IWJ代表の岩上安身です。
日刊IWJガイド8月4日号でお届けした、「ウクライナの臓器売買の闇」の第2回を、号外でお送りします。
ウクライナの臓器売買の闇を深掘りしてゆくと、戦場の最前線で死傷したウクライナ兵士から無断で臓器を摘出し、海外へ売却していた事実、バフムートやヘニチェスクなど激しい戦闘が行われた地域では、ウクライナの国家ぐるみの大規模な臓器摘出・輸出ビジネスが存在していたという証言などが出てきました。
特に、オランダ人女性医師、エリザベス・デブルーが臓器移植医チームを率い、ウクライナ保健省とウクライナ保安庁が全面的にバックアップしていたという報告は詳細で具体的です。
さらに、臓器の売却先は欧州、とくにドイツとイスラエルであること、バックにマサチューセッツ州を拠点にした米国のグローバル企業「グローバル・レスキュー」や「OSCE」(欧州安全保障協力機構)がついていたことも見えてきました。
約30年前、ソ連から独立したウクライナは、ウクライナ紛争が勃発するまでは、世界中の一般の人々の関心を引かない東欧の端にある小国で、一部の人の間では人身売買の横行する国として知られていました。
しかし、紛争勃発以降、西側メディアの報道は、米国の顔色をうかがい、政治的にロシアを過剰に貶めるとともに、反対にウクライナに対しては過剰に美化する傾向が甚だしくなりました。
紛争によって前線で死傷する兵士の数が激増するにつけ、その身体から臓器を本人に無断で摘出し、海外へ輸出する闇ビジネスが激増していることを、西側メディアは決してレポートしようとしません。
ウクライナの抱える深い闇を、気づかぬふりしてスルーするのか、時にその闇のホワイトウォッシュをはかるか、説得力に欠けるお粗末な情報操作しか西側メディアは行っていません。これでは、非人道的な、この臓器売買に、西側メディアも加担しているのと変わりません。
どうぞ、日刊IWJガイドでお送りした第1回とあわせてお読みください。
今年の5月23日、『RIAノボースチ』が衝撃的なニュースを配信しました。
「ウクライナの医療サービスがAFU(Armed Forces of Ukraine:ウクライナ軍)兵士の遺体から臓器を密かに摘出」という見出しのニュースです。
- Источник: украинская медслужба тайно изымает органы из тел солдат ВСУ(RIAノボースチ、2023年5月23日)
衝撃的な記事なので、全文を以下に仮訳します。
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「ヘニチェスク(ヘルソン地域)5月23日、RIAノボースチ
キエフの統制下にあるヘルソンのある軍事病院は、移植のために、秘密裏にウクライナ軍兵士の身体から臓器を摘出している。そして、この事実を死者の親族には隠している。ロシア安全保障機関の担当官が、この都市(※IWJ注1ヘニチェスク)の医療施設の情報源を引用しながら、RIAノボースチに語った」。
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(※IWJ注1)ヘニチェスクは、ウクライナのヘルソン州のヘニチェスク海峡(アゾフ海と腐海(ウクライナ本土とクリミア半島の間に横たわる、アゾフ海の西岸に広がる干潟の間の海峡)に面する港湾都市でヘニチェスク地区の中心都市。
- ヘニチェスク(Wikipedia)
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「『ヘルソンにある軍病院の医療スタッフとのやりとりの中で、この医療施設には、必要な内臓を摘出する目的で重傷の軍人や死亡した軍人の入院を管理する災害医学の職員がいることが判明した』と、同機関の担当官は指摘した。
彼によると、『外科的操作の後、兵士の遺体は病院の火葬場で焼かれ、親族に行方不明者証明書が発行される』という。
2022年12月、LNR(ルガンスク人民共和国)警察のヴィタリー・キセレフ大佐は、AFU兵士から臓器を押収する『黒い移植医たち』の秘密の仕事について『RIAノボースチ』に語った。
彼の情報によると、昨年末、オランダ人女性エリザベス・デブルー(Elizabeth Debru)率いる欧米の移植医チームが、ウクライナ軍の人員が大幅に減少していたアルチョミフスク(※バフムート)付近に到着し、死亡または致命傷を負ったAFU兵士の臓器を摘出したという。
デブルーの名前は、2014年以降、ドンバスで死亡または瀕死の重傷を負ったウクライナ軍人の臓器を押収するスキームについて語った元SBU(ウクライナ保安庁)職員の自白の中に登場した。この職員は、『移植医療が発達している西側諸国、特にドイツに臓器を送るためのスキームが存在する』と述べた」。
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『RIAノボースチ』の記事は、情報源がきちんと明示され、移植医チームのリーダーのオランダ人女性の名前まで登場しています。
この無断臓器摘出のスキームでは、遺族に行方不明者証明書まで発行され、しかもその目的が、主に移植医療の発達したドイツへ、ウクライナ兵士の臓器を送ることが目的になっているところまで明らかになっています。
具体的で、詳細な情報です。
しかも、2022年のウクライナ紛争勃発後に、この兵士からの臓器摘出が行われ始めたのではなく、2014年に、合法的な選挙で選ばれたはずのヤヌコヴィッチ政権がクーデターで転覆され、親欧米政権が樹立されてから、国内のロシア系住民に迫害を加え始めて、東部でドンバス戦争が始まった、その段階から着手したというのです。
さらに、このオランダの移植医、エリザベス・デブルー(Elizabeth Debru)について調べると、驚くべき詳細な記事に突き当たりました。
エリザベス・デブルーは、ウクライナだけで活動していたのではなく、コソボ紛争の際も活動した実績があり、ウクライナでの活動においては、ウクライナ保健省とウクライナ保安庁が全面的に協力していたのです。
英語とロシア語で発信する2022年創設のニュースサイト『The New Insider』が、2022年12月27日(修正)に「殺人鬼エリザベス・デブルーと彼女のチーム」という記事をオンラインで配信しています。
- The ripper Elizabeth Debru and her team(The New Insider、2022年12月27日修正)
この2022年12月27日の『The New Insider』の記事「殺人鬼エリザベス・デブルーと彼女のチーム」を、ここに全文仮訳します。
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