2022年7月12日(火)午前10時45分頃より、林芳正外務大臣の定例会見が、外務省にて開催された。
IWJ記者は以下の質問を行った。
IWJ記者「昨日、岸田総理は『普遍的価値と国際ルールにもとづく新たな時代の秩序作りをG7が主導していく意志を歴史の重みをもって示していきます』『中立的な立場をとっている一部のアセアン諸国やアフリカ諸国』に働きかけると述べられています。
現在対露制裁に参加している国は、欧米中心に世界で40ヶ国弱のみで、国連加盟国のうち、150ヶ国以上が制裁に参加していません。
ロシアは、中国やロシア産石油を旺盛に格安で購入しているインドなど、BRICSとSCO(上海協力機構)を軸に、イランや親米国家だったはずのサウジアラビア、アルゼンチンなどと連携が進んでいます。
米国主導でロシアを排除するのはもっぱら欧米と日本で、他の国々はむしろ、米国の覇権のもとでの国際秩序から抜け出して、多様性ある国際秩序をつくろうとしているように見えます。対露制裁でG7がインフレなどに苦しむ一方、制裁に参加していない国々の成長率はG7を上回っています。
ロシアが提唱した新G8(中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、トルコ、メキシコ、イラン)は、名目GDPの合計額はG7の67%ですが、購買力平価GDPで見れば1.24倍と、逆転しています。
日本が働きかけることで、対露制裁に参加し、G7が主導する『新たな時代の秩序』に参加するアジア・アフリカ諸国はどの国で、何ヶ国ぐらい、と見込んでいらっしゃいますか?」
林芳正外務大臣「はい、我が国としては、これまでのG7首脳声明等踏まえて、厳しい制裁措置を着実かつ速やかに実施してきておるところでございます。
で、この我が国を含む各国の制裁措置によりまして、物価の上昇や外国企業の撤退、操業停止など、ロシア経済へは様々な影響が出ていると認識をしております。
ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、高い代償を伴うことを示していくことが重要であります。一刻も早くロシアが侵略を止めるように、またそのためにも、制裁の抜け道が生じないようにして、制裁が一層効果的なものとなるよう、我が国としても、G7をはじめとする国際社会で結束して、強固な制裁を講じていきたいと考えております。
また、G20等の場を活用しながら、中間的な立場を言われている国々にも、引き続きしっかりと働きかけ、アウトリーチをしていきたいと考えております」
IWJ記者「繰り返しになるんですけれども、日本が働きかけることによって、対露制裁に参加するアジア・アフリカ諸国は、どの国で、何ヶ国ぐらい、と見込んでいらっしゃいますでしょうか?」
林外務大臣「特に具体的な数字を申し上げることは控えたいと思いますが、先程申し上げましたように、G7等を中心として、いろんな場を活用しながら、アウトリーチ、働きかけを継続してまいりたいと思います」
林大臣は冒頭発言で、フィリピンのマナロ外務大臣との電話会談について報告した。
他社からは、安倍晋三元総理への各国要人からの弔意、安倍元総理の外交での功績、台湾副総統の安倍元総理の弔問のための訪日などについて質疑があった。
会見について、詳しくは全編動画を御覧いただきたい。