、原発を推進しようというのが今回の決断だ」と断じた。

 環境NGO団体、FoE Japanの吉田明子氏は、「政権交代したからといって、国民の意志が変わったわけではない」と主張。民主党政権下での国民的議論にも不十分な点はあったが、今回よりも時間をかけ、巨額の予算を使って大々的に展開したと述べ、「(集積した国民の声を破棄するのであれば)前回と同等か、それ以上の国民的議論をするべきだ」と、拙速なプロセスを批判した。

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